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奴隷少女は覇王に恋をする  作者: 紺色のアイリス
一項 奴隷と覇王
2/85

双噺 【明日ありと思う心の仇桜】

暑いですね

色々と疲れる中ですが、小説を書きます

今回はアイリスが目覚めるところからです


 綺麗な光が部屋を照らし、横たわるアイリスの白肌を輝かせる。


「……ん…んん……」


 アイリスは温かな熱によって目を覚ます。


「……朝?」


 アイリスは周囲を見回す。いつも見ていた景色とは真反対の公爵家のような部屋に微笑みを漏らす。


「……夢じゃ、無かったんだ…」


 アイリスは体を伸ばす。フカフカのベッドの心地よい感触を感じながらアイリスは目覚め、ベッドから立ち上がる。


「支度しなきゃ」


 アイリスはオーバーロードから貰った何着かの服を見る。


「…………」


 どれも綺麗で美しい服だ。アイリスは似合わないと思いながら一着手に取り、着替える。


「…北釈競ヘパリス万得牛まんとくぎゅうの毛皮の感触」


 万得牛、牛でありながらも羽毛布団のようなふかふかとした毛を持っているのが特徴の牛。数万チェックを出す価値のある牛ということから、万得という言葉を用いられ、万得牛という牛種になった。

 着替え終えたアイリスは部屋のドアを開く。


 ──そう言えば、昨日の記憶が全くない


 アイリスは疑問に思いながら廊下を歩いていると、向かいからオーバーロードが歩いてきていた。


「あ、覇王様」


「おぉ、起きたか」


 アイリスは足を止め、オーバーロードがアイリスの元まで来るのを待つ。オーバーロードはアイリスの前に立ち、少し笑った。


「……もしかして、この服、似合ってませんか?」


「いや、そうじゃないんだ。ただ、昨日のことを思い出してしまってな」


「昨日のこと?」


 記憶の抜けているアイリスが首を傾げる。


「覚えてないのか?昨日、談話してる時に俺のワインをアイリスが飲んで酔っ払ったんだよ」


「…そんなこと、ありましたっけ」


「それで泣きながら甘えてきたんだよ」


 記憶がないアイリスはその場面を想像してしまい、かなりの恥ずかしさに耳まで赤くして狼狽える。


「……御願いです、忘れて下さい」


「悪い、それは難しい」


「そ、そんな〜」


「はははははは」


 アイリスの表情と耳まで赤くなった顔、それに昨日のことがあり、オーバーロードは大声で笑う。


「わ、笑わないでください!」


「わ、悪い悪い」


 オーバーロードは腹を抑えながらそう言う。謝る気がないのだ。


「もういいです!では、覇王様が酔った時は私が笑いますからね」


「おう、それは楽しみだな。因みに、俺はワイン二十本でも酔わないぞ」


 はったりのようにしか聞こえない。アイリスは信じていなかった。だがこの後、本当なのだと知る。


「アイリス、今日は覇王の集まりがある。お前も同行しろ」


「わ、私がですか?」


「あぁ。本来なら遣いが同行するんだが、生憎と俺には同行人が居ないからな。それに、お前を買ったことは他の覇王にも知れ渡ってる。近々に呼び出しがかかるかもしれないし、早めの方がいいだろ?」


