表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転移巫女と勇者の二大陸物語(仮)  作者: 煌清
1章 1部
12/82

12.脱出


俺たちの心にズゥーンと圧し掛かる。一番の問題だろう殺人。殆どの日本人は未経験だ。殺さなければ殺される。ステータスの問題ではなく俺らは殺人に躊躇するだろう。

敵はどうだ?恐らく躊躇なく殺しにくる。圧倒的な敵のアドバンテージとなる。


「はぁ。これはいよいよ腹を括らねばならんな。」


「まあそうなるよね。死にたくないもん。私ら牛さんや豚さんも食べてたんだから人も同じだよ。まずそうだから食べないだけ。」


「まあそういう解釈もあるわよね。友紀もいいこと言うわね。」


どういう解釈なのか俺には分からないが・・・腹を括っているならいいのか・・・

それから暫くして窓がコンコンと鳴りエリアドルさんが窓をゆっくりと開けた。窓の外からスッと顔を出してエリアドルさんと会話をしているが顔は良く見えない。


「今、城は夕食の時間となっているそうです。交代で食事をするそうですが今出るのが妥当との事。窓から出ますよ。」


俺たちは友紀を先頭に次々に音を立てずゆっくり外に出た。中庭ではなく城の外周のようだ。木々に隠れて北に進む。左手に見える大きな明かりは食堂だろう。

食堂の壁を左折し厨房らしき煙突のある壁が見えてくる。その壁の向こうに井戸が見えた。その井戸まで木々に隠れ裏側を素早く走り井戸に辿り着いた。

井戸はもう古く使用感は全くない。もうすでにロープが張られており女性がロープの張りをチェックしエリアドルさんに顔を向け頷いた。

そして俺たちに近づき膝を付き一礼をして静かに話し出した。


「私はリンドバル侯爵家に仕えるカレンと申します。急ぎます故、先ず巫女様からお降り下さい。下には侯爵ともう一人おりますのでご安心下さい。」


友紀はロープを掴みスルスルと降りていく。次にめぐみさん、そして俺。下に着くとすらりとした鎧剣士が受け止める。そしてカレンさんが降りてきて最後にリンドバルさんが着地した。


