冒険者デビュー
マルスは剣術のスキルの疑問があったのでクラウドに聞いた。
剣術lv.3とはどれくらいの実力なのか?
「初心者冒険者もうすぐ卒業ってところか。騎士団なんて無理だぞ。
街の衛兵くらいかな」
「では!大体どれくらいでレベル3まで上げられるでしょうか?」
「そうだな普通の冒険者だと3年、才能ある奴だと2年かな?」
「つ、つまり5歳の頃から10歳まで5年修練した俺には才能がないと?」
「いや、子供だかr」
遮るようにマルスは叫んだ。
「やっぱり俺は普通以下か!?倍近くかかってスキルを上げる程度とは!これは稽古しかあるまい!」
家に帰って夕食を食べてから寝るまで剣を振るうマルスだった。
「なあ、マルスの育て方間違えたかな?人の話最後まで聞かんし
いくら才能があると言っても親の欲目です、って
返されるし無自覚に才能無いって思うのは問題だ。
16歳の成人が3年冒険して剣術レベル3はいたって普通だ。
しかし5歳の少年が5年かけて冒険もしないで
レベル3まで上げるのはおかしい」
実力があり過ぎて無自覚な息子に頭が痛かった。
翌日朝食の時にクラウドにマルスが聞いた。
「冒険者を学園入るまでの2年間やらせてもらえないかと」
一方クラウドも世の中の見聞を広めて色んな人を見れば
マルスの自分の立ち位置が分かるようになるだろう。
「そうだな。社会見学だと思ってやってみろ。
騎士団に入るためにも実践を経験しておくのも良い」
こうして冒険者になることが決まり
午前中の稽古をした後昼食を食べて
冒険者ギルドに馬車でたどり着いた。
冒険者ギルドに入り新規加入と書いてある用紙をギルド嬢に
もらい(服装を見て字を書けますか?とは聞かれなかった)
必要事項を書いていった。
後はギルドカードに血をたらし魔法でカードに染みていくのを
コーティングして出来上がりだ。
「はい。問題ないです。冒険者ランクはFから始まりSまであります。
実際Sは国に1人か2人いれば良いほうね。Aランクも3パーティーくらい?
たいていCランクで実力がある奴がBランクね。Aランクは天才達だわ」
なるほど凡才の俺はとりあえず才能のある奴ら、
Bランクに食い込んで時期にAランクになる。
これは目標で実際は騎士団に入るので
この2年間でBランクに届くかって感じだな。
早速Fランククエストを受ける。
常時以来の薬草と魔力草だ。
東の森の草原によく生えてるらしいので
歩いて移動した。
いろんな草が群生している。
ここで鑑定を使ってみる。
【魔力草】 マナポーション(初級)の素材。
顔を近づける代わりに詳細がわかったけど少し距離を離してみると。
薬草雑草薬草魔力草雑草雑草薬草魔力草と名前だけ
分かるようになったので採取は容易だ。
薬草のたぐいは土ごと根っこまで抜いて持って帰る。
それが出来ない冒険者はかなり多いらしい。
バックパックと片手かばんがパンパンになって持てないので
冒険者ギルドに持って帰る事にした。
ちょっと早めに戻ったら丁度空いた時間で人が少なかった。
受付に行くと素材買取カウンターに行くように促された。
そこには人の良さそうなおじさんがいた。バルクという。
入れ物の台に薬草と魔力草を載せろと言われたがりあえず
薬草を全部載せただけでいっぱいになった。
300を超える量らしく職員が慌てて集まってくる。
その後魔力草を片手かばんから出した。
こっちは150くらいである。
しばらく時間がかかったが薬草が368魔力草が
152あったそうだ。
魔力草と雑草はよく間違わられるけどスキルの力で1つも間違わなかった。
それと素材の状態がとても良かったそうで加算があるようだ。
冒険者は粗雑だから根本からナイフで切ってきたり根が大半がちぎれてたり
採取クエストを真面目にやってる冒険者は少ない。
精算が出た。
金貨2枚銀貨3枚。
大量の素材の対価として相応だろう。
領主のうちの家計にはそれほど影響になかったが。
この冒険者として手に入れたお金はマルスのものという事に決まった。
その後ギルドに頼んで防具屋を紹介してもらった。
ドワーフの鍛冶師でクラウドの冒険者デビューのお祝いの
軽鎧を金貨5枚で作って貰う事になった。
成長した時も調整できる仕様で当分お世話になる防具が
出来上がるのを楽しみにした。
ランクが上がった頃の討伐クエストまで出来上がってくれれば良い。