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14. 伯爵令嬢と咎人達




 胸に手を持って行き、記章を外している軍人さん達。 一瞬、悲しそうな眼をした、エライネン上級指揮官 以下、各級指揮官さん達は、指揮官の記章を机の上に置いてから、大天幕を出て行った。 将軍閣下の側近の人が、憐れむような眼を彼等に投げかけていた。 が、悲しそうではあるけど、毅然をした視線を返すエライネン()上級指揮官さん達。 


 この人、折れないね。


 なら、大丈夫だ。 直ぐにでも、元の地位に戻って来るよ。 一回り大きくなってね。 上官の無茶振りに振り回され、どうしようも無い状況に置かれ、それでも尚 真摯に職務を遂行しようとした漢達。 一つのボタンの掛け違いが、大きく状況を破綻させるって事を、身を持って知った人達。


 腐らず、邁進したら、粘り強い精強な指揮官になるね。 得難い人物に成るよ。




「甘いとお思いか?」


「閣下のご判断は、兵、指揮官に希望をもたらしました。 膿まず弛まず緊張感を持ち、職務を遂行するならば、困難な状況に陥っても、決して諦めない精強な兵として戻ってこられると、そう愚考いたします」


「痛み入る…… 彼等ならば……と、思ったまでだ。 なに、リンディも昔はあんなものだったのだ。 二人して無茶をして、重懲罰房に入れられた事すらあるな。 経歴に付く傷は、それ以上の武勲で霞んでしまうのだ。 それに、今回は、状況が状況だ…… 判っている」


「であるならば、なんら問題は御座いません。 閣下の御心のままに」




 一つ頷くと、将軍職としてのヒルデガンド侯爵閣下は、天幕入口近くの側近に目配せをしたんだ。 そうだよね、軍権てものが、さっぱりな連中が来るんだった。 




「入れよ」




 重い声だね。 尋常じゃない雰囲気が、閣下を取り巻いているのよ。


 大天幕に入って来たのは、問題行動を起こした、新兵さん、学院の生徒さん、そして学院の先生達ね。 なんか、とってもキラキラしてる人も混じってるよ。 例の男も混ざっとるしね。 そう、ロドリゴデトリアーノ=エステル伯爵。 此処には、魔術教師って役割で来てんのに、私には 上級職王宮魔導師 の職位を振り回しやがった、滑稽な奴。


 閣下が重い口を開くんだ。




「釈明を聞こうか。 釈明できる点が有るのならな」




 傲然と入って来た男達を睨みつける侯爵閣下。 まぁ、怒るわな。 私だって、とっても醒めた眼で彼等を見ていたんだ。 エルクザードと、マエーストロも「殺気」を、隠そうともしていない。 それより、もっとアブナイ鬼気を発しているのが、モリガンだもんね。 えっ? 私が抑えないといけないの? 私だって怒ってるんだよ?


 で、そんな恐ろしい雰囲気の中、悪びれもせずフルリンダル学院の先生達は口々に、生徒さん達の勇気と智謀を褒め称えているんだよ。 それを指導した自分達の事を「持ち上げる事」も、忘れて無いよ。 今回の事は突発的出来事で、よく護り切れたと自画自賛してんだよ……


 ロドリゴの馬鹿に至ってはね……




「護衛任務を負わされている、辺境領軍の展開が遅く、我々を危険に晒したのだ。 辺境伯には断固とした処置を求める! そして、其処の指揮官には処罰を与える事を強く求める! 将軍閣下は、お分かりなられると、思います」




 殊更に胸を張り、上級職王宮魔導師の職位を示す記章を前面に出して来やがった。 なにも、判っちゃいないね。 ほら、お前がそんな事言い出すから、私の周りの人たちから、黒々とした何かが漏れ出しているよ………… 知らないよ、ほんと、知らないからね。 どうなったって、どんな裁定が下されるか、判ったもんじゃないね。