 オーバーロードの正論にアイリスは頷いた。


「よし、なら朝食をすぐに済ませるぞ。あいつらはせっかちだからな」


 オーバーロードとアイリスは昨日夕食を食べた場所で朝食を取った。


  ◇◇ ◇◇


 朝食を済まし、オーバーロードとアイリスは外出する。


「昨日はテレポートで帰って来たが、今回はそこまで遠くないから歩いて行くぞ」


「はい」


 アイリスは返事をし、歩き出す。オーバーロードから貰った靴が地面を踏みしめる感触。アイリスからは少し違和感があった。


「覇王様のお城の周りって森なんですね」


「まぁな。実験がしやすかった」


 オーバーロードはそう言って手を黒コートのポケットに入れる。


「覇王様は黒色がお好きなんですか?」


「好きと言うか、何故か落ち着く」


 アイリスはオーバーロードの服装を眺める。黒黒黒の黒づくし。肌の色や目の色などを除けば黒一色だ。


「覇王様って綺麗な肌してますよね」


「そうか?お前には負けるだろうがな」


 アイリスはそう言われ、手で体を隠す。


「……なんだ?」


「私の裸、見たんですか?」


「違う。腕や足が見えているだろ」


 そんな談話をしていると、森を抜け、ひとつの街に着いた。


「ここは、何処ですか?」


「セレビオ王国だ。『淵叢えんそうの覇王』が治める王国だ」


 オーバーロードは歩き出し、番に話し掛ける。


「済まないが、通してもらえるか?」


「これは『死絶しぜつの覇王』様」


「何故その名で呼ぶんだ。俺はその二つ名は嫌いなんだ」


「これはすみません。ですが、こちらの名の方が広まっていますので」


「ちっ、エンペラーロードの奴だな」


 オーバーロードはアイリスを見る。身長も小さいアイリスを付き人として認められるだろうか。身長はオーバーロードよりも四十センチ以上低い。


「申し訳ありませんが、そちらの方は?」


「俺の連れだ」


「そのような少女が、で御座いますか?」


「……悪いか?」


「い、いえいえ!それでは、お通り下さい!」


 オーバーロードが少し不機嫌になった事を悟り、番はオーバーロードとアイリスを急ぎ通した。


「おい、さっきの少女は一体なんだ?」


 もう一人の番が言う。


「覇王様は連れと言っていたが、明らかにそうには見えないだろ」


「嫁……いや、そうではなく奴隷?…そうだとしてもあそこまで身なりを整えさせるとは思えない」


 番はアイリスのことが気になって仕方が無かった。


「一度ドラゴンロード様に伺ってみよう」


 一人の番がそう言うと、もう一人の番が口を開く。


「馬鹿を言え。我々はあくまで門番、ドラゴンロード様と話せる機会などない」


 その言葉を最後にこの話は終わりを迎えた。


 オーバーロードとアイリスは街を歩き、白に向かう。


「広い国ですね。栄えているのがわかります」


「そうだな。この国には人種差別も身分差別もないからな。まぁ、ドラゴンロードは特別だがな」


 オーバーロードはそう言って周囲を見渡す。


「にしても、流石に平和過ぎるな」


「平和過ぎると何かあるんですか?」


