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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第5章 魔王帰還編
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第52話 魔王ガン見される

 美人2人に挟まれて目覚めるのは思ってたのと違って不愉快だった。こいつらと寝ると凄く暑いのだ。綺麗な顔を見ていても仕方無いので2人を起こす事にする。こういう場合の起こし方は1つだ。


「おはようございます魔王様、目覚めの接吻ありがとう御座います」

「なんじゃもう朝か、布団とは快適じゃな。今晩からこれで寝る事にする」

「顔洗え。朝飯作るぞ」


 体を触りまくったり目覚めの接吻にも怒って無い様なのでホッとした。怒られた場合はこちらの決まり事だと言って誤魔化そうとしてたのに残念だ。俺は常に言い訳を用意してる人間なのだ、嘘がばれたら直ぐ謝れば問題ない。


「昨日の買い物は楽しかったですわ」

「今日は儂も買い物するのじゃ」

「まあ良いけどな、そのかわり俺のいう事を聞いてもらうぞ。お前たちは綺麗過ぎて目立つからな」

「良い響きですわ・・・綺麗過ぎる・・・」

「うむ、なかなか良いことを言うではないか、今晩も触らせてやろう」


サキちゃんにベーコンエッグを作ってもらい、腕輪ちゃんには食パンをオーブンで焼いてもらう。兎に角色々やらせて機械になれてもらう。俺はコーヒーの豆を挽いている、安い豆は電動ミルで挽くから楽ちんだ。高級品は熱を持たせない様に手でゆっくり挽くけどな、ぶっちゃけどっちでも余り変わらないが気分の問題だ。


「今日は何をしますか?」

「サキちゃんにこの世界の説明と、後は美味しい店の紹介だな。それにパソコンの使い方を教えるよ」

「儂にも教えてくれ、なかなか面白そうじゃ」

 


 朝飯を食べてパソコンを操作しながら色々教えようと思ってたが彼女は日本語が読めなかった、でも画像自体は面白いらしく色々みて喜んでいた。そう言えば意識してなかったが俺は彼女と魔族語で会話していたのだ、腕輪ちゃんのお陰で何故か最初から話せたのだ。


「腕輪ちゃん、日本語分かるか?」

「読めるが意味は分からんのう。お前さんから知識は分けて貰ったがまだ足らんようじゃ」

「そうか、それじゃあせめて話せる様にしないといけないな、今日から少しずつ教えるよ」

「お願いしますね魔王様」

「任せとけ、サキちゃんは頭が良いから1年くらいで大丈夫だ」


 それから家の中の家電を説明してたらあっという間に昼になった。折角こっちの世界に帰って来たのに家の中ばかりは勿体ない。色々な場所を見せてやりたかった、ここは人口44万ぽっちの田舎だが良い所や美味い物が沢山有るのだ。


「昼は外で食べよう、何が食べたいんだ?」

「車でお出かけですの?ドキドキしますわ」

「儂はそこの紙に書いてある奴が良いな」


 机に挟んであった人外魔境ラーメン選挙1位っていうラーメン屋のチラシを見て、腕輪ちゃんが食べたがったので車で行くことにした。とにかく美人過ぎて目立つのでサングラスを2人に掛けて貰う、あのターミネーターが掛けていたタイプの奴だ。俺はシューティンググラスしか持って無いのだ。結構顔が隠れたがそれでも美人なのが丸わかりだった。そして車で30分程の所にラーメンを食べに行く。


「右側に見えるのが温泉湾、そこの建物が水族館。魚を沢山飼っている施設だ」

「綺麗な海ですわ、船も沢山いますわね」

「魚を飼って何してるのじゃ?養殖か」

「人に見せて金取ってるんだ、結構面白いんだ。後で見てみるか?」

「見る見る!何でも見るぞ」


 気軽に入ったラーメン屋で物凄く目立った、従業員と客にガン見されてラーメンを食った気がしなかった、そして水族館では更に目立った。まあ俺が目立つわけではないが、なんであんな変なオッサンが美人を2人も連れているのかって言う無言の圧力が凄かった。ブラを付けたせいで胸が持ち上がって更に巨乳に見えるせいだ、多分。ブラを付けても揺れるものは揺れるのでしょうがない。それでも俺達が魔族語で会話しているので外国人だと思って誰にも話しかけられなかったのは良かった。でも2人は目立つので結構隠し撮りされてた様だ、きっと今晩当たりネットに乗せられるんだろうな、迷惑な話だ。


「ラーメンも水族館も素晴らしかったです、魔王様」

「うむ、楽しかったぞ魔王」

「しかし凄く目立ったな、お前らあれだけ見られて気にならないのか?」

「慣れてますから」

「お前は蟻に見られて何か思うのか?」

「お前らやっぱ凄い女だな」


 美人を連れて歩くのがこんなに疲れるとは思わなかった。何でも程ほどが良い様だ、でも凄い優越感に浸れたのは事実だな、この2人に勝てる美人は居ないからな、この世界の全部の男に勝った気分だ、これが魔王の実力なのだ。


「ワハハ~!!!美人を連れて歩くと気分が良いのだ~!!!俺の彼女は世界いち~!!!!」

「魔王様、声が出てますわ」

「良いぞ!もっと儂を誉めろ魔王」

「あ・・・つい本音が・・・」


 2人とのデートに疲れた俺は再び家でのんびりする事にした、この2人には教える事が多いのだ。パソコンにスピーカーを繋いで音楽を聴きながら2人に色んな事を教えて行く、今いる場所や俺達人間の事等色々だ、口で説明するのは難しいが、パソコンで色々な物を見せながら説明しているので結構理解している様だ。パソコンは3台持ってるので他のパソコンでは色々なデータを落としてUSBに貯めこんでおく、魔族の国で音楽を聴いたり料理のレシピを見たりするためだ。ただし文化や芸術は落とすが火薬の製法とか合金の作り方とかあっちの世界に害に成りそうなものは絶対に取り込まない。あっちはあっちで上手くやってるのだから厄介毎を持ち込む気は全くなかった。


「晩飯は何が良い?」

「お肉が食べたいのですが・・」

「おお儂も肉が食いたいのう、魔王、肉食わせてくれ」

「良しそれじゃあ、1ポンドステーキ食いに行こう」


 この2人が居ると時間が経つのが物凄く早かった。くすんだ感じのこの世界が少し明るく見える位だ。外に出るのが面倒だった昔が嘘の様だ、やっぱ男のやる気は女次第だよな~なんて久しぶりに思った魔王だった。

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