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all breaker  作者: paruseito
第Ⅰ章 アリスティディス編
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幼き日の記憶

 それは、幼き日の記憶。

 今は、もう、名前も顔も憶えていないあの旅人。

 けれども最後に交わした会話だけは、記憶に残っていた。

 幼子は、言う。


 「おじちゃんは、なんで旅をしているの?」


 旅人は、しばらく考えるとおもむろに答えた。


 「特に意味はない……強いて言うならば暇だから……かな……」


 幼子は、首をかしげる。


 「ヒマだから? ヒマだと旅をするものなの?」


 旅人は、苦笑いを浮かべながら言った。


 「暇って言うのは、事実だが目的は、あるのさ」


 「モクテキ?」


 旅人は、遠い目をし天を仰ぐと語りだした。


 「昔、ある人に言われたんだ……」



 『世界は輝きに満ち溢れている』


 『それは、風景かもしれない』


 『それは、事象かもしれない』


 『それは、人かもしれない』


 『それは、獣かもしれない』


 『それは、石ころかもしれない』


 『それは────』


 『とにかく君にしか見えない輝きをみつけるんだ』


 



 「ってね……そうして私は、輝きってヤツを見つける為に旅をしはじめたのかもしれないな」


 「カガヤキ? おじちゃんは、そのカガヤキ? 見つけたの?」


 幼子の問いに旅人は、満面の笑みを浮かべて幼子の頭を撫でると……


 「嗚呼」と一言答えた。


 そして、旅人は、最後にこう言った。



 『君のその世界は輝いているかい』



 おぼろげに残っていた記憶。

 何故、今になって思い出したのだろうか?

 これは、何かの啓示なのだろうか?

 いや、きっとそうなんだ!!


 【旅に出たい、いや旅に出るんだ】


 そこには、黒い瞳に黒髪セミロング、黒のローブをまとった少女がいたのだった。

 

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― 新着の感想 ―
[一言] どうもはじめまして。 作品拝見しました。 とても面白かったです。
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