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会いたい…けれど…

あのお茶会以来ずっと、彼からの誘いを断り続けている。

「気分が優れない」そう言い訳して。

本当は…彼に会うのが…怖くて…


彼に会って。

またあの暖かな視線を向けられて。

またもっと好きになって。

それで……捨てられたら…他の人と結婚すると言われたら……


そう思うと、実際血の気が引いて。食事も喉を通らなくなって。本当に具合が悪くなってしまって…。

それでずっと、断り続けている。


彼はそんな私を怒りもせずに、何度も誘ってくれる。


以前、観てみたいと話していた劇が始まった。

君のお気に入りのカフェの、期間限定メニューがもうすぐ終わる。

国立公園の花が、綺麗に咲いた。

少し遠出して、見せたい景色がある……。



彼に会いたい…。


折角、誘ってくれているのだから会いたい…。

会っていつものように…

でも………



『君と結婚なんてできる訳ないだろう』



…自分が言われた訳でもないのに、その言葉が何度も耳の中で蘇る。

そのたびに、じわりと涙が滲む。

もし…もしも自分が彼にそう言われたら…


想像してしまう。

怖い…

嫌だ……



彼は…結婚の約束をした女の子に、そんな酷いことを言えてしまう人なのだ…。今まで私が知らなかっただけで…。


あの子…だけじゃないのかもしれない…他にもそんな風に……これまで私にしてくれていたみたいに優しくして、ある日いきなりあんな風に……


嫌だ…。

もし彼と結婚できても…ある日いきなりあんな風に態度を変えられたら…もう、なんの興味もないと言うような、あんな態度を取られたら…



ベッドの中、ブランケットを被って一人泣く。


…彼のことが好き…一緒にいたい…結婚したい…でも…でも……いつかあんな風に冷たくされるくらいなら……それくらいなら………


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