 シッカリと裏を取ってるって事を知らずに、自分達の都合の良いような報告を上げやがる………… 将軍閣下の方から、冷気にも似た何かが漂って来るよ。 知らねぇぞ、ほんと、知らねぇぞ…………




「なるほど、フルリンダル学院の教師はそういう認識であったのか。 全ては不可抗力。 この度の事は、護衛部隊として来た、辺境領軍の展開が遅かったために危機に陥ったと」


「まさしく、まさしく! 事も有ろうか、この指揮官は、上級職王宮魔導師の私に、魔法騎兵すら渡さない。 おかげで初動が遅れ、更なる危機を招く結果に成りました。 これは、明らかに王国に対する反逆に御座います! 何卒、こ奴に罰をお与え下さい!」


「ふむ、何処までも辺境領軍が悪い…… そう貴殿は、そう申されるのか。 仕方ないな…… 陛下より、全権を委任された事もある。 処罰を考慮しよう」




 その言葉に、ロドリゴにニヤリと黒い笑みを浮かべてるのよ。 ” 処罰 ” の対象が、私だとそう思っているみたいね。 尊大に、ふんぞり返りながら、私に蔑みの視線を放ってきやがるのよ。




 《 レイさん…… ロドリゴって、こんなに馬鹿だったの? 》


 《 フリージアちゃん。 私だって意外よ。 だって、御伽噺の中のロドリゴデトリアーノって、頼れる教師の鑑みたいな感じなのよ? それがまさかこんな人だなんてね。 ほら、御伽噺の中でも上級職王宮魔導師で、いろんな魔法を開発してたじゃない。 もしかしたら、アレって、辺境伯爵家の知識かもしれないわね》


 《 というと、どういう事かな? 》


 《 思い出してみて、物語の中のフリージアちゃんは、王都に在住してるのよ。 リンデバーグ=フォン=エスパーニア辺境伯爵の後ろ盾をガッツリ持ってね。 尊大に驕慢に振る舞う中、王宮でも王族教育があるのよ。 きっと、王宮魔導師達とも交流が有るんじゃないの? それで、自身の地位向上を目的に、フリージアちゃんに近寄って来るのも居るはずよね? 辺境伯の所の魔法騎士も派遣されているみたいだったしね 》




 そう云うレイさん。 御伽噺の記憶…… かぁ。 なんか、朧気で霞んでいるんだけど、それでも二、三 記憶の中に留め置かれている情景が有るのよ。 王宮での王族教育の時、確かに御爺様の所から護衛として、魔法騎士が派遣されてたわね。 私の後ろに立ってたような気がする。 そう云えば、魔法騎士の制服着てたねぇ…… あそこから、情報を引き出していたのかぁ……


 だからかぁ…… 辺境領が壊滅した時に、ロドリゴがその魔法関連の知識を引継げたのは…… ちょっとずつ引き出していたって事ね。 失われたと思われていた、簡易【身体強化】の術式を奴が復活させたのには、理由があったんだ…… アーリアも、護衛の為の魔法騎士に選ばれていた可能性もあるもんね。 あの子、発想が独特だから、目を付けられていた可能性もあるし……


 でも私、王都で暮してないからね。 自然と、辺境領からの情報なんて限られている筈なんだ。 ロドリゴにとって、まさに金鉱山のような、知識の数々。 でも、迂闊には手を出せないものね。 この機会を狙ってたんだ…… 辺境伯の子飼いの魔法騎士を王都に囲い込んで、その知識を奪い取ろうって算段だったんだね。 



 悪辣~~~



 御伽話では得ていた、フリージアからの情報が無いもんで、ロドリゴは未だ一介の上級職王宮魔導師。 たしか、この頃って……




 《 そうね、ロドリゴデトリアーノは、御伽噺の中では、上級職筆頭(・・・・・)。 数々の魔法開発を成し遂げている偉人扱いだったわね。 辺境領からの知識が無い分、今はその地位に到達できていない…… そう考えるべきね 》


