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ビーストライダー・マガネ【鋼】  作者: 時波彷徨
1章  ~ビーストライド~
5/95

01

【登場人物】

・マガネ・アルバレス・アラキダ;エステートスクールに通う少年、アメリカンフットボール部に所属。父、エウロイは幼い頃亡くなり、母、ユウミと郊外で二人暮らし。隣には祖父、善五郎も住んでいる。


・ティナ・ブリンクル;エステートスクール、ビーストライド部のエースライダー、マガネの幼馴染の少女。ビーストライド部で活躍して、ハイスクールの推薦を勝ち取り、家計の助けをできるようになりたいとも願っている


・テムジ・ウォルシュ;サイエンス部に所属して、成績もよく、先生方の覚えも良いマガネの仲のいい同級生の少年。ライドマシンメカニックに興味を持ちビーストライド部に入部。


・ビフ・ハワード・マーティン;マガネとティナとの幼なじみで、ゼネラルエレクトロニクス・マーティン社の御子息 今はユニバース学園ビーストライド部の次期エース


・ユアン・ストラットン;ビーストライド部キャプテン ティナのペアライダーで一学年上の先輩。


・レイチェル・ヤング;エステートスクール教師で、ビーストライド部の顧問教師兼コーチ。


 アメフトボールが空高く舞い上がった。


 エステート、スクールのアメフト部では、今、スタメン入りを目指すアメフト部員は気合の全員参加で、マガネを含めた部員どうしで、二チームに分かれて模擬戦にいそしんでいた。

 マガネは思い切り地面をけり上げると、手を伸ばしてそのボールをキャッチする。

 ボールを奪って着地したマガネに、対戦相手が躍りかかる。マガネは身を縮めて選手たちを見つめると、一気に前にダッシュした。

「なっ!」

 部員たちの合間をすり抜けて、オフェンスラインを突破するマガネは、サイドにおおきく弧を描くように加速していった。


「ひゅう!やりやがるなあ」

「マガネだっけ?なりは小さいけど、リズムとスピードがいいな!あいつ、アジアンか?」

「見てくれはそれっぽいけど、スパニッシュだかのクォーターだって聞いたぜ?」


 後輩たちの試合を見ている8thの先輩部員たちの視線を感じながら、マガネは、精一杯プレイをアピールしていた。

 体の小ささは、持ち前のバネでカバーする。スピードなら、先輩たちにも引けを取らない。一気にヤードを詰めるマガネに向かって、ハーフバックが迫りとびかかった。

 マガネも大きくジャンプをすると、身をねじりながらワイドレシーバーへロングパス。そのまま、マガネはタックルをした相手選手ともんどりうって転がっていった。


「マガネ!大丈夫か!」

 クォーターバックを務めるエレンがマガネのもとに駆け寄る。無茶な体制からの転倒に、マガネを心配して他の部員たちも集まってくる。

「ああ!大丈夫です!抜けると思ったんですけどね。スイマセン先輩」


 エレンの手をつかんでマガネが立ち上がると、練習試合の終了のホイッスルが鳴った。

 朝練終了にさしかかり、試合で酷使した体をほぐすため、マガネ達は長めのクールダウンに向かった。

 グラウンドで柔軟運動をした後、グラウンドを出て、校舎の周りをランニングに向かう。

 校舎の間を抜けて、フェンス越しに山間のコースに差し掛かると、オフロードレース場の外周に差し掛かった。

 マガネ達がランニングするその脇で、その奥からコースを走るモーター音が近づいてくる。

 走るマガネ達がそちらのほうに視線を送ると、ダートの煙を舞い上げて、白銀のマシンがオフロードコースを走ってきた。


 空中で変形して、華麗に舞うようなマニューバを見せるマシンに見入るマガネ。乗っているライダーが空中で半ひねりをして、地上のマガネと向き合った。


 ティナだ。


 夢の中でマガネに手を伸ばした、幼馴染のティナ。

 ティナは、まだビーストライドを続けている。まだ小さい頃、無邪気にお互い、ビーストライダーを目指していたあの時から。


 ティナが駆るビーストマシンは、空中でくるりと回転すると、バイクモードに変形してそのままオフロードのコースに着地し、土煙を上げて加速していくと、そのシルエットはみるみるマガネから遠ざかって行った。



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