不死者の捕縛
「おいおい。不死者の捕縛だって? 上司は俺を殺す気かよ」
「まあまあ。滅多なことを言うもんじゃない。期待しているからこの任務が来たんだろ」
「っていっても、不死者だぜ、不死者」
「っていっても、所詮死なないだけの人間だろ。騎士には勝てねえだろう」
「あー、お前資料見たことねえの。前に中隊で囲んでおいて、皆殺しにされたの。しかも、不死者は農民だったんだぜ。死なねえってのがどれほど強えかって感じだぜ。正直、全力でその機能を活かせば国も壊せるんじゃねえか」
「おいおい、それは言いすぎだろう。俺たち騎士が不死になれば恐ろしいが、農民だぜ、いくら全力で攻撃しても届かないだろう」
「ちっ、それが普通の認識か、じゃあこの小隊で捕まえろってのは俺を殺すためじゃなくて単に実力が分かっていないって事か。
確かに耐久力があるだけの農民ってだけなら簡単だぜ。でも、不死の本領ってのは人間の形を逸脱出来るってことなんだぜ。それこそ、土の中でずっと飲まず食わずでも良い。海に逃げ込んでも良い。逸脱しきった不死者ってのは死に慣れるからな」
「そんだけ……化物になるのか? 不死者でも死にたくねえだろう」
「人間の精神って器に影響するからな、機能によっていくらでも変化するからなあ」
「で、どうするんだ。もう命令は下されているぞ」
「とりあえず、上司にプレゼンしてもっと人数増やしてもらって、計画をこれから徹夜で立てるか。お前もこないか」
「それほど恐ろしい不死者ってのも見たいが、俺も命令下ってて、西の賊を倒さないといけないんだ」
「そうか、仕方ねえ。死ぬ気はねえが死んだら敵は討ってくれよ」
「おいおい、相手は不死者だから殺せねえだろう」
「そういえば、そうだったはははは」




