救いなき終焉
雨が降っている。この雨は生物に凶悪で人間が浴びたら一時間ほどで癌になってしまう。
そんな雨を見ながら外を見ていると人型の機械を見つけた。
敵は、アンドロイドと言うよりも、自らを機械化した人間と言うべきか。元は人間ではなく機械の体に、人工的な人間精神データをアップロードした存在もいるから機械と言うべきか人間というべきか。
人型ではあるが一目見れば人間ではないということがわかるだろう。見ていてとても気持ち悪い。もはや人間的美意識も消し去った連中だ。
それを俺は溶けながら銃弾で壊した。
しかし、機械達はここにいることに驚きもせず打ち返してくる。せっかく寿命を縮めて、地上にはいでたというのに驚きもしないんだから機械化した奴らは情緒に欠けている。
機械を全て壊した後。地下に戻ってきた。
「はあ、この雨で煙草も湿気ってやがる」
この戦は負け戦だ。地下に潜って隠れているそう遠くない未来に終わるというのに目を逸らしてただ生きる。
でも……本当はそれが正しいのかもな。寿命を減らして、尖兵を少し壊しても敵には何のダメージもない。
「どうすっかねえ。誰か俺たち救ってくれねえかなあ」
そんな意味のない言葉を吐き出したが何も変わることはなかった。




