表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
all breaker  作者: paruseito
第Ⅱ章-Ⅲ サバック地方編
155/280

大盗賊時代

 野郎どもを一掃したシフォンたちだったが、至る所から、野郎どもの仲間が押し寄せて来た。


 「おいおい、聞いてないよ~。」

 「どうやら、この町自体、この人たち根城だったようですね。」

 「そんな事より、どうするんだよこれ?」

 「ゼンイン、ヤッテシマエバ、ヨカローデース。」

 「過激だが、それしかないな!」


 シフォンたちは、野郎どもとの戦闘に入った。

 シフォンら魔導師が魔法攻撃を行い。

 リチャードたちがそれを守るといったフォーメーションを組んであたった。



 「兄貴、戦争は数だよ。」

 そんな台詞も虚しく野郎どもは、魔法で蹂躙される結果になった。

 繰り出される魔法で次々と薙ぎ払わていく野郎ども。

 そして、野郎どもは、僅か30分ほどでほぼ壊滅した。


 シフォンは、倒れた野郎どもから、1人の男を叩き起こし尋問した。


 「あなたたちは、一体、何者なのですか?」

 「・・・・・・。」

 「聞いているのよ。答えなさいな。」

 「・・・・・・。」

 「オウ。イタイメニ、アイタイミタイデスネ・・・。」

  シルクは、魔法の詠唱をしはじめた。


 「ま、待て・・・話すから、許してくれ!」


 男はサバック統一戦線機構と言う組織の構成員だと言った。

 北サバックにある幾つかある武装組織の一つだ。

 今回の停戦によって、国からの支援が打ち切られ、盗賊の様な組織に変わってしまったと言う。

 この状況は、サバック地方全域に波及しており、野盗と化した組織が乱立していた。



 どこからか、現れたジェイドがそのやり取りを聞いて言った。


 「まさに、大盗賊時代って訳ですね。」


 微妙な空気が流れる。


 そこは、スルーして話しを振る。


 「おっさん・・・どこに行ってた。」

 「ちょっと、野暮用で・・・。」


 「はいはい。野暮用ね。」シフォンは刺々しく言った。


 「ジェイチャンサン、ワタシノ、カツヤク、ミテホシカッタデース。」

 「白い娘の活躍見たかったなー。」

 「白々しいわね。」


  ◇◇◇


 尋問されてた男は、神妙な面持ちで話し出した。


 「あんたらのその強さを見込んで頼みがあるんだ・・・俺たちの家族を助けて欲しいんだ!」


 「はあ?何を仰いますの!私たちを襲っといて。」

  コリーダは、不愉快そうに捲し立てた。


 「それは、俺たちが悪かった。でも、仕方がなかったんだ・・・」

 「仕方がないではすまされないでしょ!!」

 「お願いだ。話だけでも聞いてくれ。」

  男はそ言うと頭を下げた。


 「まあ、まあ、話しだけでも聞こうじゃないか~。」

  コリーダは、納得いかなかったが、シフォンが聞くことに同意したので引き下がった。


 「ここから、ずっと行った先にドラールスミスって町がある。そこが俺らの拠点だった。停戦して俺らは、普通の生活に戻ったんだが・・・暫くして、あの化物が現れた。」


 「バケモノ?」


 「碧い目のオーガ・・・ティンバー。」

 「碧い目のオーガなんて聞いた事ないわね。」


 「オーガの上位個体・・・。」 ジェイドがぼそりと言った。


 「上位個体なんて存在するものなの?」

 「まあ、自然発生的なものではないな・・・」

 「ドウイウコトデス?」

 「魔族の手が入ってるてことだね。」


 「それって、ユーワさんと同じってこと?」

 「たぶんね。」


 「でもなんで、そのオーガとあなたたちがこんな事をしているのが関係しているの?」


 「奴は町を占領すると住人を人質にして俺たちを追い出した。」


 「情けないわね。」


 「何度も何度も、戦ったさ。策を練り、罠を仕掛けそれでも敵わなかった。

  俺たちの中に魔導師さえいれば、そんな結果にならなかったはずだ。」


 「でも、そんな状況なら、国に救援を求めなかったのですか?」


 「要請したさ・・・だが、来なかった!国は俺たちを見捨てたんだ!!だから、俺らは、国を頼るのをやめた。好き勝手にすることにしたんだ。」


 「ふん!それで、盗賊団になりさがったの?」

 「悪いかよ・・・。」

 「悪いに決まっている。分別ってものがあるでしょ。」


 男は、うつむき、黙ってしまう。


 「あなたたちの事情は、理解しましたが、あなたたちのしていた事は、許されることではありません。」

 「・・・・・・。」

 「でも、放っとけませんね・・・。」

 「た、助けてくれるのか?」

 「シフォンくん。余計なことに首を突っ込まない方がいいと思うよ~。」

 「ましてや、相手が魔族となると我々に手に負える相手ではないのでは?」


 シフォンが今回の件に関わろうとしているのに対し、他の仲間は否定的な意見しか出てこなかった。


 「それでも、わたしは、彼らを助けたいと思っています。」

 「相変わらず、正義感が強いですわね・・・。」

 「僕は、一応反対したけど、シフォンくん、君がリーダーだ。君がそう決めたのなら、それに従うさ~。」

 「ソーデース。シフォンサンガ、キメテクダサーイ。」


 シフォンは、仲間の顔を見廻すと頷き。ドラールスミスに向かうことを宣言した。

 仲間もこうなることを予想していた。


 「あんたら・・・本当に助けてくれるのか・・・ありがとう!」

 「別に助けに行く訳ではありません。様子を見に行くだけです。状況を見てから考えるだけですので・・・。」

 「それでも、十分だ。ありがとう。」


 ジェイドは、只々、見守っていた。


 まあ、なんとかなるか・・・奴らが片付けてくれる可能性が高いし・・・

 出しゃばるのは止めておこう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