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all breaker  作者: paruseito
第Ⅱ章-Ⅰ サンカレン編
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対魔導書

 図書館に向かう直前のこと・・・リチャードとジェイドは、会話を交わす。


 「その伝言って言うのは、何なんだい?」


 「嗚呼、それは・・・・シフォン嬢ちゃんがその幽霊を倒せと・・・」


 「・・・・言うのは簡単だけど、どうやって倒せって言うんだい?」


 「それは、あの先輩の戦いでヒントを見つけているだろうから・・・今更、言う必要がないだろう。あの堅物くんの呪いは、彼女にとっても、まるで無関係ではないのだから・・・・」


 「どう言うことだい?シフォンくんとは、関係ないだろ?」


 「・・・・あの子は覚えてないだろうが、あの呪いと同種のものにあの子もかかっていたんだ・・・」


 「そんなまさかぁ~・・・それが本当なら、シフォンくんは、どうやって呪いを解いたんだい?」


 「その辺の事情は、詳しくは語れない・・・」


 「どうしてだい?」


 「それは、私個人だけで決めてよい話しではないからだ・・・それは、彼女自身の過去に深く関わることでもあるからだ・・・」


 「要するに部外者の僕には、話せないってことなのかい・・・」


 「そう言うことだ・・・」


 「・・・・わかったけど・・・・シフォンくんへの伝言がそれだけでは、あまり意味がない様な・・・」


 「肝心なのはこれからだよ少年。」


 「肝心な話しは、先にしようよセニョール。」



 「目に見えている物が本物とは限らない・・・・本質を見抜けば、簡単に解決できるだろう。」



 「それを伝えればいいんだね・・・・本当に君って何者なんだい?」


 「見ての通り、ただの剣士さ。」


 「リチャード!何してんの!先に行くわよ。」 コリーダの声が響く。


 「お~い!待ってくれよ~。」 リチャードがコリーダたちの元へ走って行った。





 リチャードがそのことをシフォンに伝えた。


 「わたしが、呪われていた・・・・」 確かに幼い頃、病弱だった・・・それは、呪いのせいだったの・・・・そう考えれば、納得いくところもあるけど・・・・。


 「目に見えている物が本物とは限らない・・・か、でも、今、その言葉の意味を考えている暇はなさそう!」


 幽霊が気絶したモノノベの周りをグルグルと回る。


 「モノノベセンパイガ、ノロワレテ シマイマース!」 そう言うとシルクは、幽霊に魔力弾を放つ。


 「シルク!」

 「シルクさん・・・そのまま、幽霊の相手をお願いします。コリーダさんわたしたちは、魔導書を・・・」


 「わかったわ!」



 シルクの魔力弾が幽霊に命中すると、姿が弾け跳ぶがすぐに復元される。


 「ダメデース・・・モトヲ タタナイト イケマセンネ・・・」


 「シルクくん。僕にも何か手伝わせてくれないか~」


 「ダッタラ、モノノベセンパイヲ コチラニ・・・」


 「了解だよ~。」


 シルクが魔力弾で幽霊に攻撃している間に、リチャードは、モノノベを担ぎ安全な場所へと運ぶ。


 「ここの所、こんな役ばっかだよ~。」


 「リチャードサン ハヤク!」


 急かされリチャードは、モノノベを運んだ。そうすると、シルクは、幽霊に畳みかける様に魔力弾を放ち続けた。


 幽霊は何度もバラバラに弾け散るも、元に戻るを繰り返していた。


 「シフォンサン・・・ハヤクーーー。」


 「本体を倒さないと、どうにもならないみたいだね~。」





 シフォンとコリーダは、浮かび上がる魔導書の前にやって来ていた。


 「さ~てと、どうする?シフォンさん。」


 「わたしが、魔導書の動きを封じます・・・コリーダさんは、魔族を倒したと言う魔力弾で、あの魔導書を切り裂いて下さい。」


 「わかったわ!」


 シフォンは、魔導書に目掛けて魔力弾を連射して、その動きを抑え込む。その間にコリーダが、イメージする。魔族を倒した時と同じ様に。より速く、より鋭く、より薄くと魔力を高める。


 そして、放たれる魔力弾・断切マジックショット・スラッシュ


 魔導書は、シフォンの魔力弾によって封じれれていることもあって、いとも簡単に切断された。真っ二つに切り落とされた魔導書は、床に落ちると自然発火して燃え尽きるのであった。


 「やりましたわ!」


 「ですね・・・これで・・・」


 ここで、シフォンとコリーダは、気づく。まだ、シルクが、幽霊と対峙していることに。


 「どうして・・・魔導書は、今・・・」


 「わからない・・・でも、幽霊は、まだ、健在。」



  目に見えている物が本物とは限らない・・・・本質を見抜けば、簡単に解決できるだろう。



 「本物が別にあるってこと?でも、どうすれば・・・」


 「本質を見抜く・・・」 シフォンは、考えを巡らせるが解決策はすぐには出ない。


 「私は、シルクの加勢に行くわ!あなたは、答えを見つけなさい!」 コリーダは、シルクの援護に向かった。


 シフォンは、立ち尽くす。考えを巡らしたものの良い考えが浮かばないからだ。


 本質を見抜くって言われても・・・同種の呪い・・・わたしが掛かっていた・・・・わたしが本当にその呪いに掛かっていたのなら、感じ取れるかも知れない。その呪いの出所を・・・。


 シフォンは、感覚を研ぎ澄ます。


 どこ・・・どこなの・・・感じ取れわたし・・・・


 シフォンは、必死に呪いを感じ取ろうとするが、焦りから集中が散漫になって行く。


 ダメだ・・・集中しろわたし・・・・


 その時、以前ユーワと対峙した時と同じ様に、シフォンの脳裏に忘れ去られた光景が蘇る。

 

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