冬の寒村の厳しさ
「薪が足りない……」
20代後半の青年が憂鬱そうに呟いた。その声を聞いて、腕白そうな少年が近づいてきた。
「どうしたんだ。兄ちゃん」
青年は少年を横目で見ると、ため息をついて語った。
「冬を越すための薪が足りなんだ。このままでは凍えて冬を過ごすことになる」
「だったら、森に言って薪を取ってくればいいだろう。兄ちゃんが言うなら、おいらが今から取ってくるよ」
「馬鹿! 知っているだろう。山に魔物が住み着いたんだ。行っても無駄死にするだけだ」
青年は少年の肩を掴んで詰め寄ったが、少年はその手を払った。
「知ってるさ! でもだからって何もしなかったら凍えて死ぬだけじゃんか、気をつけてやれば魔物もやって来ないさ!」
「そんな甘い考えが通用するわけ無いだろう! 真面目に考えろ」
「兄ちゃんこそ臆病風に吹かれているだけだろう。兄ちゃんの臆病者!」
少年は文句を言って走り去っていった。青年はその姿を見て、一度目を瞑り。目を開けた後は覚悟を決めたような顔つきに変わった。
数日後、青年は遺体となって発見された。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
青年は悩んでいた。あいつの意見は短絡的だが何もしなかったら結局凍え死ぬのは確かだ……行くしかないか。村の大人から山狩りの誘いを受けている。
正直、俺だけだったら耐えられるかも知れない。だが、うちの家族には生まれたばかりの妹もいる。弟にも凍えるような気持ちをさせたくない。
行くぞ。




