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【完結】余りもの同士、仲よくしましょう  作者: オリハルコン陸
オマケ

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18/27

元婚約者と…(ミシュ視点)

ジェイ視点とは別の日の夜会にて


◇ ◇ ◇


ある日の夜会で、嫌なものを見てしまった。

……ものというか、人なのだけれど。


元婚約者の姿。


彼は、ほっそりした女性と一緒にいた。

初めて見るけれど、おそらくあれが彼の新しい婚約者なのだろう。

つまりはジェイの、元婚約者。


綺麗な人だった。

「妖精のような」という表現がぴったりくる。細くて今にも壊れてしまいそうな人。

多分、男の人はああいう人を守ってあげたいと思うのだろう…。


あの儚げな感じは、私にはないものだ。おそらく一生かかっても身につけるのは無理。

だって私は、あのお父様の子だもの…。


軽く打ちのめされる。

ジェイもやっぱり、本当はああいう人の方がいいのかもしれない…



ジェイは…実のところ、どう思っているのだろう。

彼に、元婚約者について聞いたことはない。聞ける訳がない。

自分を振った相手について聞かれたくないのは、私も同じだから。

でもだから、婚約者が彼女から私になったことについて、ジェイがどう思っているのか私は知らない。


あんなに可憐な人が婚約者だったのだ。きっと私では不満な点も多いだろう。なのに彼は、いつも私に優しくしてくれる。


でも、やっぱり今でも彼女の方がいいのだろうか。

何年も婚約していた相手なのだ。彼女のよいところもいっぱい知っているだろうし、振られたからといって、すぐに切り替えられるものでもないだろう。


頭ではそうわかっているけれど…ジェイが彼女をまだ想っていたら嫌だ。彼が彼女を切なげに見る姿なんて見たくない。

そう思いつつも気になって彼を見上げると、優しく見つめ返された。


「どうした?」


「いえ…」


思わず焦って下を向く。

彼はとても気配に敏感なようで、私が彼を見るとほぼ確実に私に視線を向けている。

だから、こっそり表情を伺うことがなかなかできない。


出会ってすぐの頃は結構そんな隙もあったのに、最近は私の気配に慣れたのか、私が顔を向けきる頃には既にこちらを向いている。


そこまで気を張らなくてもいいのに…


ちょっと不満だけれど、「リラックスして欲しい」と頼むのも何か違う気がする。

私が頑張って、彼が肩の力を抜ける空気を作るしかない。



そんなことを考えていたら、いつの間にか元婚約者たちの姿は見えなくなっていた。


ほっとして、こっそりため息を吐く。

彼らと対面するのは、もう少しだけ…できればあと一年か二年か五年か十年先にして欲しい。

できれば一生言葉を交わさなくても一向に構わない。


…流石にそれは無理だろうけれど、本当に当分の間は遠慮したい。

ジェイがもし…ほんの少しだけでも彼女と言葉を交わしたいと思っていたら、申し訳ないのだけれど…


そう思って視線を上げると、やっぱり今回も既にこちらを見ていた彼の、優しい瞳が私を包んだ。


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