物語に入り込む
「先生、物語に入り込むってどういうことだと思う?」
「どういうこと、とは?」
「だって物語は文章か二次元のイラスト。世界を構築するには足りない情報量だよね」
「確かにそのとおりだ。しかし、その世界を作者が観測していると考えれば良いのでは」
「それでも不自然さ。だって、物語の目的は読者を楽しめるためにある。もし世界が本当にあるのだとしたら、読者を楽しめるために不自然に世界が構築されていることになる」
「では、同時に改変しているとしたらどうだ」
「改変?」
「観測しているだけでなく、その世界を読者を楽しめるように、または作者が思うように不自然に改変しているのだと」
「物語を…観測ではなく改変装置と考えるんですか」
「もしくは転生者が世界を演算していると考えても良いかもしれない。二次元のイラストデータを元にその転生者が演算していると考えるのだ。
結局、改変でも演算でも、どちらにせよその転生者が世界を体感しているのであれば世界は構築されたと考えるべきだらう」
なるほど、物語を観測ではなく改変と捉えるのか確かにそう考えると物語も世界と考えることが出来るかも。




