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春の君の嘘なんて僕は知る由もない  作者: 朝日奈 イリナ
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NEXT TO GIRL

湊 成葉。異様な時期に転校してきた謎の美少女。腰まで降りた綺麗な黒髪がとても印象的ないかにも質素系な女の子。しかしその実態は(覚えていない向こうにとっては)初対面の俺に対して根拠の無い罵詈雑言を浴びせたあの女。かと思うと少し優しくしたくらいで抱きついてくるようなあの女。本当に雲を掴むような感覚だった。そして、昔のことを思い出す。自分のクラスを変えられるそんなことが出来るのはアニメ世界でのお金持ちや理事長の子供など、少し大きな権力を持った家柄だけだ。しかし小さい頃こんな俺と関わっていたように彼女の家はごく普通の家庭だった。僕の知らないこの数年間で大きな変化があったといわれては返す言葉もないが彼女の服装や態度からそれは考えにくいだろう。考えれば考えるだけ謎が謎を呼ぶ。朝の騒ぎから成葉とは関わっていない。しかし、成葉がこのクラスに転入してきた今日の朝から6限の授業の今に至るまでずっと彼女のことばかり考えている。数日後にもう試験が迫っているというのに大問題だった。進学校だからって入学後一ヶ月もたってないのにテストとはかなり鬼畜だろう。まぁ、今回のテストも入学試験と同じように学年一位になることは自信がある。しかし成績優秀が故に入学後すぐに生徒会に入れられたのは正直ハズレくじを引いたと思った。生徒会長さえ学校に来てくれれば仕事も楽になるだろうに。そんなことを考えていると授業の終わりを告げるチャイムがなった。帰ったら勉強だな・・・。

学校が終わり部活をやっていない僕は自宅のマンションへ向かうべくゆっくりと歩みを進めた。すると後ろから聞こえてくる軽い足音。振り返るとニコニコしながらあとをついてくる成葉の姿があった。何故こいつがここにいる?自然と速くなる歩みにもついてくる成葉。しびれを切らした僕は

「なぜ僕をつけている?!もはやそれは犯罪の域だぞ?!」

すると彼女はキョトンとして

「何を言ってるんですか?ただ自分の家に向かって歩いているだけですけど?」

()くならもっとまともな嘘をついてほしいものだ。めんどくさいのでもう無視をしてマンションへと向かう。家のマンションはセキュリティ管理が行き届いておりヘアのカードと暗証番号がないと入れない仕組みになっている。それなのになぜ・・・。なぜこいつはここにいる?!家の扉を開ける途中ふと横を見るとそこには隣の部屋の扉を開けようとしている成葉の姿・・・。これはオタク的には嬉しいシチュエーションなのだろうが凶悪な過去を知ってる俺からしたら絶望の対象でしかなかった。追い打ちをかけるように成葉は嬉しそうに

「お隣さんですね!不束者ですがよろしくお願いします♡」

間違っている。いろいろ間違っている。神様、冗談がきついですよ・・・。

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