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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第6章 魔王護衛をする
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第65話 助っ人

 サキュバス達と戯れて沢山触った俺は満足して又俺のいた世界に帰って来た。今回は3人連れて来ている。セイロン男爵と昆虫族の戦士2人だ。山の中の別荘の傍なので人に見られる心配は無い。


「ここが俺の別荘だ、サキュバスや勇者達は中でくつろいでるよ」

「ここが異世界ですか、何だか私たちの世界と変わりませんね魔王様?」

「ここら辺は山の中だからな、店まで行けば人も多いし全然違う世界だ」

「木が多いですね、魔王様。それも小さな木ばっかりですね」


 昆虫族の2人言われて初めて気が付いたが、確かに俺の世界の木は魔族の木より小さかった。あっちの木は太くて高い木が多いのだ。こっちの世界の木って大きな奴は全部切られて植えなおしたからかな?杉の木ばっかりだしな。確かイギリス当たりは大航海時代に船を造るのに樫の木なんかを伐り過ぎて無くなったんだよな。他の国の木も色々絶滅したのが多かった様な気がするな。今は世界中の木がチッコクなって気象まで変になったよな。やっぱり人間って馬鹿なんだろうな~。というか金を欲しがり過ぎの様な気がするな、働いて稼げば良いのに楽して金を欲しがるから変な世の中になるんだよな。


「それじゃ、別荘の周りを案内するよ」

「何か有るのですか?魔王様?」

「敵が俺の別荘を監視しやすい場所が4か所程有るんだ、男爵」

「ほう、それは興味有りますな」


 俺の別荘を監視しようとすると場所が限定される。山の中なので木や林が有ると入り口が見えなかったり建物が監視出来なくなるのだ、そこで入り口が監視出来て尚且つこちら側からバレない場所と言うと4カ所しかなくなるのだ。大体距離にして100メートル位は俺達の建物から離れた場所じゃないと居られない、たまたま咳が出たりクシャミをしたりしても聞こえない位の距離は最低でも欲しいのだ。


「成るほど、監視するには場所だけでは無く距離も関係するのですね」

「そうだな、こっちじゃ色々な機械が有るから。離れても簡単に監視できるんだよ男爵」


 今はデジタル製品が有るので、監視カメラを藪に隠して自分たちは快適な別の場所に居る事も可能になって来た、ただし無線で電波を飛ばすと監視機械が有れば直ぐにばれてしまうから有線ケーブルを使わなくてはならない。よって結局カメラの10~20メートル付近に居る事になる。それでも昔の様に藪に中に穴を掘って艶消しの双眼鏡や収音マイクで監視するよりはかなり楽なはずだ。


「結局監視だから、藪を利用するか、木の上しか無いからね。特定するのは簡単なんだ」

「成るほど勉強になります、魔王様。しかしバレないで監視するのは難しいのですね」

「それはそうだ。情報戦はバレたら終わりだからな。カウンターを食らって負けるだけだな」


 結局監視場所を置くであろう場所は男爵とカブちゃん達に監視してもらう事になった。カブちゃん達は敵が来たら匂いで分かるので簡単だって言っていた。それに森の中は快適なので何日居ても問題ないらしい。物凄く有能な森の戦士を手に入れた様だ。彼らは一緒に歩いていても音を立てなかった、ジャングルでかなり練習して身に着ける技術を既に持っていたのには驚いた。こっちの兵隊はかなり苦労して身に着ける技術なんだがな。


「お前ら音を立てないのな」

「当たり前ですよ魔王様、隠密ですからね」

「俺達は昆虫族ですからね、飛ぶ時以外は結構静かです」

「お前ら飛べるの?」

「はい、飛んで見せましょうか?」

「おう!見せてくれ。」


 カブちゃんとクワちゃんは背中の装甲を展開して羽を広げた。薄い茶色の羽だな、カブトムシと同じだが結構大きい羽だ、左右に2メートル位は有る様だ。


「お~!何かカッコいい!」

「飛びます!」


 ブウ~ン!


