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all breaker  作者: paruseito
第Ⅱ章-Ⅰ サンカレン編
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次なる地へ

 デービットに呼びかける声が・・・


 「おい!起きろデービット!」


 呼びかけていた男は、仕方なくデービットの頬に2、3発ビンタをかました。


  ビタン!ビタン!ビターン!


 「うぐぐぅ・・・」 デービットが目を覚ます。


 「幸せそうな顔してこんな所で寝てんなよ~・・・風邪ひくぞ。」


 「はっ・・・私は何を・・・」


 「何をって・・・寝てたんだろ・・・・お前・・・なんだか、やつれてないかい。」


 「リチャード貴様ぁ・・・」


 デービットは、リチャードに掴みかかろうとしたが、よろめき立つこともままならない。


  なんだ、この疲労感は・・・私は確か・・・鍛錬していて、それから・・・誰かに会ったような・・・よく覚えていない。


 「おい、デービット大丈夫かい?鍛錬もいいが、病み上がりなんだから無理すんな。」


 「貴様に心配されるなんて・・・一生の不覚。」


 リチャードは、手を差し伸べ、デービットを立ち上がらせた。


 「又、君をおぶるのは御免だからな~。」


 「ぐぬぬ・・・貴様の世話にはならん。」


 「さあ、帰るよ~。女性陣が待ちくたびれちゃうよ~。」


 「ああ、そうだな・・・」


 二人は、宿屋に戻っていった。



  デービット。今はそのまま・・・いずれ、最高のタイミングで仕事をしてもらうわよ・・・



  ◆◇◆



 それから、数日がたちサンカレン図書館最上階の展示物の一般公開の日がやって来た。


 待ちに待った一般公開の日にシフォンは、否応なく胸が高鳴っていた。


 サンカレン図書館は、月に一度の解放日で多くの人で賑わっていた。



 「ここ、サンカレン図書館には、希少な魔導書。最古の歴史書・伝説記レジェンダリー66篇中、14篇が所蔵されております。そして、この曰くつきの伝説記レジェンダリー第13篇、オールブレイカーの記述が記載されているとされる一節ですが、我がサンカレン図書館が所蔵している物こそ原書オリジナルと自負しております。」


 司書が解説しているのを他所にシフォンは、食い入るように伝説記レジェンダリーを眺めていた。



 これが本物の伝説記レジェンダリー・・・お母さまの夢・・・今は、私の夢・・・未だ世界の何処かに眠る伝説記レジェンダリーをわたしが見つけだす。


 「何、難しい顔しちゃって・・・」


 「コリーダさん・・・そんな変な顔してましたか?」


 「別に変な顔してた訳じゃないけど、何か想うところでもあるのかしら?」


 「ただ・・・この旅の目的の一つ、伝説記レジェンダリーを見つけ出すと言うことに想いを馳せていただけですから・・・」


 「出来るといいわね・・・」




 「アッチニ、ミシェル=クラン ノ マドウショガ アリマシタヨ。ソセーマホー ジャナイカッテ カイセツシテマシター。」


 「魔導書なんて、今の私たちには、読めないんだから、意味ないわよ。」


 「コリーダサン・・・ユメ ナイデース・・・モット、ユメ ミマショーヨ。」


 「わたしも、何時かきっと、魔導書を読めるようになると思いますよ。」


 「シフォンさんまで、非現実的なことを言い出すなんて・・・・」


 「わたしが・・・古代文字の完全解読をしてみせますから・・・・」


 「大きく出たわね・・・・でも、あんたの場合、伝説記レジェンダリーの解読のついでなんでしょうね。」


 「もちろん。」



  ◇◇◇ 



 シフォン達は、サンカレンの街の外れで待機していた。


 「サラサさん。色々とありがとうございました。」


 「もう、出発ですか・・・もっと、ゆっくりしていってもいいんですよ。」


 「わーはははは・・・君たちも出発かね。奇遇だね俺も出発だよ。」


 「モノノベ先輩・・・まだ、居たんですね。」


 「俺は、これから、シャンロンで除霊の仕事だ。君らは何処に行くんだ?」


 「ルースダムです。」


 「・・・・・・・・」


 「なんですか?その間は・・・・」


 「まあ、気をつけて・・・・くれぐれも、厄介ごとには顔を突っ込まないことだ。」


 一足先にモノノベは旅だった。



 「さあ、わたしたちも出発しましょう・・・と、言いたいのですが・・・・」


 「ジェイチャンサン。イマセンネ・・・」


 「今日、出発って知ってるんでしょうね。」


 「伝えたはずですが・・・」


 「まったく、あの人はいい加減だな・・・あれで監督役とは・・・・」



 暫く待っていると、ジェイドがゆっくりと歩いてやって来る。


 「待った?」


 「待ったじゃないよ~君ぃ・・・」


 「定期連絡してたら遅くなっちゃった。」(テヘペロ)


 「姉さまとは、わたしも連絡を取っています。特に報告することは無いとは思うのですが。」


 「うんうん。そーだよね。そう思ったから連絡してなかったら・・・・向こうから来ちゃったんだよね・・・・」


 「もしかして、一度も連絡してなかったの?」


 「そだよ。」


 一同 「・・・・・・・・・・・・」




 「さあ、行きましょう!ルースダムへ!」


 シフォン達は、次なる地ルースダムへ向かうのだった。

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