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冒険者パーティの終わり
俺は馬鹿だ。文字を読むことも出来ないし、計算もできない。だから生まれ持った力を頼って生きてきた。それだけで生きていこうと思っていたんだ……だけど仲間が出来た。
仲間はみんな良いやつでこの力はそのためにあるんだと思った……思っていたのに。
「ぎゃはははは」
耳障りな笑い声がする。奴が握っている何かは動かない、化物は握っていたものを俺の近くに投げ捨てた。
「ファン……」
周りには同じような肉の塊が……
「ああああああああああああああああああああああああああああ。ぶっ殺してやるぅぅぅぅ!!!!」
……あっ。くそっ、一太刀も出来ずやられるのかよ。悪い。せっかく、俺の力の使い所を見つけたと思っていたのに。
そんな、情けない俺を慰めてくれたかのように。俺の手を握り返してくれた気がした……もし、来世があったらまたお前らと冒険…したい……なあ………
ぐしゃりと化物は肉を踏み潰し、洞窟の奥へ戻っていった。
少し時間がたった後、どこからともなく飛んできた白い花が彼らの上に止まった。