 オーバーロードの言葉に疑問を持ったアイリスが問いかける。


「平和過ぎると後々均衡が崩れて荒れ果てる。だから国は目に見えない犯罪は止めないんだ。だから競りなんかは止められてない。あと、虐待とかもな」


 アイリスはその時、悲しい顔をした。アイリスが受けていたのは一言で言えば虐待。それが放置されているという現実が悲しい。


「まぁでも、俺はそういうのは好きでは無いが」


 オーバーロードはそう言って歩き出した。アイリスはどこか嬉しくなる。アイリスは少し笑顔を浮かべ、オーバーロードのあとをついて行く。

 街を抜け、城への筋路が出てきた。


「もう少しだな……大丈夫か?」


 オーバーロードがアイリスに言うが、アイリスは疲れて息が上がっていた。


「だ、大丈夫、です」


 奴隷としての教育は受けていたはずなのだが、何故かアイリスの体力は低い。


「仕方ない」


 オーバーロードはアイリスの元まで行き、抱き抱えた。


「落ちるなよ」


 アイリスは人生三回目のお姫様抱っこに頬を赤くする。


「あ、あの、恥ずかしいので……」


「体力が少ないアイリスが悪い」


 オーバーロードはそう言ってアイリスを下ろす気は無い。下ろせば残りの体力が無くなり遅れてしまうことがほとんど確定づけられていたからである。


「もうすぐ城だな。気を付けろよ、この城はトラップが多い。ヘマをすれば確実に死ぬからな」


「死ぬ、ですか…?」


「あぁ。他国からのスパイとしてくる暗殺者も居るみたいだしな。セキュリティ一面を固くしないと殺されかねないらしい」


 サラッと言うオーバーロードにアイリスは苦笑いも浮かべられない。


「今からトラップ回避とかが増えるから、確り掴まってろ」


 アイリスはオーバーロードの首に腕を回し、力を入れる。オーバーロードはトラップに当たらないように進む。だが、決して慎重という訳では無い。


「ここら辺は規則的なトラップが多いな。あいつ、作り替えるのめんどくさくなってるな」


 オーバーロードはそんなことを言いながら歩く。


「……一時的にトラップ切るか」


 オーバーロードはそう言って指を鳴らす。先程まで揺れが強かったが、揺れが納まったことに気づき、アイリスは顔を前方に向ける。


「今何をしたんですか?」


「一時的にトラップを解除させてもらった。俺が過ぎれば元に戻るようになってる。と言うより、俺が歩いている場所だけがトラップが発動しないようになってる」


 魔法の一種だろうか。もしそうだとすれば、アイリスからすれば良い勉強になる。


「着いたぞ、アイリス」


 オーバーロードはそう言ってアイリスを下ろす。アイリスは目の前の光景に昨日と同じ驚きを向けた。


「大きいお城ですね」


「多額の財産を所持してるドラゴンロードだ。これぐらいの城は易々と買える」


 覇王は王族がやっとして買える物を大抵は簡単に購入できる。それ程の財を有している。


「ここがドラゴンロード『淵叢の覇王』の王城だ」


 オーバーロードはそう言ってドアの方まで歩いていく。アイリスはそれについて行く。

 オーバーロードはドアの前に立ち、ノックをする。


[どなた様でしょうか]