「では参りましょう皆様。」


とリンドバル侯爵。井戸を降りると左右に道が続いている。


「東の方に向かいます。皆さん付いてきて下さい。」


カレンさんがランタンを持ち前を走る。レンガ作りの丸いドーム状の通路、足元は中心が窪み、昔に水が流れていた跡だろう。少し湿っているが草が生え滑る。

俺は単4電池一つで光を放つ小さく細いLEDライトを大量買いしてたのを思い出した。特殊部隊用御用達でこれは兄の趣味だ。

1回スイッチを押すと正面を。2回押すと横のLEDが広範囲を照らす。金に困ったら売るつもりだったのだが。その内の1つをカレンさんに渡す。


「カレンさん。これを。」


「何ですか?これは。」


手渡して操作説明をする。カレンさんがスイッチを押した。パッと正面に太陽光ようなの光が差し、もう一度押すとその光が広範囲に広がった。

これにはリンドバル侯爵や鎧剣士、カレンさんも驚いた。


「凄い光ですね。さすが光の巫女様です。」


リンドバル侯爵が友紀を見る。友紀がフフンと得意げにするがこれはジャパニーズ製だ。巫女は関係ない。


「確かに大変便利な品ですが外が見えたら消しましょう。しかし点灯と消灯が一瞬で出来るのは素晴らしい。」


カレンは冷静に状況を判断し答える。


「それはよければカレンさんに差し上げる。」


「良いのですか?こんな貴重な品を?」


「ええ。いっぱい持ってきたので。」


カレンさんは喜んでくれたようだ。背中に友紀の視線が刺さる。後で友紀にもあげるとしよう。

少し走りリンドバル侯爵がゼィゼィ言い出したあたりでカレンさんが止まりライトを消した。


「もう外です。ゆっくり行きましょう。外に出るとすぐ前に川が流れていますので気を付けて下さい。」


確かにザーと川の流れる音がする。足元の草が多く生い茂りだした。やっと出口だ。草に隠れ川沿いを南に屈みながらゆっくりと歩いていく。


「ヒヒヒーン。ブルルルゥ。」


馬の嘶きが聞こえる。


「川伝いに一番近い太い木に馬車を繋げてます。ここで走りますよ。」


シュタッとカレンさんが走り俺達も後に続く。かなりのスピードだ。馬を木に繋いでいたロープをナイフで切りロープを解き2頭馬車を進ませた。幌馬車だ。


「どうぞ急いで乗ってください。貴族用馬車から乗合用の箱型幌馬車に入れ替えております。」


皆急ぎ乗り込みだす。カレンが鞭を入れ南に走り出した。最後に乗り込んだ鎧騎士が幌馬車の中で膝を付きこちらを見る。


「先ほどはご挨拶も出来ず申し訳ありません。私はリカルド。リンドバル侯爵家に仕える騎士をしております。」


リカルドさんは短い金髪の青い瞳の好青年って感じだ。ちなみにカレンさんは青い髪のショートに白い肌の綺麗なお姉さんでメイド服だ。絶対さとし好みだ。


ゼスト王都の城下町の高い壁が右手側200m程先に見える。俺たちは高い壁を右に見ながらまっすぐ南下していき少しずつ城下町から離れていく。


「ヒヒヒヒヒィーン」


突然の馬の嘶き、カレンさんが手綱を引き急に馬車が減速し俺たちも前倒しになる。


「やはりいるか・・・」


南に向かう道路の左右の木や藪から10人程の槍兵士が現れその奥から魔法使いなのか白に黒の刺繍のローブを着た男が歩いてくる。


「お初にお目に掛かります。巫女様。私はゼブラ。魔法騎士をしております。私もゼスト王の息子の1人なのですよ。

ずっとここで待っておりました。この道を通らなかったらどうしようかと思っていた所です。これも王命。死んで頂きます。」


この国は巫女が邪魔なのか?じゃあ何故この国で転移させた?・・・今はそれどころではないな。




――――――――――― 

ゼブラ  レベル7


魔法使い


HP  23/23

MP  18/18


攻撃力    9 + 3

防御力   10 + 7

敏捷性   11 

魔法力    8 +12

魔法防御   4


装備

魔法の杖     攻撃力に+3 魔法力に+6

魔法のローブ   防御力に+5 魔法力に+6

服        防御力に+2



スキル

火の属性 レベル3


魔法 

ファイアボール


―――――――――――



兵士達は槍を持ちゼブラを守るように2重に隊列を組み始める。

カレンさんとリカルドさんが素早く馬車前方、馬の前に立ち馬車を守るように並んで立つ。

エリアドルさんは馬車の中からウィンドバリアをカレンさんとリカルドさんに放った。



――――――――――― 

カレン  レベル5


シーフ

剣士


HP  22/22

MP   8/ 8


攻撃力   11 +14

防御力    8 +13 バリア効果

敏捷性   13 + 1

魔法力    7

魔法防御   4 + 5 バリア効果


装備

ダガーナイフ   攻撃力に+ 8 剣術+6

メイド服     防御力に+ 4

革の籠手     防御力に+ 2

革の脛当て    防御力に+ 2


スキル

剣術 レベル3

隠密 レベル1


魔法 

風の属性 レベル1

スラッシュ

―――――――――――



――――――――――― 

リカルド  レベル6


剣士


HP  28/28

MP   8/ 8


攻撃力   15 + 8 剣術+6

防御力   10 +15 バリア効果 

敏捷性    7 

魔法力    8

魔法防御   4 + 5 バリア効果


装備

ロングソード   攻撃力に+ 8 剣術+6

鉄の鎧      防御力に+ 6

革の籠手     防御力に+ 2

革の脛当て    防御力に+ 2


スキル

剣術 レベル3


魔法 


―――――――――――




「カレンさん、リカルドさん、バリアは掛けましたが魔法は充分お気を付けください。」


カレンさんとリカルドさんに薄い緑の膜が張られた。


「エリアドル様、ありがとうございます。エリアドル様は我が領主と巫女様達をお守りください。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