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3 隣国の王子とパートナーになったら、魔力操作を覚えました

「パートナー、って…」

「覚えてないのか?1週間前にパートナーを決めて試験に備えろって言われただろ」

ラスフィードの言葉にあっと気付く。1週間前はライトハルクとなるものだと思って疑わなかったから、気にもとめていなかった。しかし、今日話は変わった。婚約破棄され、そのまま新たに婚約者を決めたライトハルクはクレアフューナを選ぶことはしないだろう。

「でも、ラスフィード様はパートナーは…」

「いないからこうして声かけたんだ。…闇の力はなかなかパートナーを選べないからな」

ラスフィードの言葉に、クレアフューナは覚えている知識をフル稼働させる。

4大元素の火水風土、特殊属性の光闇。それぞれに相性がある。

火は風・光と相性が良く、水と相性が悪い。

水は土・光と相性が良く、風と相性が悪い。

風は火・光と相性が良く、土と相性が悪い。

土は水・光と相性が良く、火と相性が悪い。

光は基本的にどの属性とも相性が良く、闇とは普通。

闇は基本的にどの属性とも相性が悪く、光とは普通。


闇は、光か同じ属性の闇としかパートナーは基本的には組めないのだ。

しかし、クレアフューナは無属性であるので一応相性関係には当てはまらない。

「それに、今のお前なら…俺は好みだ」

「え?」

「外見はもともと好みだったが、やる気のなさやがさつな所、他にも色々気にくわなかったが…今のお前は、いい」

ふわっとした優しい笑顔に、クレアフューナはどきっとときめく。

好みなんて期待をさせる言い方しないで、普通に言ってくれればいいのに…。

「で、どうするんだ?組むか組まないか?」

「あ、えと…私で、よかったら」

「そうか、じゃあよろしくな。クレアフューナ…いや、クレア」


ー†††ー


寮に戻ったクレアフューナは、図書館から借りてきた本を読んでいた。

寮は1人1部屋で、広さも申し分ない。男子寮と女子寮に別れてはいるが、特に門限はなく行き来も自由だ。それはパートナー制度にあり、異性でも同姓でもいいパートナー制度は、お互いの信頼を高めたり親交を深めたりするために部屋で遊んだりしたりする人も多いため、禁止することをしなくなった。

「…どうしよう。わからない」

魔力操作の本を借りてきて読んでみたのはいいが、良くわからない。詳しく言えば、仕組みは理解出来るが感覚が掴めないのだ。

体の奥に秘めている魔力を、体全体に巡らせ、放出させる。簡単なことに聞こえるがまず魔力を感じることが出来ない。念じてみたり、魔力!と叫んでみたり、色々試してみたが何も変化がなかった。

「…気分転換しよ」

クレアフューナは本をしまい、キッチンへと向かう。棚を開くとそこにはたくさんの製菓材料と道具がある。この世界にもお菓子という概念はあるので、クレアフューナはほっとした。しかし、種類が少ない。

「材料はあるけどレシピがないのよね…」

ぶつぶつと文句をいいながら、クレアフューナはてきぱきと作業をしていく。気分転換が目的なので簡単につれるものにしようと思い、シフォンケーキにすることにした。オーブンを温め焼き始め、余った時間で生クリームを泡立て始めた時、部屋に誰かが訪ねてきた。

「はぁい」

扉を開けるとそこにはラスフィードが立っていた。

「ラスフィード様…?」

「入るぞ、クレア」

クレアフューナの了承を得ることなく、ラスフィードは部屋に入っていく。なにしに来たのかと思っていると、ラスフィードは1枚の紙をクレアフューナに手渡す。

「パートナー申請書、書いてもらおうと思って」

「あ、ありがとうございます」

申請書を受け取ろうとすると、チンっとシフォンケーキが焼けた合図が聞こえる。ちょっと待ってて下さいと断り、オーブンを開ける。ふわっと甘いいい香りがたつ。紅茶を入れようとお湯を沸かしていると、ラスフィードがキッチンに姿を表す。

「菓子を作っていたのか」

「はい、気分転換に」

「気分転換?」

「…恥ずかしながら、魔力がわからないのです」

話ながら生クリームをたてていく。ラスフィードは図書館では呆れたように言っていたが、クレアフューナの本気の悩みに真剣に耳を傾ける。

本を見て理解しても、自分の魔力の感じ方がわからないのだと話すと、ラスフィードはクレアフューナの手を取る。いきなり何をと顔を赤くしてラスフィードを見ると、真剣な顔でこちらを視ていた。

「俺の体温を感じるか?」

「…はい」

「そのまま、集中して」

クレアフューナは目を閉じ、ラスフィードに集中する。暖かいラスフィードの体温の中に、別の暖かいものを感じる。言葉では上手く表せない、ぽわっとした流れるもの。

「何か感じた?」

「……はい」

「それが俺の魔力。意識を自分の中に潜り張り巡らすイメージで、見つけたら血液のように流していく…やってみて」

「はい」

ラスフィードに言われた通りに、クレアフューナは意識を自分に集中させる。

魔力、魔力、魔力…意識を集中させて、その意識に潜っていく。すると白く輝くなにかを見つける。これが魔力なのかとも思ったが、考えるよりも先に行動する。

輝く魔力のようなものを、身体中に流していくイメージ…。全体に行き渡ったら、手のひらに放出させる。

「……出来たわ」

「うん、上手いよクレア」

そっとクレアフューナから手を離し、その手を頭に乗せ撫で始める。とても大きなラスフィードの手に頭を撫でられるのが、とても心地好い。嬉しさをあり身を任せていたクレアフューナだったが、我に返ると急に恥ずかしくなり、ラスフィードから体を離す。

「ありがとうございます、ラスフィード様」

「ラスフィードでいいよ、クレア。あと敬語もいらない」

「でも…」

「今のクレアにならそれで構わない。それにパートナーだからな」

記憶が戻る前のクレアフューナには見せたことのない、優しい笑顔の連続にクレアフューナの心臓は爆発寸前だ。

話題をかえなくては!そう思ったクレアフューナは、すっかり冷めて切り分けられるようになったシフォンケーキを切り、皿に盛り付け、生クリームを乗せる。紅茶も手早く用意し、テーブルに運ぶ。

「さ、先程のお礼ですっ!よかったら、どうぞ…ラス、フィード……」

「…あぁ、いただこうか」

真っ赤に染まるクレアフューナに、満足そうな笑顔を浮かべるラスフィードだった。

ようやく甘いのがやってきました。

どうも。霧咲です。

昔から砂糖が吐けるくらいの甘いモノが好物で、よく書いていたのでもっと甘くしていきたいです。

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