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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第5章 魔王帰還編
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第55話 残業

サキュバスの友達が欲しい!

 サキュバス達は物覚えが良いのでドンドン日本語を覚えて行った、俺と勇者は日本語でサキュバス達と会話するようになって来ていた。知識に偏りが有るのは仕方ない、なにせアニメで学習したからな、でも声優さんの発音は綺麗だから良いと思うんだ。それにサキュバス達はアニメが大好きで他のアニメも見たがっていた。そこでもう一度家に帰ってアニメのDVDや外付けのドライブ、ついでに友達も連れて来る事にする。俺と勇者はアニメの字幕作りと日本語の教科書作りでサキュバス達と話す時間が全然無いのだ。


「という訳で、日本語で会話して欲しいんだ」

「どういう訳か分からんが、時間が変わらないなら行っても良いな。魔族の世界とか見てみたい」


 使えるのもは何でも使う厚かましい俺は友達を連れてくる事にした。世知辛い向こうの世界に居るよりは俺の国に居た方が気分転換になるはずだ。相手が普通の魔族だったら怖いがサキュバスならセクハラさえしなければ安全だ。友達を連れて俺の世界に転移する、何度もやってるので最近は慣れて来たな。


「ここが魔王城、俺の家だな」

「お~、デカいな。大阪城の2倍位の高さか?横幅は4倍位有るな」

「計って無いから分からんが、やたら中に部屋が有るな、掃除が大変らしい」

「エレベーターとか有る?」

「無いな、階段を上がるだけでダルイ、おまけに一番上なんだ」


 城なんかに住むもんじゃない、日本の家は小さいから掃除も楽だし自分の部屋なんか10秒で着く。所がこの魔王城、戦時には全魔族が中に入れる様に作られてるのでやたら広いのだ、全部の部屋を見ようとしたら3日位掛かるのではないかな?2人でブウブウ文句を言いながら一番上の部屋まで何とかたどり着いた。


「ダリイ~」

「疲れた~」

「あんたの城デカすぎだろ」

「だよな~、今の所不便しか感じね~わ」


 やっと着いた魔王の部屋へ案内する、中にはサキュバスが20人程いて日本語の練習やアニメ鑑賞をしてる、美女の大群が部屋に居るのにも慣れたな。元は俺一人の部屋のハズだったが直ぐに彼女達が押しかけて来たんだったな、確か最初は風呂目当て、その後は食事や服や音楽だったかな?今では元の理由も忘れてしまったな、日常的にサキュバス達をかき分けて生活している感じだ。


「みなさ~ん、集まって下さい。大きなお友達を紹介しますよ~」

「「「「は~い!魔王様」」」」

「凄いな、女子高か女子大って感じだな」

「どちらかと言うとタレントの養成所って感じかな?皆美人だしな」

「おお!それだ!」


 俺の連れて来た友達を紹介してサキュバス達に仲良くしてもらう事にする。多分大丈夫だと思うがつまみ食いを禁止しておく、でないと俺の友達が死んでしまうから。


「じゃあ日本語の会話たのむわ、挨拶とかの仕方と発音、あとサキュバス達には気をつけてくれ、触るぐらいなら平気だが、やっちまうと命の保証は出来ないからな」

「お・・おう」


 さて今度はアニメの翻訳作業だ、勇者の所に行って手伝う事にする。なんだか忙しい、向こうの世界の方がノンビリしていた様な気がするな。


「どうだ勇者?はかどってるか?」

「何とか1期の分は終わったッス。後はどうするっすか?」

「当然2期の翻訳だ、2期も面白かったからな」

「うひ~、完全に趣味の世界っすね」

「まあ、そう言うなよ。サキュバス達に日本語を早く覚えてもらうためだ」

「サキュバスの為なら頑張るッス!たとえこの身が砕け散ろうとも!」

「無駄にカッコイイ台詞だな」


 勇者はパソコンの前で作業をしている、俺は画面を一々止めて紙に台詞を書いている。物凄く地味で退屈な作業だ。友達の方は元気に挨拶などをして、笑い声なんかして楽しそうだ。だがブラック企業で鍛えた俺と勇者は平気だった。


「ダリイっすね」

「ああ、だるい。何でお前頑張ってるんだ?」

「あっちの世界でサキュバスちゃんとデートする為っす」

「おお、向こうでは物凄く目立ったぞ。最低サングラスは必要みたいだな、後は体型が目立たない服装にしてないと目立ち過ぎて気持ち悪いぞ」

「ふふふ、向こうの知り合いにデートをして見せつけてやるッス。その為なら飲まず食わずでも頑張るッスよ」

「いや、ちゃんと食えよ。」


 なんか歪んでる勇者だった、あっちの世界で嫌な目ばかりあったのか?自慢しても意味無いのだがな~どうせ嫉妬されてメンドクサイだけだけど。まあ俺みたいに他人に興味が無い人間には分からない感覚だな。嫌いな人間の事で腹を立てるだけ時間の無駄だな、それより面白い事でもしていた方が有意義だ。嫌いな奴は無視が一番だな。いやまてよ・・・確か昔粘着してきた馬鹿が居たような・・・あの時は確か煩いから脅したら直ぐに静かになったな。無視が聞かない阿呆には分かりやすく自分の身の危険を教えてあげる事も必要だな、俺は親切だからな。


「サキュバスとデートするのか?」

「したいッスね。俺の夢っす」

「それじゃ向こうで稼がないといけないよな」

「どうすれば良いんすかね?俺はバイトしかした事無いから金稼ぐ方法とか知らないッスよ」

「まあ任せとけよ、色々準備が必要だから時間が掛かるんだ、その為に俺の友達も巻き込んだんだ」


 セコセコと勇者と作業をして、その後は風呂と晩飯だ。リクエストが鍋だったのでみそ味、塩味、白だし味、水炊きと4種類作って皆でワイワイ食べた。なんかのサークルの打ち上げみたいな感じだった。そして友人を元の世界に送って又勇者と徹夜で作業だ。


「うえ~キツイ!目が痛いぞ勇者」

「俺なんか吐きそうッス」

「なんでこんなに頑張ってるんだ?」

「さあ?」


 サキュバス達は睡眠不足は美容に悪いからと言ってもう寝ていた。俺と勇者は美容に興味が無いから限界まで残業だ、しかしこの残業はその内自分たちの利益になるハズだから気合で頑張るのだ。


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