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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第4章 武闘大会編
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第45話 大会初日午後

サキュバスに元気づけられた俺は、逃げずに午後からも観覧席で試合を見ていた。昼飯を食べたはずなのに長老と王族がチラチラ俺を見て、料理を催促していた。


「さっきの焼きそばは美味かったのう・・・チラ・・チラ」

「魔王殿の作る串焼きは絶品でしたな・・チラ・・チラ」


 いいかげん頭に来た俺は竜族と人間共を滅ぼしてやろうかな~等と考えていた。こいつら俺を料理人かなんかと間違えてる様だ。俺は魔王だ、この世界の災厄その物なのだ。竜族と人間を滅ぼしてやったらこいつらどんな顔をするのだろうな?色々考えていたら思わず笑っていた様だ。


「魔王よ凄い悪そうな顔しておるぞ」

「魔王殿、その顔は怖いからやめて下され」

「おお、すまん。面白い事を考えると顔に出るんだ」


 いい加減うっとおしくて試合を見れないので、ポップコーンとコーラのペットボトルを出してやった。コーラなら腹が膨れるから少しは静かになるだろう。


 試合の方は物凄い過激な試合ばかりだった、本物の武器は危険なので木製の武器に変えていたのだが、腕のいい兵士や冒険者にかかれば破壊力が有り過ぎる様だ。骨折は当たり前、頭には防具を付けているが一撃で気絶する者も多数出ていた。人間同士の試合はまだ実力差がそれほどないから良いが、獣人達が出て来ると人間が文字通り吹き飛ぶので見ていて気の毒な感じだった。人間が獣人やドワーフと戦うには、盾かフルアーマーを装備しないと無理な様だった。


「思ったより、戦闘力に差が有るな」

「当たり前じゃ、獣人やドワーフは人間よりも遥かに力が強いからのう」

「「ぬ~!!!」」


 自分の所の兵士や冒険者があっけなくやられて人間の王達は顔を真っ赤にして悔しがっていた。獣人の王はポップコーンを食いながら余裕の観戦だ。


「獣人が負ける訳ないだろ、俺達は頭は悪いが戦闘力だけは有るからな!ガッハッハ~!!」

「なんの、戦闘力なら我ら魔導士も中々のものですぞ!」


 どんどん獣人が勝ちあがって行くのに気を良くした獣人の王が笑っていると、魔導士の長も対抗して色々言っていた。実際、魔導士の選手は数が少ないが多くの者が勝ちあがって来ている。まあ当たり前だな、魔法を使われたら人間は全く相手にならないし。獣人でも素早くないと魔法が当たって燃やされたり、凍らされたりしている。例えば魔導士と人間が戦うとこんな感じだ。


「試合、開始!」

「うお~!!!」

「ファイアーボール!」

「うわ!」


 試合開始と同時に、人間が距離をつめて行くと魔導士が魔法を撃ってくる。それを上手く躱して魔導士に自分の攻撃が届く範囲に近づければ人間にも勝ち目が有るが、距離を取られると魔導士が一方的に攻撃をして終わるのだ。更に接近戦も出来る魔導士になると人間に勝ち目は全くなかった。


「魔導士や獣人がこんなに強いとは・・・・」

「我々人間は数の多さだけが取り柄だったのか・・・」


 自信満々だった人間の王達がしょんぼりしていた、試合が進むたびに人間の参加者が減っていくのだから当然だが、もっとやれると思ってた様だ。まあ実際問題、人間の強みは頭を使う事に有るのだが技術レベルが低すぎて対抗出来ないのだからしょうがない。そして魔導士と獣人が戦うと、獣人の素早さと耐久力の高さから良い勝負になるのだ。そしてドワーフ族の戦い方は丈夫な盾で獣人や魔導士の攻撃を受けて、じりじりと近づいてハンマーか斧でぶちのめす戦い方だった。ドワーフは背こそ低いが力が強く、もの凄くタフなので獣人と互角に殴り合う程のファイターだった。実戦ではドワーフは質の良い武器を沢山持っているので実質的には獣人より強かった。


「あ~!また負けた」

「我ら人族全滅か・・・・・」

「ハハハ~、人間は弱いのう」

「え~、我ら魔導士も一応人間なのじゃがな」


 結局最終戦まで勝ち残った選手達は6人、獣人3人、魔導士2人、ドワーフが1人だった。個人戦では人間の出番は無いようだ。明日は国対抗チーム戦も用意しているので、少しは善戦するはずだ。人間のチームが一番連携が上手いはずだからな。


「さて魔王城に帰って飯だ、飯!」

「お~!楽しみじゃのう」


 王族は俺の城に泊めるので晩飯も一緒だ、何故か古龍の長老もついて来たが、追い返すのも可哀そうだからまあ良いだろう。晩飯はちまちま作るのが面倒なのでバーベキューにした。食いたいものを自分で焼いて食わせる事にする。俺は料理するのに飽きたのだ。そして給仕には俺のサキュバス部隊を総動員だ、今回の為にチャイナドレスを全員に装備させている。目が痛くなる様な原色の服だがサキュバス達が着ると物凄く似合っている。横のスリットから覗く太ももが特に良い。この世界初のチャイナドレスにサキュバス達もノリノリで王達を接待している。


「どひ~!サキュバス達のチャイナドレスって凄いッスね!」

「おう、分かるかサトウ!」

「分かりますって!魅力が倍増ッスよ。スタイルが良いほどエロく見えるッス」

「フフフ、沢山デジカメで撮っておくのだ。これは売れるぞ」


人間の王族はチャイナドレスのサキュバスにメロメロだ、完全に骨抜きにされていた。獣人は焼き肉と日本酒で大騒ぎしていた。ドワーフのミーシャは焼き肉とウオッカを抱え込んでガブガブ飲んでいた。魔導士の長老は俺と一緒に海老や魚を焼いたのを魚にビールを飲んでご満悦だ。


「魔王様、この服気に入りましたわ」

「そうか、一段と魅力的だぞサキちゃん」

「肌の露出が少ない方がエロいとは、初めて知りました」

「それはな、チラリズムと言う高等テクニックなのだよ」

「チラリズム?ですか」

「少しだけ見せて、相手に想像させるのだ。妄想と言っても良いな。少ししか見せない事によって、相手が勝手に良い物として認識するのだよサキちゃん」

「お~!パンチラの事っすね!魔王様」

「黙れサトウ!今良い所だったのに」


 その後俺の風呂に王族達を入れてサキュバスに世話をさせたら、見事に王族は俺と友好関係を結びたいと言い出した。旨い食い物と良い女、そして絶対的な戦力。人間がどんなに頑張っても俺には勝てないと理解した様だった。その後、今日の売上金がどんどん俺の所に運ばれてきた、宿泊費や大会参加料、屋台や大会グッズの売り上げ等だ。これでやっと魔王の宝物庫に中身が入る事になった。宝物庫の入り口にケロべロスを置いて番をしてもらう事にした、もともと番犬なのでケロちゃんも張り切っていた。頭が3個も有るので交代で寝て24時間監視出来るのだそうだ。

 さて明日で終わりだな、この分だとイメージアップも問題ないし、俺の小遣いも増えそうだ。それに長老にただ飯分の代金として魔力を分けて貰ったので腕輪ちゃんも幼女から女子大生までパワーアップしている。この大会は今の所大成功だ。

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