 《 なんか、やだね。 こいつ、どうにか出来ないかな? 》


 《 貴女が手を下す必要ないんじゃない? そろそろ、ヒルデガンド侯爵閣下の「堪忍袋の緒が切れる」わ。 怒らせては成らない人。 虎の尻尾を踏み抜いたんだもの》


 《 怒りの原因は、フルリンダル学院の教師陣の軍への横槍? 》


 《 あはは、貴方って子は! そんなモノは、日常茶飯。 彼が本気で怒りを覚えたのは、きっと、フリージアちゃんが理由よ? 》


 《 えっ? 》


 《 そりゃそうよ、死線を共に戦い抜いた、盟友というべき、リンデバーグ=フォン=エスパーニア辺境伯爵の孫娘。 それに加えて、帝国の末姫「九ノ宮」様っていう、「トンデモナイ高位のお姫様」、エレノア=ウリス=ローレンティカ………… いえ、エスパーニア辺境伯夫人の血を濃く引き継ぐ貴女なんだもの。 それに貴女は、軍務上命じられて居る職責以上の事を、成して居るのよ? 判るでしょ? 》


 《 軍務上の職責云々って所は何となくわかるけど…… 御爺様の孫娘って、関係あるの?》


 《 大ありよ!! 口に出せなかったとは言え、ヒルデガンド侯爵閣下も、エレノア様の事は憎からず思ってらしたのよ? 知らなかったの? ほら、御領で聞いた、エスパーニア辺境伯爵とエレノア様とのラブロマンスの御噂にも出てたじゃない》




 あぁ~~~~、そういえば、そんな噂話もあったなぁ~~ 御爺様が、ヒルデガンド侯爵閣下のエレノア御婆様に対する熱い視線に気が付いて、一旦、身を引こうとされたってお話。 辺境伯爵家よりも、侯爵家の方が…… 辺境の地より、王都の方が…… って思われてたって、お話ね。 エレノア御婆様の気持ちをまるっと無視した、御爺様の思考の暴走だったよね。


 お陰で、領都のど真ん中で、御爺様とヒルデガンド侯爵閣下が大喧嘩。 殴り合いの末、ヒルデガンド侯爵閣下と疎遠になっちゃったって………… 馬鹿じゃね? ほんと、男の人って…………




 《 あら、私も男だったわよ? 》


 《 レイさんは、特別!!! それで―――、御爺様の気持ち、わかるの?!?! 》


 《 大切な人が、自分を愛してくれているのは判るけれども、自分では幸せにする自信が無かった。 隣には、幸せにする力を持っている、自分の分身のような朋がいる。 大切な人の幸せを考えるならば…… って事ね。 貴女の御爺様は、戦場では「 鬼 」だけど、男女の間の機微とか、心とか、想いの伝えかたとか、ホントに初心(うぶ)だもの。 誤解が誤解を招いたのよ。 だから、ヒルデガンド侯爵閣下も真剣に怒ったのよ。 ” エレノア様の気持ちを知れ! ” ってね》


 《 御爺様………… 本当に生きるのが下手な方ね…………》


 《 御伽噺の中では、悪役令嬢の御爺様だもの。 驕慢で高慢ちきな孫娘の為に、遠い御領から懐刀のような、魔法騎士をその孫娘の為に贈るような人よ。 貴女が何者で在れ、貴方に対してはデレデレなのよ》


 《 あんまり、優しいお言葉は頂けないけど…… 》


 《 ツンデレさんなんだよ。 愛情の表現の仕方が良く判らないのよね、あの方は 》


 《 それは、判る 》




 心の中でレイさんと会話している最中も、フルリンダル学院の教師達は、私の在りもしない罪をでっち上げてたんだよ。 追撃してる気分なんだよね。 ロドリゴの奴、私が戦時裁量で言い放った、処刑の可能性にすら噛みついて来やがったんだよ。