 結構な音と埃が辺りにまき散らされる。傍で飛ばれると物凄く煩い。それに風が凄いな、体重40キロを浮かせているから当然だが。


「どうですか?魔王様?」

「お前ら飛行禁止な!」

「え~!!!」


 こいつらが飛ぶと酷い音がするので飛行禁止にした、多分相当遠くまで音が響いてバレるのだ。人間サイズが物凄い音を立てて飛んでいると迷惑だし直ぐに周りにバレてしまうので非常時以外は飛ばない様に言っておいた。


「う~す!助っ人連れて来たぞ」

「魔王さん、お帰り!」

「あら男爵様、お久しぶりです」

「うむ、サキュバス達久しいの。魔王様と楽しくやってる様だな」

「はい。毎日が楽しいですわ」

「お~!!!なんじゃこいつらは?ロボットか?ロボットだよな!」


 王子がカブちゃんとクワちゃんに興味を持った様だ。なんせカッコいいからな、日本オタクの王子としては興味が有るだろうな。


「馬鹿王子。こういうのはサイボーグと言うのだ。勉強不足だぞ!」

「お~私とした事が何たるミスじゃ。そう、サイボーグと言おうとして間違ったのだ」

「日本の技術の粋を集めて開発したサイボーグだぞ。凄いだろう」

「欲しいのじゃ!金なら幾らでも払うから私に売ってくれ!」

「こいつはな空も飛べるのだぞ、王子よ」

「うほ~!!変形はどうじゃ?」

「変形合体はしないな」


 馬鹿王子には甲虫族はサイボーグって事にして誤魔化した。売ってくれって煩かったが軍事機密の一言で無視した。それでも興味が有るのかカブちゃんやクワちゃんをペタペタ触っていた。気持ちは分かる、特撮ヒーロー物の怪人みたいな感じだからな。こいつらを特撮映画に貸し出したら儲かるかな・・・いやいや直ぐにバレそうだからやめておこう。


「魔王様、お昼は何が宜しいですか?今から作りますわ」

「ああ、俺がつくるよ。久しぶりに和食っぽいのが食べたい」

「おお良いッスね!喫茶店のまかない飯は洋食ばっかりっすからね」


 サキュバス達に氷水を用意させて、勇者にはソーメンを大量にゆでさせる。王子にはキュウリをスライスして貰って俺は酢飯造りだ。酢飯造りが面倒な時は寿司〇郎で簡単に作る。


「それは何ですか?魔王様」

「これは稲荷寿司って言うんだ、ソーメンに良く合うぞ」

「稲荷寿司ですか、不思議な名前ですね」

「うへへ・・イナリと言えば・・」


 ここで俺はぐっと我慢したのだ、美人のサキュバスに俺の稲荷を・・・・いや止めておこう飯前だし。親父ギャグは下品だからな。王子が真似すると良くないしな。


「どうしました?魔王様」

「いや、何でもない。こうやって酢飯をつめるだけだから簡単だぞ。皆もやってみるか?」

「器用っすね!もしかして巻き寿司とかも造れるんスカ?」

「道具が有ればすぐできるぞ。餃子作るのと大して変わらんぞ」

「へ~、そんなもん何ですか」


 料理ってやってみれば簡単なのだ。巻き寿司も餃子もちょっとした練習で簡単に上手くなるし、自分で作れば中身も味付けも自分好みに出来て良い事ばっかりなのだ。ただし上手くなりすぎると外食をしなくなるのでバリエーションや新しい発見が減るのが難点だな。


「さあ食べるぞ!頂きます」

「わあ~、見た目が綺麗ですね。魔王様」

「盛り付けが上手いッス」


 氷水にソーメンを浮かべて、トマトとキュウリのスライスを浮かべているので見た目が鮮やかなのだ。他にも見た目重視でスライスしたカボスのスライス等を浮かべて清涼感を出した盛り付けなんかも有る。昆虫族の2人にはスイカをあげたら喜んでいた。やっぱり食べるのでは無く口から刷毛みたいな物を出して吸っていた様だ。王子は稲荷とソーメンをバクバク食っていたので気が付いていなかった様だが。


「それで魔王様、襲撃予定は何時頃とお考えですか?」

「多分来週だろうな、そろそろあいつ等も痺れを切らしてるはずだな、慣れない外国暮らしはストレスだからな」

「では我々3人はこの後ここで周辺警備で宜しいですかな?」

「ああ、食料とか暇つぶしとか置いとくから頼むよ男爵」

「分かりました、日本語の勉強でもしながら警戒します」

「・・もしかして・・アニメか?」

「はい!心が・・・・・・する奴で勉強いたします」

「・・そうか・・まあ頑張れ」


 これで別荘も安全だ、俺達が帰っても3人がしっかり警備して怪しい物が仕掛けられたりする心配はしなくて済む。さて何時でも来るが良い誘拐犯共。



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