「オーバーロードだ。今日は集会命令で来た」


 オーバーロードがそう言うと、大きなドアが開き、そこには執事と数名のメイドが立っていた。


「ようこそいらっしゃいました、オーバーロード様」


「久しぶりだなファスター」


 ファスターという名の執事はお辞儀をする。


「私の名を存じて頂けて光栄でございます」


「遣いの名前ぐらいは覚えないといけないからな。ドラゴンロードは何処だ?」


「はい、大会室おおかいしつにてお待ちであります」


「そうか」


 オーバーロードはそう言って歩き始める。アイリスもそれについて行く。ファスターはアイリスを見るや否や、お辞儀をする。釣られてアイリスもお辞儀をする。


「早く行くぞ」


「すいません」


 アイリスはオーバーロードに謝り、走る。ファスターはほとんど閉じられた目を開け、オーバーロードとアイリスを見る。とても禍々しく、恐怖を感じる目であった。


  ◇◇ ◇◇


 オーバーロードとアイリスは大会室に着き、ドアを開いた。


「あら、最初に来たのは貴方ね、『死絶の覇王』さん♪」


 楽しそうに言う女性にオーバーロードは少しキレ気味に回答する。


「その二つ名止めろって言っただろう。この城爆破させるぞ」


「あら、『淵叢の覇王』に対してそれを言っているの、分かってらっしゃる?」


「当たり前だろ。そうでなければこんなこと言わない」


「戦争起こさせようとしてるの?」


「……それは少し嫌だな」


 オーバーロードと女性の会話に困惑していたアイリスを見て女性は嬉しそうに言った。


「この子ね、貴方が購入した魔族って言うのは」


「……あぁ」


 不機嫌そうに答えるオーバーロードを無視し、女性はアイリスに握手を求めた。


「初めまして、私はドラゴンロード。この国の最高責任者にして覇王を務めているわ。貴女のお名前は?」


「えっと、私の名前はアイリスです」


 アイリスはドラゴンロードの握手を受け、手に取る。


「小さな手ね。とても可愛いわよ。で、貴女はオーバーロードのお嫁さん?」


 ドラゴンロードの言葉にオーバーロードは咳き込んだ。アイリスは頬を赤くし、回答した。


「もしそうでしたら、全力を尽くします」


「あら、いい子ね。嫌いじゃないわ」


 ドラゴンロードは前屈みになっていた体を起こし、オーバーロードを見る。


「しっかり可愛がってあげなさい」


「…お前に言われるギリはない」


「ホント貴方って無愛想よね」


 オーバーロードは人との付き合いが少なく、余り愛想よくというのがいかない。

 その時、アイリスの後ろから声が聞こえた。


「チーっす」


「デビルロード、もう少し礼儀を考えろ」


 オーバーロードが呆れの声を上げる。


「別にいいじゃんか、何かが壊れる訳でもないんだし」


「俺のお前への信頼が壊れる」


「おっと、そりゃ困りもーしたのう」


 デビルロードの隣から声。白髭をなで下ろすおじさんが立っていた。


「お前には言ってない、ビーストロード」


「おやおや、手厳しいですなぁ」


 ビーストロードは微笑みながらそう言う。


「おぉ?君がオーバーロードの嫁さんすか?可愛い顔してるっすね。俺っちの名前はデビルロード。適当に呼んでよ」


「儂の名はビーストロードじゃ。親しみ良くオジサンと呼んでくれても良いぞ」


「私はアイリスと言います。オーバーロード様の遣い兼嫁見習いです」


「アイリスもノリに乗らなくていい」


 二人のノリに乗り、アイリスはボケる。それをオーバーロードが制する。


「お前さんは相変わらず手厳しいのう。少しは乗ってくれても良かろう」


「お前らのノリはめんどくさくて困る。それよりもドラゴンロード、何故元暗殺者を執事にしている?」


 ドラゴンロードの遣いである執事ファスターは元々ドラゴンロードの命を狙っていた暗殺者。そんな者を執事として働かせているドラゴンロードはかなり鬼気迫る状態。


「ファスターは私が一番信頼を寄せる執事よ。掃除完璧、洗濯完璧、料理完璧、ファッション完璧の超エリート執事。彼は手放せないわ」


「お前も相変わらずだな」


「何処かの無愛想さんよりはマシよ」


「誰が無愛想さんだ」


 ドラゴンロードの言葉にオーバーロードが少し怒っていると、又も新たな声が聞こえてきた。


「どっちかと言うと無愛想というよりも単純に不慣れだよね」


「あら、これは一本取られたわね」


「お前は乗っからなくていい、ぺザントロード」


「いいじゃんいいじゃん、面白そうな話してるんだし」


 とても女性らしい格好に男を魅力する短髪の紫髪が少しなびく。


「あ、君がアイリスね。騒々しくてごめんね」


「お前さんが言うことではない」


やかまし!」


「なんじゃと?お前さん一度表にでよ。一度痛い目を見なければいけないようじゃのう」


「あらあら、これは大変ね。ビーストロードさん、下手に変なことをしたら、ファスター呼びますよ」


 ビーストロードは怒った顔でドラゴンロードを見る。しかし、ドラゴンロードも第十二戒覇だいじゅうにかいはの内の一人。その一人を追い詰める程の人間を呼ばれては溜まったものでは無い。


