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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第3章 魔王暗躍編
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第31話 魔王特性激辛カレー

 「はいそれでは、第5回幹部会議を行います。」

 「魔王様いつの間に5回もしたんですか?」

 「してません、本当は2回目ですが幹部が頑張ってる感じを出すために多めに言いました。」

 「・・・それって詐欺・・・」

 「違います!演出です!私のいた世界のマスコミでは普通の事です。」


 あれから3日たったので幹部会議を始めた、独断専行は上手く行けばよいが失敗すると一人に批判が集まるので会議をする。失敗した場合は幹部連中に罪を擦り付けるのだ。そして上手く行けば、会議を仕切っている俺の手柄になるのだ。これが大人の知恵ってやつだ悪魔諸君。


 「それでは順番に魔族の国の改善点を述べて下さい。改善点が無い人には罰ゲームが有ります。」


 「4天王筆頭オルフェイスです、私は魔族の国にも人間の国の様なイベントをする事を提案いたします。庶民のストレス解消に良いと思います。」

 「素晴らしい意見です、採用です。イベントの種類は後で考えましょう。」


 「え~、4天王次席のバルトです、庶民は美味しい食べ物を欲しがってます。魔王様が開発した料理を食わせれば満足すると思います。」

 「駄目駄目な意見です、ただで食べ物を与えると怠け者が出来上がってしまいます。何かの褒美か商売でする必要が有ると思います、次!」


 「あ!4天王のオルカです。・・・うまい酒を造って売れば良いと思います。」

 「バルトよりましになりましたね、新しい商品を開発して商売するのは良い意見です。採用です、後から内容を話しましょう。ハイ次!」


 「4天王のシルフィーネです、・・・何も思い浮かびませんでした。」

 「ぶ~!!駄目駄目です。シルフィーネとバルトは罰ゲームです。」


 良い意見を聞けた俺は上機嫌で激辛カレーを用意する、辛さを引き立たせるために水も用意した。更にアツアツのご飯も用意して熱でも辛さを強調する。


 「どうぞお二方、魔王特性カレーです、冷めないうちに食べて下さい。」

 「あれ?何だか美味しそう。」

 「おや?良い匂いがしますね魔王様。」


 「・・・・げへえ~!!!!」

 「あら美味しい、スパイシーですわ。」


 バルトは辛いのが苦手なのか泣きながら水を飲んでいる、そして益々苦しんでいた。シルフィーネは激辛が効いていない様だ、お前インド人だったんか。


 「魔王様。お代わりください。美味しいですわ。」

 「余り食べない方が良いと思うぞ、後から大変だぞ。」

 「大丈夫ですわ、私毒耐性Aですから。」


 結局おれの造った激辛カレーはシルフィーネに全部食われてしまった。これでは罰ゲームにならないので次はワサビ山盛りの寿司にする事にする。辛みの成分が違うのでシルフィーネに通用するかも。それでも駄目なら辛子大盛オデンだ。


 次の日から俺は物凄く頑張った、朝早くからスラムに行く。ここには浮浪児や体の欠損等で満足に働けない魔族や獣人が住んでるらしい。俺はそこに行きまず炊き出しを行った。食い物でスラムの住人を集めた訳だ。

 「お前ら良く聞け、俺は魔王だ。今度仕事を持ってくるから真面目に働け。」

 「無理だよ魔王様、俺達子供だから力が無いんだ。」

 「魔王様、私たちは腕や足が不自由で働けないんです。」

 「大丈夫だ、力が無くても出来る仕事を持ってくる。自分の出来る範囲の事をやればいい。」


 俺は彼らに魔族の街のゴミ拾いを仕事として与えた。代償は食事だ。パンとスープを朝と晩に人数分用意する。勿論調理はスラムの住人の仕事だ、最低限の栄養だが生きるには十分なだけ用意した。毎日100人位が魔族の街の清掃をするようになったので街はみるみるうちに綺麗に成って来た。掛かった費用は100人分の食費だけなので安い物だ。そして次に魔導士の街から土魔導士を連れて来て、公衆便所と公園を各地に造りまくった。これで街は糞尿の匂いのしない、とても綺麗な街に生まれ変わったのだ。糞尿の処理はスラムの住人に頼んだ。その代りに住人達には新しい家を造ってやった。つまりスラム街は無くなり綺麗な住宅が建ったわけだ。


 「どうだアル。臭くなくなっただろ?」

 「綺麗な街になりましたね。魔王様。」

 「スラムの住人による犯罪も減ったそうですわよ魔王様。」

 「そうだろうな、飯が普通に食えるのに犯罪する奴はあまり居ないな、異常者はやるがな。」


 これで俺の街は人間達の街より清潔な街になった。魔族の中には植物系の者も居るので街のあちこちに良い匂いのする花を沢山育ててもらったら更に華やかな良い匂いのする街になった。よしよし俺様の街は綺麗で良い匂いがしなくてはな、世界一の街を目指すのだ。

 この街は最近遊びに来るようななったドワーフや魔導士、獣人達にも好評でそれぞれの街が真似をするようになってきていた。


 「さてオルフェイス、イベントはどうする?」

 「中々良い考えが思い浮かびません魔王様。どうせなら皆が楽しめて儲かれば良いのですが・・」

 「ふふふ、有るぞ良い考えが。」

 「そんな都合の良い話があるのですか?」

 「有るんだな~それが。」


 国が主体として国民向けに行うイベントは昔からあるのだ、国民の楽しみと財政を両立させる簡単な方法だ。コロシアムで闘技大会とか国営のカジノ、地方がやってる競輪、競馬なんかだな。宝くじなんかもそうだ。ついでに皆から金を集めて年金制度でも作ろうかと思ったが、あれはねずみ講なので止めといた方が良いだろうな。


 「1万人収容の闘技場を造って、闘技大会を行います。優勝者には大金とトロフィーを渡します、この試合を見世物にして見物料を取って儲けます。ついでに食べ物や飲み物も売ります。そして最後に誰が勝つか賭けをします、勿論我々が堂本ですから儲かります。」

 「成程、チビチビ稼ぐわけですね魔王様。」

 「沢山見る人がいれば儲かります。ついでにコロシアム等の建築で魔族や獣人が働けば公共投資となって国民が豊かになります。そして国の資産が増えます。」


 俺はこのコロシアムを魔族の国の外れに造るつもりだった。ドワーフや獣人、魔導士も使って大々的に造る予定だ。なぜなら彼らにも試合に参加して欲しいからだ。彼らが参加すると見に来る観客も増えて俺の収益が上がるはずなのだ。ついでに宿屋も造って儲けるのも良いかもしれない。


 「フハハハハハ~、オルフェイスよ大々的に宣伝するのだ。娯楽に飢えた大衆共は喜ぶに違いない!」

 「仰せのままに魔王様。」


 俺がこちらに来て3か月、たった3か月だが魔族の街は大きく変わって来ていた。そして更に巨大コロシアムと併設した宿泊施設というこの世界には存在しないものまで登場する事になる。

 


 

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