横にいる君
「おい、ここ面白いぞ!」
「なにが面白いんだ」
「あの生き物達だよ! あれは止まっているように見えて動いているんだ! 変な動きだよな。あれにはどんな意味があるんだろう。
あっちの生き物は変な形だ。あの形にはなんの意味があるんだろう。不思議でいっぱいだ。そうは思わないか」
その笑顔に動揺しながら。
「ああそうかもな」
「おい、聞いているのか」
「ああ、聞いている、聞いているさ。だが、気をつけろよ。危険かもしれないだろう」
「そん時はお前が守ってくれるんだろう」
「お、おう」
そんな信頼に、つい言葉が出せなくなって、どもってしまった。
「あ~赤くなっているな」
「なってねえよ!」
からかう君に動揺して、しかしその世界に確かに幸せを感じて……昔の暗い記憶が想起した。
君は少し心配した顔をして。
「なあ、どうしたんだ」
はっ、と気持ちを戻して
「なんでもねえよ。それよりお前が興味津々の変な生き物、逃げ出しそうだぞ」
「あっ、早く追いかけないと!」
エネルギー溢れる君はどうしようもなく綺麗だった。手を伸ばそうとするが届かない。眼の前には君がいた遠い、遠い君が……
ぉ~ぃ
「お~い 置いてくぞ 守ってくれるんだろう」
はっ、と意識を覚醒されると、彼女は手を伸ばしていた。俺はその手を掴んだ隣に立った。横には君がいる。




