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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第2章 魔王逃げ場をつくる
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第24話 魔導士の街


 今日もサキュバス達をかき分けて台所に行き朝飯を作る。最初は美人のお姉さんがパンツ一枚でウロウロしているのをガン見していた俺だが、流石に飽きた。今では何も思わなくなってしまった。まあカッコ良く言うと花鳥風月を見るが如しって奴だな。


 「魔王様、今日の朝ご飯は何ですか?」


 「卵焼きと豆腐の味噌汁、それと海苔だな。」


 サキュバス達は料理好きなので、俺が料理をしていると寄って来て色々聞いて真似してつくるのだ。今日は卵焼きに興味を持った様だ、早速卵を溶いている。


 「魔王様、美味く巻けません!」


 「良いんだよ。最後に形を整えれば良いだけだからな。」


 甘い卵焼きや、塩辛い卵焼き等を焼いて見せてやるとサキュバス達も真似して作っていた。フライパンを振ると胸が揺れて良い感じだ。やはり動くと良いもんだな。花鳥風月から俗世に帰った俺は少し楽しく成って来ていた。


 「魔王様、今日は魔導士の街に行くんですよね?」


 「そうだ、一週間で出来た街って何だか凄くないか?土魔法で造ったらしいぞ。」


 俺の作った甘い卵焼きがどんどんサキュバス達に取られて行く、仕方無いので海苔と味噌汁で朝飯だ。最近サキュバス達が厚かましく成って来た気がする。最初は魔王だから怖がられていたんだがな~、毎日一緒に風呂入ったり飯作ったりしてたから仕方ない。同棲してる様な物だからな。そうするとこいつらは俺の彼女なのか?違うな全然手を出してないので妹みたいなものだな、血の繋がっていない妹だ。だけど卵焼きをつままれて悔しかったので、サキュバスの違う所をつまんでやったら可愛い声を出していた。俺はやられたらやり返す男なのだ。


 「ケロちゃんの用意をしておいてくれ。直ぐに出る。」


 「ケロちゃんってケルベロスの事ですよね?」


 「そうだ、ケルベロスのケロちゃんだ。」


 「魔王様って名前覚えませんよね。私の名前は覚えてますか?」


 「覚えているぞ、チーヤだろ。俺は綺麗な女の名前は覚えるのだ。後は知らんな。」


 そうだ俺は他人に興味が無いので、名前を覚えない。芸能人なんて名前も顔も全然知らん。興味が無いのだ、そう言えばTVとか小学校の時から見て無いな。それで困った事は一度もない。震災の時には久しぶりに見てみたが、専門家と言う馬鹿な奴が出鱈目を言っていたのを見て又見ない様になったな。コメンテーターとか言う低能が馬鹿な事を言うのも昔から全然変わって無かったな。


 「今回は誰を連れて行くのですか?」


 「何時ものメンバーで行く。上手く話がまとまれば屋台で働いてくれるサキュバス達を次に連れて行くつもりだ。」


 「温泉付きの屋台だったら、皆行くと思いますよ。」


 「温泉は無理だけど、風呂付の店舗位ならどうにかなるかも知れん。勿論石鹸にシャンプー・トイレットペーパー付きだ。」


 「魔王様頑張って下さい。私たちの別荘を増やしましょう。今度は森林浴の別荘ですね。」


 サキュバスは俺の隠れ家を別荘と思ってる様だ。確かにドワーフの温泉に造ったのはペンションみたいなものだし、今度は森の中にある街だから自宅兼店舗の別荘かもしれない。

 ケロべロスに馬車で何時もの様に魔導士達の街に行く。ここも国境に近い場所なのでケルベロスの足で3時間ぐらいだ。人間の馬車なら2~3日位かな。ケルベロスの力と魔王専用の浮く馬車の実力は凄いと思う。


 「こんちわ、魔導士の長。遊びに来たよ。」


 「おお、魔王様いらっしゃいませ。歓迎いたしますぞ。」


 かなり大きな街が出来ていた。石造りの2~3階建ての建物が沢山建っている、道も石畳の幅10メートル程の立派なものだ。


 「立派な街だな、魔法って凄いな。」


 「ありがとうございます、土魔導士達が頑張りましたからな。」


 お土産の干した魚をあげたら喜んでいた、このあたりでは海の魚は手に入りにくいのだ。そしてこの街の事を色々聞いてみた、現在この街には獣人国に住んでいた魔導士と魔女の半分が住んでいるそうだ、大体の数は1万人。全員が魔法を使える訳でもないらしい、魔導士と魔女の子供でも魔法が使える人間は少なく1万人の内魔法が使える人間は千人位なのだという。魔法が使えない人間は普通に働いてる様だ。


 「魔王様、これが魔力回復の薬でございます。どうぞお納め下さい。」


 「ありがとう、魔女の長さん。これ代金の胡椒だよ。」


 魔力回復の薬など、薬品関係は魔女の管轄らしい、いろんな物を混ぜ合わせて色々な薬を作るのだそうだ。病気や怪我に効く薬も色々あるそうだ。これを獣人や人間に売って魔女は生活しているらしい。かなり高価な物だが人間達は買いに来るのだそうだ。


 「へ~人間達が買いに来るのか?」


 「普通の人間はこの街には入れません。昔から付き合いの有る商人だけです。」


 「売りに行ったりしないのか?」


 「売りに行くと襲われますから行きません。」


 魔女や魔導士の作る薬は高価なので、人間の街に行くと襲われるのだそうだ。そして襲われていても誰も助けないし役人も知らん顔をするのだそうだ。酷い時は魔女を浚って薬を作らせる貴族などもいるらしい。だから彼らは自分から人間の街には行かないし、わざと高くして薬を売りつけてるのだそうだ。


 「そりゃ人間嫌う訳だ。奴隷にされたり襲い掛かって来る奴らを好きにはなれんな。」


 「魔族や獣人は我々を襲いませんから安心です。」


 「魔族は魔法使うし、病気しないもんな。」


 それから俺は魔族の長に掛け合って店を1軒作ってもらう事にした。1階が店舗で2階が住居のこじんまりした建物だ。代金を宝石や胡椒で払おうとしたら、お好み焼きを安く提供してくれれば代金は要らないと言われたのでお好み焼き1枚を500ゴールドで売ることに成った。スパイスの効いたソースと胡椒が使われているので2000ゴールド位が適正な値段だって言っていた。


 「それじゃ、魔導士の長さん帰るよ。」


 「またいらして下さい。2~3日で店舗は出来ますぞ。」


 「それじゃあ3日したらまた来るよ、今度は道具を持って来てお好み焼き作るよ。」


 「皆に宣伝しておきます。」


 帰ろうとしていたらケルベロスの前に立ちふさがっている女がいた。サキュバスかと思ったら少し違う様だ。凄くスタイルが良い派手な女だ。


 「お待ちください魔王様。」


 「あんた誰?」


 「私、氷の魔女・トランザムでございます。」


 「なんか用?」


 「私は色々役に立ちますよ魔王様。私を雇いませんか?」


 「いいよ、一緒に来いよ。」


 「駄目です魔王様、コヤツは信用出来ません。魔王様の愛人を狙っているのですわ!」


 「そうなの?」


 「愛人でも何でもなりますわ、私は違う世界が見たいのです。」


 「氷の魔女だから、氷が作れるんだよね。それなら仕事が有るんだ。」


 サキュバスのサキちゃんとアルが反対していたが俺はこの魔女を雇う事にした。氷に用が有るのだ、役に立たなくても一応魔力位は有るだろうから、夜魔力を吸い取ると良いだろう。

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