寮に到着
寮までの距離はかなり遠く、催花雨家から新幹線で一駅くらいのところに寮があった。
外観はまるでコーヒーカップをモチーフにしたような建物で持ち手の部分もデザインとしてあり皿の部分に接する部分に扉があった。
コーヒー好きな私にとって興奮するデザインだったがその感情を抑えてテクテクと歩く木乃香の背中にくっついて建物の中に入って行った。
「寮母さんただいま。」
「おかえりなさい。木乃香お嬢様。この時間にお戻りになったということは。」
「そうなの‼︎私のルームメイトのほたるだよ。私の運命の人。可愛いでしょ‼︎」
「催花雨ほたるです。本名はほたる。旧姓、夜桜ほたるで、ルームメイトになると同時に新しい性を貰いました。よろしくお願いします。」
私はそう言いながら深々とおじきをした。
「夜桜家って、あの噂の秘密警察で有名な夜桜家⁇」
「夜桜家って有名なの?」
「木乃香お嬢様、この国を代表する秘密警察ですよ。財力と権力ですと、催花雨お嬢様より上だと思いますよ。」
「えぇ、私普通にタメ口で話しちゃってたよ。失礼しました。ほたる様。ちなみにほたる様の貯金額を聞いてもよろしいでしょうか?」
「私は、夜桜家に救われた身だから夜桜家は第二の性だね。第一の性は捨てたからもう覚えてない。私個人の貯金額は一兆円くらい。これがなくなったら夜桜本家にお小遣いを貰いに来いって言ってくれた。」
「やっば…‼︎本当に今までの失言をお許しください。」
「いや、2人きりの時はタメ口で大丈夫だよ。あと学校の人が理解してくれたらどこでも大丈夫。だけど、夜桜家の威厳とか理解してもらうまでは2人きり以外の時は敬語でお願いするよ。」
「ありがとうございます。」
寮母の方も近くにいた同じくらいの学生も驚きながら、私たちの部屋を紹介してくれた。
最上階が空いていたらしく、私、ほたると木乃香の部屋は最上階となった。
木乃香に聞くと明日が始業式で学校が始まるらしい。
咲夜と同じように学校に入ることになって、心の中は嬉しさで溢れていた。
「話しはまとまったかな?最上階の行き方を教えるね。」
私とほたるは最上階に向かった。