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【完結】余りもの同士、仲よくしましょう  作者: オリハルコン陸
オマケ

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僕のお嫁さん2

結局、彼女の誤解を解く為に、父上がいかに普段から母上といちゃいちゃしているかを洗いざらい話した。途中からは何だか腹が立ってきて、それに酔いも手伝って、ほぼ愚痴になってしまったけど。


気づいたら、彼女に優しい目で見られていて思わずまた心の中で父上を罵った。


「仲がよろしいのですね」


「…仲がいいってレベルじゃないけどね」


両親のいちゃつきっぷりを改めて思い出してしまって、恥ずかしさにそっぽを向く。あのいちゃいちゃの血が僕にも流れているのかと思うと身の置き所がない。

それでも彼女は穏やかに笑っているので、ちょっとほっとした。


「そろそろ部屋に戻ろうか」


「はい」


随分のんびりしてしまった。

また彼女の手を引いて階段を登った。彼女の手は、母上や姉上の手よりしっかりしていて、冷たくてすべすべしてて気持ちいい。

軽く酔った肌に心地よくて、つい握り込むように指を絡めた。





部屋に戻ってすぐに、僕は浴室に入った。


「着替え終わったら声かけて」


「はい」


コクリと頷いた彼女を部屋に残して、ドアを閉める。


…楽しかったな。


今日一日、彼女と一緒にいて楽しかった。

ここ二、三日とは違って彼女と二人きりだったけど、特に気まずくなることもなかった。


…いい夫婦になれるかもしれないな。


ついニヤニヤしていると、ドアがノックされた。


「あの…着替え終わりました」


「あ、うん」


…何か緊張してる?


不思議に思いながらドアを開けて理解した。そういえば彼女の寝巻きはこれだった…。

透ける素材で、下がちょっと見えちゃってる…。


…目の毒だ。


なるべく見ないようにしながら僕も着替えた。



◇ ◇ ◇



「もうちょっとそっち寄って」


「はい…」


今日僕らが泊まる部屋には一つしかベッドがないから、彼女と一緒のベッドで寝ることになる。寝れるような大きなソファはないし、流石にこの関係性で僕が床、というのもおかしいだろうから。

何より彼女が頷かない気がする。


でもあんな薄着の肌にうっかり触れたら理性がヤバい。

だから彼女に距離を空けてもらって、僕もなるべくベッドの端に寄って、彼女に背を向けた。


「おやすみ」


「えっと…その……」


「おやすみ」


もう一度強めに言うと彼女は黙った。


僕の理性を試さないで欲しい。

君に好意を持ってるからヤバいんだってば。


振り切るように、ぎゅっと目を瞑った。




朝だ。

意外とよく眠れた。

眠ろうと努力していたら、彼女の寝息が聞こえてきたからかもしれない。


「おはようございます」


「うん、おはよう」


既に起きていた彼女と挨拶を交わす。


…結婚したら、これが日常になるのか。

……いいかも。





外は快晴だ。

宿で朝食をとったら出発なんだけど…。

さて、どうしようかな?


食堂で朝食を食べながら、彼女の意見を聞いてみることにした。


「本当は昨日、もうちょっと先まで行くつもりだったんだけど、どうする?」


「え……?」


「この先に、今の季節にだけ咲く花畑があるんだ。もう一泊してもいいなら行けるけど。行く?」


彼女は旅慣れてる感じだから、体力的には問題ないだろう。女の子イコール花が好き、というのは我ながら単純な発想だと思うけど、それ以外に喜びそうなものが思いつかない。

…あ、馬に乗るのも好きか。

それと食べるのも。


迷っているようなので一押ししてみた。


「次に泊まる町には大きな湖があって、そこで獲れる魚の揚げ物が名物なんだけど」


彼女がそわそわしだした。

よし、もう一押し。


「行こうよ」


「はい!」


あ、可愛い。

笑顔で答えた彼女に、思わず見惚れた。





家にはもう一泊すると使いを出して、先の町まで行った。

彼女は花畑も名物料理も気に入ったようで、楽しそうにしていた。


宿は花の季節のせいかやっぱり一部屋しか取れなかったけど、今度はベッドが二つある部屋に泊まれた。ほんの少し残念な気もしたけど、ほっとした部分が大きかった。

いくら数日後には夫婦とはいえ、こういうことはちゃんとしておきたい。



彼女の提案で家族にいくつかお土産を買って、家路についた。

屋敷に着いたら父上に、


「結婚前に二泊もするなんて、おまえなかなかやるな」


と顎をさすりながら言われたので、全力で睨み返しておいた。

僕は節度のない父上とは違うんだよ!




そして結婚式の日になり、初夜を迎えた。

僕は…半分記憶が飛んだ。


…あんなに可愛いなんて反則だ…。



翌朝彼女に、


「二晩も二人きりだったのに何もしないから、私に魅力がないのかと不安になってました」


と真っ赤な顔で呟かれた。

今ではそれが誤解だと、彼女もよくわかっている筈だ。


その日は、可愛がり倒した妻の世話を焼く夫の特権を存分に味わった。






数ヶ月後のある日、彼女と一緒にサロンでくつろいでいたら、姉上に


「あなたお父様そっくりよ?」


と苦笑されて愕然とした。

まさかあの父上と同じだと言われる日がくるなんて…。


だけど新婚なのだから当然だとすぐさま開き直って、恥ずかしがる可愛い新妻の身体を抱き寄せた。



------

いちゃいちゃの遺伝子は、無事引き継がれました。


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