驚きと不安
流石上空の移動手段のヘリコプター。25分でビル街に出た。その中でも1番高いビルが見えてそこから見える街はより一層景色がいいんだろうな〜。と軽い気持ちで考えていたらそのビルの屋上にヘリコプターが到着した。
「なんでここに着陸したの?」
私はここに捨てられるのか・ここで殺されて隠されるのか。と不安な気持ちでいっぱいだった。
「ここで降りてね。」
と助席に座っていた女の子が私に言った。
咄嗟に「私はここで殺されるの?」
とすぐに叫んでしまった。
私の不安は最大限に達していた。
彼女は笑みを浮かべて
「殺しはしないけど、私の家族になりなさい。」
彼女はそう言ってヘリコプターを先に降りて私をヘリコプターからエスコートしてくれた。
私は人生2度目のぽかーんと情報量に追いついていけずに無の状態になった。
「ようこそ。我が家へ。家族一同大歓迎するよ。」
「えぇっと…、私は殺されないの?」
「何で殺すの?」
「だって…見ず知らずの私を招き入れるなんで怪しすぎるでしょ?」
「なるほど、さっきからおどおどしてた理由はそれか。てっきり今になって私と学校生活送るのが嫌になったとか言われるのかとヒヤヒヤしたよ。」
「いや、自分探しをしているところだったからきっかけをくれて嬉しいよ。でも、ここに住んでいるってあなた何者?私は普通にタメ口で話しちゃってるけど、大丈夫な人?」
「そういう細かい話しは、家の中に入ってから話し合おうよ。私はあなたのことを何もしらないから。」
「ありがとう…ございます。」
「ははは、何で急に敬語になったの?別に大丈夫なのに。」
と自然の笑顔で応えてくれた。
最上階の扉からビルに入ると中にはただ広い空間があった。咲夜が紹介してくれた指令室のような空間よりも広く雲の中の世界のような白色一色の綺麗な空間があった。
「この部屋じゃないんだ。付いてきて。」
彼女は自然な笑みで私の手を引いて隣の部屋に向かった。
部屋の中には赤いカーペットが敷いてあったりどの食器にも製作者の名前がありとても高そうに見えた。踏み込んだことのない世界で恐怖と不安感で私の心がいっぱいになった。
「この次の部屋だよ。」
彼女はこの部屋を平然と進んで私の手を引いて次の部屋に向かおうとした。本当に彼女は私をどうしようとしてるのか、わからなくなった。
次の部屋に連れてかれると彼女の家族らしい人が座って待っていた。
不安を隠せなかった私は不意に瞳から涙をポロポロ流してしまった。
しかし、逃げ道のないことは理解していたのでゆっくり右足を前に左足を前に交互に出して用意された席に泣きながら向かった。