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all breaker  作者: paruseito
第Ⅱ章-Ⅲ サバック地方編
156/280

野暮用

 ドラールスミスの町を山の頂上から見下ろす者が2人。

 クワトラベルとセブンスベル。


 「邪樹四将だっけ?そいつがあそこに居るんでしょ・・・」

 「碧鬼ティンバーだったか・・・。」

 「とっとと、殺っちゃいましょ・・・。」

 「ああ、仕事は早い方がいい。」


 後ろからガッサっと音がすると2人が振り返ると男が立っていた。


 「なんか、ヤバいのが近くにいると思ったら、猫ちゃんたちか・・・。」


 ばっと身構えるクワトラベルとセブンスベル。


 「あら?厄災ちゃんじゃなあい。」

 「・・・・・・。」

 「あらあら、あたしの顔になにか付いている?」


 ジェイドは、不思議そうに聞く。


 「猫ちゃん猫ちゃん。私の記憶が確かなら・・・そこの方、オラオラ系だった気がするんだけど・・・」


 「そいつは、タマを取っちまったんだよ。」

 「なんと・・・お姐に・・・いやはや、驚いた。」


 「あらやだ、そんなに驚くこと?」

 「・・・別に・・・。」



 「厄災。貴様、なにしに来た?」

 「いやなに、野暮用を片付けにね・・・。」

 「野暮用?何をしようとしているかは知らんが、こっちの邪魔をする様なら・・・」

 「邪魔をする気はないけど・・・こっちはこっちでやらせてもらうだけなんだけど。」


 「厄災ちゃん。これは、お互いのために、目的を話さなぁい。」

 「おい、そいつに話す必要ないだろ。」

 「トラちゃんは、黙ってて。こっちは、あの町にいるウッドマンの幹部を始末しにきたのよ。」


 「ふ~ん・・・。結論的には、同じなんだろうな・・・。」


 「結論的に同じってことは、あなたも同じ相手を狩りにきたってことよね。」

 「ふう・・・こっちは、墓荒らしを懲らしめに来ただけなんだけど。」

 「あらそう・・・あそこでそんなことをしそうなのは・・・」

 「そう言うこと。」


 「チッ。墓荒らしかなんかは知らんが、こっちは、妹分をやられた落とし前をつけるんだよ。引っ込んでな。」

 「実際にやったのは、あそこにいる奴じゃないだろ。だったら、引くのはそっちなんじゃないの?」

 「そんなの関係ねぇ!ウッドマンの手下は、全部始末する。」

 「やれやれ、血気盛んだね・・・。」

 「こっちは、引く気はないのよね・・・そっちは、どうする?」

 「恩人の墓を荒らされたのを見過ごすわけにはいかないんだよね。」

 「引く気はないってわけね。」

 「だったら、やるしかねぇよな!」


 クワトラベルとセブンスベルが距離を取るべく後方へと跳ぶ。


 「好戦的ですねぇ・・・戦いでは、何も解決しませんよ。」


 「そうですわね。」

 そう言うとセブンスベルは、携えていた2本の刀を抜刀しその姿を消した。

 次に姿を現した時、ジェイドが真っ二つに切断された。切り裂かれた体は、黒いモヤとなって消えていった。


 「死んでなかったら、死んでた。」

 ジェイドが何事もなかったように姿を現した。

 「もう、訳わかんねぇな。」

 「あら、ダメねぇ・・・。」


 もう一度、対峙する両者。

 だが、ジェイドは、背を向けた。


 「や~めた。猫ちゃんたちに任すよ。」

 「どう言うつもりよ?」


 「な~に、斬られたわけだし、私の負けってことでいいや。」


 「始めっから手を引いとけや!」


 ジェイドは、手を振り去って行った。


 「やけにあっさりと引いたわね。」

 「アレが何を考えてるかなんて、どうでもいい。」

 「まあ、そうね・・・でもね、トラちゃん。わかってると思うけど、あのまま戦っていたらあたしたち・・・消されたわよ。かつての同胞のように・・・。」

 「アレは、弱体化している。勝機がない訳じゃねぇ。」

 「そ~お?あたしには、以前よりも恐ろしい存在に映ったわ。」

 「・・・・・・。」


 「折角、譲ってもらったんだし、蹴りをつけちゃいましょう。」

 「・・・ああ、そうだな。」


 2人は、ドラールスミスに降り立つのだった。



   ◇◇◇



 ドラールスミスは、邪樹四将、碧鬼ティンバーによる支配がなされていた。

 男たちが追い出され、女子供しか残っていない町は、ティンバーの部下によって荒らされていた。

 女たちは、毎日毎日、部下たちに辱められ、身も心もボロボロにされていた。


 「ゲヘヘ・・・俺らの様な強者の子を孕むんだ光栄に思え。」

 「いやあああぁぁぁ・・・」


 豪勢な食事をしつつ、部下に女たちを犯させ、それを見てほくそ笑む碧鬼。


 「グフフフ・・・女、本当は、気持ちいいんだろ?素直になれ、快楽に身をゆだねろ。」


 「ティンバー様がああ、仰ってるんだ、もっと気持ちよく喘げよ。」

 「きゃあぁぁぁぁ・・・・・・」



 「しかし、アケボノの奴め。戦功をあげていい気になっているみたいだな。四将最弱の奴がだ。」

 「たまたま、奴がウッドマン様に作戦の実行部隊に選ばれただけですぜ。ティンバー様。」

 「当り前だ!あのデブにウッドマン様の信頼を置いている訳なかろう。」


 そこへ、部下の1人がやってきて報告する。


 「ティンバー様。又、見つけました。」


 部下の手に古びた武器があった。聖剣、魔剣と呼ばれる遥か昔の遺物。


 「どれどれ、見せてみろ。」


 ティンバーは、持ち込まれた武器を手にした。


 「ほう・・・これは、とんでもねぇ魔力を帯びているな・・・。やはり、ここは、ウッドマン様の見立ての通りとんでもねぇ、武器庫だぜ。」


 ドラールスミス。そこは、伝説記時代に存在した名匠が拠点とした地だった。


 「あら、上機嫌みたいね。碧鬼ちゃんは・・・」

 「とっとと、片付けるぞセブンス。」


 「貴様ら!!いつの間に!」


 ティンバーが振り返るとクワトラベルとセブンスベルが、勤しんでいた部下を全て倒しそこにいた。

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