「この指揮官は、至高の存在たる、上級職王宮魔導師に対し、「処分しろ」とまで!!! 不敬である!!! 即刻、断罪を!!!」




 ゆらりと、鬼気がヒルデガンド侯爵閣下のその巨大ともいえる体から、零れだしたんだ。 表情は無く、ただ、ただ、フルリンダル学園の教師達を凝視している。 そんな中、一人の若い生徒が口を開いたんだ。




「御爺様、ご決断を! 能無しの、不敬たる、辺境領指揮官の断罪を!」




 ミストナベル=エイランド=ヒルデガンド子爵って、言ったかしら? コレがハリーストン殿下の側近? マジで? あの方は、人材に苦労されてるわね。 前提が全く分かってないもの。 現象のみで判断するって、なんなのよ。 こいつの頭の中って…… 自己の地位向上とか、名聞とか、箔付けとか………… そんなのばっかりって事ね。


 さぁ、どうなる事やら。




「言いたい事は、それで終わりか?」




 静かで、重い言葉。 こいつらの讒言なんて、途中から聞く気にもなれないよ。 ヒルデガンド侯爵閣下も同じ見たいね。 最後の問い掛けが、有りそうだわ……




「新兵。 お前達は何故、持ち場を離れた?」


「はっ! 若様の御命令でしたので」


「直属の指揮官に報告は?」


「若様より、至急との御命令が御座いました。 将軍閣下の御令孫の御命令ならば……」


「ん、もうよい。 ヒルデガンド子爵、相違ないな」


「御爺様! 先生達より自由時間には限りがあると、そう申されました。 私はハリーストン殿下の側にて御守する為の力を欲しております! よって、自由時間であっても鍛錬の為に……」


「もうよい。 お前が、兵に命じた事が判ればよい。 魔導師殿、ヒルデガンド子爵にそう申されたのか?」


「……はい。 ヒルデガンド子爵は強き御意思で、自らを鍛え上げようとされておられました。 宿営地での細々とした事は他の者でも出来ますゆえ、彼には鍛錬の時間を与えようと……」


「相分かった…… もうよい。 貴殿がたぶらかしたというのは、理解した」




 空気が変わった。 冷たく見下ろす、ヒルデガンド侯爵閣下の視線が、教師達を含めてその場に呼び出された者達に注がれているという事に、初めて気が付いたみたいだったね。 ” 処罰対象 ” が、私じゃないかもって、やっと気が付いたみたいだね。




「おい、お前達、、新兵共の剣を折れ。 軍籍剥奪、二度と軍務に付けぬように手配しろ。 王国の剣となり、盾と成る筈の物が、指揮権も持たぬ者の命令を聞き、持ち場を離れるというのは言語道断。 高位貴族の命令という事で、処刑は見送ってやる。 本来なれば、命令不服従の咎で即、処刑だ」




 冷たく言い放つ、ヒルデガンド侯爵閣下の命令。 処置無しと、側近の方々が、次々と新兵さん達の剣を折る。 もう、この人達は、軍人じゃぁ無くなっちゃったね。 ご愁傷さまです。 顔色を真っ青にさせて、新兵さん達がその場に崩れ落ちるの。




「お、御爺様…………」




 なんか、ヒルデガンド子爵様、ビックリしてるね。 当たり前の事なのにね。




「ヒルデガンド子爵、貴様は軍権を持たぬ身。 まだ、正式に任官される前にも関わらず、新兵とはいえ、正規の王国兵に命令を下し、統帥権を犯した。 看過しがたい。 よって、貴様の予備軍籍を剥奪。 任官は無いと思え。 お前の父親に伝え置く。 学院は退学し、領地にて謹慎。 以後、領地にて蟄居すべし。 お前の祖父としての最大級の温情である。 本来ならば、この場で、その ” そっ首 ” を、落とさねばならんのだ! この、愚か者め!! ……よろしいか? 辺境領軍指揮官、フリージア殿」


「承知いたしました。 この旨は、諸々の状況を含め、辺境伯爵様にお伝え申し上げます」


「ご配慮、痛み入る」




 あぁ~あ、言わんこっちゃない。 蟄居って言ったら、もう、外には出られないよ。 下手すりゃ、家族に毒盛られて、殺されちゃうよ? まぁ、そんな事しちゃったんだよ。 統帥権侵犯って事は、広義に解釈すれば、反逆罪だもんね…………


