能力開花の儀式
10歳になった。
相変わらず稽古の毎日だ。
体も大きくなってきて父とも結構長い打ち合いになる。
朝起きて柔軟してストレッチもする。
ジョギングして朝ごはんを食べて
午前は剣の稽古を父と2人でやって午後から剣の素振り、筋トレ、体力に
余裕がある時はまたジョギングの毎日である。
大いに動いて大いに食べる。
体を鍛える基本だ。
もちろんクタクタに疲れ果ててすぐ寝てしまう。
寝る前は毎日魔力操作の練習で魔力を体中に動かしているのだが
いつも魔力を動かしてる途中で寝てしまう。
そんな事をやってたら3年なんてあっという間だ。
いよいよマルスの能力開花の儀式だ。
剣術のスキルさえあればいい。
出来れば身体強化とかの補助的なスキルもあればいいが。
兄と違って個人的なスキルが有れば良い。
兄の時と同じ順番は最後だ。
前の人達が終わるのを見ていると前の時のように一喜一憂している子供たちの様子が見て取れる。
マルスとしてはスキルを隠しておきたいのだがスキル名を大声で叫んだりする子供は多い。
みんなに知ってもらいたい場合は(食堂の子供に料理スキルなど)分かるが
戦闘に関しては知られない方が良いだろう。
世の中いろんな悪意も存在してるのだ。
命が関わることは隠せるものは隠したい。
いよいよマルスの番だ。
頭を下げると頭に聖水をかける。
体が熱くなって力がみなぎる。
「はい。終わりです」
神官が告げる。
あきらかに体に変化が起きた。
凄い体に違和感を感じる。
十中八九スキルが原因だろう。
早速マルスはつぶやく、ステータスオープンと。
目の前に画面が表示される。
名前:マルス・ベラージュ
LV.1
体力:310
魔力:680
筋力:280
防御:210
速さ:480
幸運:180
スキル:剣術LV.3 体術LV.1 回避LV.1 魔力操作:LV.2 鑑定:LV.1 生活魔法
剣術を持っててホッとした。
しかもレベル3である。
おまけにスキルが全部で6つもある。
体術は前世大学で柔道やっていたからだろう。
死んだ原因の一つのために複雑だが。
今も剣の稽古の合間に街で手ぶらで暴漢に襲われた時の手ほどきを受けてるからだろう。
回避は前世の剣道と現在も剣の稽古で剣を受け止めるより回避動作が好きだからだ。
魔力操作は毎日寝る前にやる習慣が身について5年やり続けた甲斐があった。
本の言う通りにやってて良かった。
鑑定は前世の影響が大きいだろう。
人と勝負する時は戦いながら色んな情報を見て弱点を探したり力は強いか
体は左右どっちに傾いてるか癖はあるかと見て感じて実力を把握しながら戦っていた。
物を買う時も作りはちゃんとしているか?材質はどうか?と観察していた。
常によく観察してたから鑑定のスキルを手にしているのではないか?
生活魔法は子供でも使える。
以上スキルを手にしてテンション上がりっぱなしで明日の稽古が楽しみだ。
剣術レベル3の力とやらを知りたい。
一応父に剣術と体術と回避があると伝えている。
父も大いに喜んでくれた。
家に帰ってもソワソワしてて明日の事を考えてなかなか寝れなくて大変だった。