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光と闇の相克 ~光側の準備~


 寂れた教会。中心に天使が降り立つ。


「はて? 何故、私に対する送迎がないのか。

 ……ふむ、僻地か。誰とも知られず信仰が溜まり、私が降り立つ事が出来たのか」

 天使は笑みを浮かばせる。 


「これは僥倖。闇に知られず下界に降り立てたという事。ここで静かに力を溜め、闇に裁きを与えるとしましょう」







聖帝国ソルティア・ディヴァナ 救視の間


「世界は常に暗黒が狙っている。故に、常に聖なる形に変え続けなければならない。わかりますね」

 光輝くものが天界の理を語る。


「はい、わかります」

 人間の少女が頷く。


「よろしい、神子たる貴方がこそがその重要な防衛線です。常に意識し続けなさい。

 ……では、救視を」


「…………


 1年後、国境線で帝国と小競り合いがあります。本格的に侵攻する意志はなく強硬派の暴発のようです。3年後、聖国を建てる際に屈服させた元王族、現貴族の反乱……天候不順による不作……魔獣暴走…………」


 光り輝くものはは少女の言葉を聞きながら、同時に有用な道具が壊れていないのかを見るように少女を見ている。


「……そして、アンデッド事件の増大……」


 その声に光り輝く者は視線を険しくした。どうやら、そのものにとってその言葉は今までの言葉よりも緊急性が高いもののようだ。


「その救視を詳しく」


「はい、アンデッドにより複数の村が壊滅状態になります。とはいえども聖騎士を派遣すればどうにかなる程度です。天候不順による不作や反乱の方が規模は大きいです」


「おかしい。アンデッドの増加の前にはそうなった理由が見えるはずです」


「確かに今まではそうでしたね。事故や戦争による死者の増加がありました。しかし、時系列では不作や反乱の後です。そのためではないでしょうか?」


「いえ、私がアップデートした救視ではその場合、理由とのつながりを自覚できるはずです」


「なら、この事件はアンデッド創造事件!」


「しかし、問題はより大きなところにある。このように救視かれ逃れようとしている。それ自体がおかしい。

 ……より大きな目論見があるはずです。それを念頭に置いて救視してください。


 少女はより深く入り込む。しかし……


「何も見えません」


「……救視の仕組みを知り、小賢しくも誤魔化そうとする……このやり方は、闇ですか」


「闇、ですか?」


「ええ、最近は私に恐れをなしたのか大人しくしていましたが、我ら最大の敵です。

 なるほど、相手は予見をくぐり抜けようとしているのですね」

 光輝くものは嗤いと獰猛さが入り混じったような表情を浮かべる。


「しかし、この程度で私に勝てるとでも。

 神子よ。貴方に与えた力を強化します。儀式は一週間後です。それまでに光を受け入れる準備をしときなさい」


「はっ、はっ、はっ。りょ、うかい、しました」


 救視を終え、息絶え絶え担った少女を尻目に光り輝く者は直ぐ様その場を立ち去る。予定の変更の帳尻を合わせるためだ。



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