第5話 訓練と部活の掛け持ち
今回は少々、短めになっています(大体、6割ぐらい)
それでもよかったら読んでくだちぃ
聖華高校 射撃場
「さて、大会に当たっていくつかの問題点を挙げていこう」
「問題点?」
部員達との打ち合わせで、俺が最初に言った言葉にリーダー格である響子が疑問を口にしてさらにこう聞いてきた。
「クレー射撃って言うのは色んな銃で的を撃つんじゃねーのか?」
「間違ってはないが本格的なクレー射撃はショットガンによる皿の狙い撃ちだな。そこから考えると君らの内、明理以外はぎりぎり及第点が出せる程度だな」
射撃部に入ってから2週目になるが、彼女達の銃の腕前はかなり極端なことがわかった。
特に、響子から数えて2代前のリーダーがフリーダムな方針にしていたので、目的があってもまとまりがなさ過ぎてここまで落ちぶれたらしい。
響子自身は、その状況をなんとかしたかったが考えついた方法がうまく行かず、困り果てていたところに俺が入部してきたということだった。
そのため、響子達から許可を得て俺はリーダー代理として、クレー射撃の大会まで指示を出すことにした。
そうしないと、彼女達と俺との知識の差がありすぎて大会で優勝するどころか、入賞すら怪しくなってきたからだ。
そして、彼女達にコーチをつけることにした。
これは1週間目の部活動で、彼女達の腕が怪しく見えたので休日中に手の空いている人に頼んで臨時コーチとしてきてもらった。
そのコーチの名前は、葛城澪と言ってクレー射撃で数回の優勝をした人だ。
何故、コーチを呼んだかというと俺自身が口下手な部分があるので、教えることが上手な人に来てもらう方が効率的だ。
そして、その日からコーチの元で彼女達の腕を上げていくのだった。
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帰宅時の車内
「すまんな、急に呼び出したりして」
「いいんですよ、暇を持てあまして射撃場に通い詰めていましたから」
帰宅の時に使っている車には、俺と運転手の須藤さんの他に澪さんがいる。
実は、彼女も組織と関係がある人で俺や珠緒が小さい頃からの射撃のコーチでもあり、銃に関しての色んな知識と危険性を教えてくれた人でもある。
俺は、自分の教師でもある彼女に1つの質問をした。
「部員達はどうですかね?大会でやれますかね?」
俺がそう聞くと、彼女はやや残念そうにこう言った。
「正直に言わせてもらえれば優勝はかなり厳しいかと。彼女達の気合いと集中力には目を見張りますがそれだけでこの1ヶ月を乗り越えるのは難しいです」
「だよね~」
澪さんのそう発言させるように、響子達の射撃の腕は自分の専門分野以外では壊滅的にへたくそで、よくそこまで外せるなと感心するぐらいである。
そのため、俺は安全牌としてため息を吐きながらこう言ってしまった。
「いっそのこと、他の部活動に入部するかねぇ」
「それも1つの手ですわ」
俺がそう言ったのに対して、澪さんが嬉しそうに反応した。
「珍しいな。普通、ここでは反対されるかと思ったんだが?」
「ふふっ、あなたのお母様がよく仰っていましたよ。自分にとって最大限の利益を上げるなら、違法にならない程度にあらゆる手段を執っても構わない、と」
「納得だわ~。うちの母さんだったら言いそうな言葉だな」
日本にいると実感が湧かないが、海外ではあらゆる手段を使って自分の利益を上げようとするから、あうんの合図で利益を分けることができない。
特に裏稼業では、騙し合いが横行しているせいで新規参入する分野では安全策を講じながら、色んな活動を行うことが基本になっている。
俺達が属している組織に関しては、澪さんも知っているのでそう反応したが1つの部活動にこだわる人はこだわるから、色々と突っ込まれたりもする。
しかし、今後んお射撃部は不確定要素がありすぎるので今のうちに打てる手は打っておこう。
俺はそう思って、次の日には他の部活動に入部する準備を始めた。
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次の日 無線部
「なるほどね。それで入部してきた訳か」
「えぇ、それもた1つに選択肢ですから」
翌日、俺が来ていたのは無線部と呼ばれる部活動でこれはアマチュア無線を使って、近くの人や遠くの局と通信をする部活動らしい。
ついでだが俺の場合は何故か、アマチュア無線の資格を1級まで取得していてこれを取得した理由が災害などが来ても大丈夫なように、とのことだった。
(いやホント、中学生までの俺って真面目すぎるだろう)
そうじゃなければ、普通はここまでやらないものだ。
それはともかく
無線部の部長である柊木真さんに部活動の掛け持ちについて、妥当な説明をすると理解してくれたので入部することができた。
これによって、2度目の高校生活でもつまらなくならなくなった。
部活の掛け持ちってどうなんでしょうかね?
サイトの知恵袋とかだったら肯定的だったんですが、皆さんは掛け持ちについてどう思ってますか?