「それはちと嫌じゃの。分かり申した」


 ビーストロードは堪忍かんにんしてご自慢の髭をいじる。


「さて、あと七人ね。今来た人達は席に座っていてもらえるかしら」


 全員返答を返し、席に座る。大抵の席は適当だが、何故かオーバーロードの隣だけは開いている。


「覇王様、どうしてお隣が空いているんですか?」


「アイリスが座る為の席だ」


 アイリスは嬉しそうに笑みを零し、オーバーロードの隣に座る。


「全く、もう少し良くは言えねぇんすか?」


うるさい」


 その時、ドアが開き、三人の人が入ってきた。


「来たぞ〜」


「いらっしゃい」


 最初に声を出したのはエンペラーロードだった。


「おい、エンペラーロード。アイリスが俺の嫁ってことを言いふらしただろ」


「はて、なんの事かさっぱりだ」


「しらばっくれるな」


「こりゃ長くなりそうですな」


「そうですね」


 残り二人は足早に席に着いた。


「可愛い子が居ますね」


「エンペラーロードが言っていたオーバーロードの嫁ですかな?わすはメモリーロードですさかい、宜しくお願いしますゆえ」


「僕はコンケストロード。メモリーロードの妻です」


 歳相応な見た目のメモリーロードとコンケストロード。覇王同士の夫婦など聞いたことは無い。


「ちっ。エンペラーロードもオーバーロードも喧しい。少しは黙ってろ」


 新たに来た男に軽く怒られたエンペラーロードとオーバーロード。


「お前が遅れてくるなんて珍しいな」


「何言ってんだよ。時間ジャストだろうが」


 覇王集合時間は上弦九刻。今現在の時間は上弦九刻ぴったり。


「おっと失礼したな」


「全くだぜ」


 少し不良のような雰囲気を放つ男性はアイリスの前に座る。


「あんたがオーバーロードの嫁はんか?」


「……もう…嫁で、いいです」


 オーバーヒートを起こしそうになっているアイリスに男は自己紹介をし始めた。


「おいはインフェルノロードだ。おいは時間をきっちり守る。嬢ちゃんも確り時間管理はしとけよ」


 見た目や口調と真反対な性格。ギャップが凄い。


「で?あと来てないのは三人と」


「あぁ?三人も?時間厳守っつっただろ」


「そんなのは聞いとらんぞ?」


 ビーストロードが髭を弄りながらインフェルノロードに言う。


「あ?それマジか?」


「そうね。私も聞いてないわね」


「おいとした事が伝え忘れてたか。だが、人を助けるなどの用事以外は時間厳守。それぐらい覇王になってんだから分かんだろ」


 そんな話をしていると、ドアが開き、三人が入室してきた。


「おせぇぞ」


「すんまへん。うちの遣いが熱で倒れはりまして、病院に送っとったんどす」


「なんだ?そうなのか?それなら仕方ねぇな」


 本当か嘘かは定かではないのにインフェルノロードは納得する。それもそのはずだ。インフェルノロードは″地獄の真狂眼(ヘル・フレミネル)″の持ち主なのだから。


「昨日遅くまで実験をしてたらいつの間にか朝になってて、用事をすぐに済ませて出てきたんだけど、時間すぎちゃってた」


「お前はアウトだ」


「某は武器の新調をしてたでござるよ」


「明日でも出来んだろ。アウト」


 三人は理由を述べた後、席に着く。


「あ、可愛い子がいる。アイリスちゃんってこの子?」


 女性がオーバーロードに問いかける。


「あぁ」


「鉱石みたいどすなぁ」


「磨けば輝くでござるよ」


 アイリスを褒め称える三人は順番に自己紹介を始めた。


「うちはイノセントロード。オバサンとでも呼んでくれてもかまへんよ」


「アタイはルナティックロード。お姉さんって呼んで欲しいな」


「某はサムライロードと申す。よく人斬りなどとも言われ申すが、某は仕方が無い時に人を斬る。そう簡単に人は殺さんでござるよ」


 自己紹介が終えたところで主格であるドラゴンロードが口を開いた。


「全員揃ったわね。じゃあ、始めるわよ」


 ドラゴンロードが話を進める中、アイリスはある疑問が浮かんだ。


「覇王様、お付の方が皆さん居ないみたいですが」


「俺も分からない。家前にでも置いてきたんだろう」


 オーバーロードはそう言って流す。アイリスも大事ではないと思った。現にイノセントロードの遣いは病気。色々あるのだろう。

 ……そう、思っていた。


「覇王様方!通告でございます!」


 突如としてドアをこじ開いた一人の覇家の守り番が跪いて声を上げる。


「あんだ?邪魔しようってことか?」


「いえ!それが、ドラゴンロード様の執事であるファスター様が、反乱を起こしました!」


「ファスターが、ですか?」


「はい!今先程、覇王様方の遣いを縛り上げ、計画を立てておりました!」


 国家の一大事の事件が、今始まろうとしていた。

強敵現るですよね

あの中でもドラゴンロードが一番テンパってますね

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