 これまた、青っていうより、真っ白に顔色変えて、崩れ落ちちゃったよ………… 自分の行動がどういう意味なのか、分かって無かったようね。 




「さて、貴殿らフルリンダル学院の教師達には、儂から言う事は無い。 学院には、軍権は及ばんのだしな。 ただ、一言だけ、よくも我が孫をここまで堕落させたな。 覚え置くがいい。 本年度の予備任官は全て取り消す。 もう一度、その資質を見極める。 よいな。 ―――それと、ロドリゴデトリアーノ=エステル伯爵。 貴様の上級職王宮魔導師の任を解任する。 辺境領軍に対しての、統帥権侵犯。 立派な理由になる」




 ふらりと立ち上がり、ロドリゴの前に立ったと思うと、何の前触れもなく、奴の胸の「上級職王宮魔導師」の記章を剥ぎ取る。 ぐしゃりと、手の中で壊すと、その辺にぶん投げてたんだ…………




「な、何をなさいます!」


「何を? 陛下より全権を委任されたと言ったが? 人事権も含むという事だが? 判って居らぬのか? 我が愚孫に対し、統帥権侵犯を唆した事に間違いはない。 王国に弓引くような真似をしたモノに、王宮魔導師の地位は相応しくない。 よって、解任する。 以上だ。 不服はあるまい? 学院の一教師として、王国に仕えよ」


「そ、それは! 無体な!! こ、抗議申し上げます!!! ええ、断固として!!」


「それは、国王陛下への言葉か? 陛下の御意思に楯突くというのか? そうか、ならば、貴様は反逆者として、この場で処刑するが?」


「そ、それは…………」


「今までの献身により、一命は助けてやったつもりだったのだが? 大人しく言う事を聞くか? あぁ、この場の裁定は、魔導通信により本領 人務部所轄に送ってある。 即日発行の人事命令になる。 お前が何を画策しようと、もう、お前は王城に入る事は出来ぬ。 道は示した」


「……う、承り…… ました……」


「一教師として、王国に仕えよ。 お前の犯した罪は、お前の生涯をかけて贖え。 以上だ」




 顎をしゃくり、学院関係者及び、元新兵さん達全員の退出を促されたんだよ。 大鉈を振るわれたね。 学院の先生達が、増援部隊の居る場所に行きたがらない訳だ………… 学院の独自性って事で、今まで閉鎖空間だったけど、これからは何かと介入が行われるね。



 こりゃ、王都の学園には行けなくなったね。 やつら、きっと、私の事を目の敵にするよ。 自分達の地位を脅かした者として、絶対に目を付けたね。 間違いないよ。 悪意の籠った視線を投げつけてきやがったしね。 はぁ~~ 面倒~~~~~



 まぁ、王都にすら行かないから ―――良いんだけどね。


 でも、ハリーストン殿下の周りって、こんなのばっかりなの? 


 大変だね。


 お手紙書かなくちゃね。


 今度から、将軍閣下経由にしとこうかなぁ……




 御爺様、 ――――「御許し」して下さるかしら?




 腰が抜けちゃったのか、立ち上がる事も出来ない男達を、第一軍団の方々がズルズル引き摺って、大天幕の外に放り出して行く様子を眺めながら、そんな事を思ってたよ…………






断罪でした。


王国側の人達にも、御爺様のお友達が居られたようです。 全部が全部、敵ではなさそうなのですよ。 お友達にとっても、孫みたいなモノですから。 不肖の孫より、可愛いのでしょうね。 


だって、戦乙女ですから。


脳筋さん達には、人気者ですね。 



頑張れ、負けるな、我らが姫様!!


現在、フリージア、十六歳と半分。

  

物語は加速します。


次回、辺境領都での出会い  (表題は、未定

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