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春の君の嘘なんて僕は知る由もない  作者: 朝日奈 イリナ
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SLEEP OR TEST

鳥のさえずり。小学生達の可愛らしい笑い声。目覚め方としてはきっとこの上ないほど最高だろう。しかし今の僕にはそれすらもあまりに憂鬱な気持ちを煽り立ててとても腹立たしかった。その理由は何を隠そう今日からテストが始まるからである。テストを好きな人などいるのだろうか。テストのために復習をしてテストにのために夜更しをして。結局、前日である昨日まで夜更しをしてしまい睡眠に取れた時間は約15分ほぼ寝てないも同然だった。しかも、昨日は成葉といろいろとトラブルがあった日勉強なんてそっちのけでその事ばかり考えてしまっていた。正直に言って今までの点差から順位が下がることはないと思うのだが自己最低点数をたたき出してしまいそうでため息が止まらない。学校に行くのが本当に憂鬱だ。それに合わせて僕は先生に頼まれていたことがあることを昨日のように忘れてはいなかった。学校に行く前に成葉の家により遅刻をしないように学校へと連れていく。忘れてはいけないことだがとてもとてもめんどくさい。気がつけばいつも家を出ている時間。足早に支度を済ませ成葉へと向かう。

ドアの向こうから鳴らしたインターホンの音とゆっくりと近づいてくる足音が(かす)かに聞こえてくる。開かれたドアの奥からはだれもが見とれるような美少女が・・・。あれ?何かが違う。と言うよりは何もかもが違う。ドアの奥から出てきたのは髪の毛は寝癖がひどく顔までほぼ隠してしまうほど乱れていて、可愛い柄のパジャマは胸元がはだけており際どい服装になっている。髪の間から垣間見れる顔はまだ目が半開きで口元からヨダレが垂れている。辛うじて成葉だとわかる状態だった。そう思考を巡らせている間も成葉は全く動かない。身を屈め顔を覗き込むと幸せそうな顔をして立ったまま寝入っていた。どれだけ眠いのだろうか・・・。時間もなかったので起こすために少々乱暴に成葉の身体を大きく揺さぶった。すると彼女は目を覚まし我に返ったのか顔を真っ赤にして

「ちょっと待ってて!」

そう言うと家の中に戻っていった。

 通学路。成葉を迎えに行った経緯を話すと彼女は少し嬉しそうに「毎日一緒だね。」そう言った。そんなに素直に喜ばれるとこちらとしても照れてしまうではないか。成葉の姿は迎えに行った時の姿とは見違えるほどいつもの誰もが見とれるほど美しい整った姿に戻っていた。なぜ成葉はあそこまで眠そうだったのだろう。そんな素朴な疑問を彼女にぶつけても答えは

「ナイショ!」

ただそれだけだった。それから弾む会話。成葉の支度に時間がかかってしまったから生徒会の仕事はできなくなってしまったが誰も咎める人はいないだろう。きっと。

ふたりの並んで歩く登校はテスト期間の鬱な気持ちと眠気さえも気にならないほど清々しく、まだなれない歩幅で歩み続けていた。

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