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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第2章 魔王逃げ場をつくる
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第23話 パンツとドングリお好み焼き


 俺はこの世界が嫌いだった、何故嫌いかと言うと命の危険があるからだ。たまたま運が悪くて死ぬのは俺の世界でも有ったから仕方ないが、魔王と言うだけで殺されてはたまらない。人間に恨まれているから、人間の国に行けば殺されるだろうし、魔族の国に居れば安全って訳でもない。必ず地位に憧れる馬鹿が居るからだ、特に馬鹿程上に行きたがるのは世の中の決まり事みたいなものだ様式美かも知れない。頭の良い人間は目立たない様に力をセーブして働くが、馬鹿は全力で馬鹿な事をするのだ。


 「魔王様、今度は何をしてるのですか?」


 「金を稼ぐ方法を考えているんだ。」


 「魔王様が働くのですか?」


 「働いても良いが、俺がやるとオルフェイスが煩そうだ。」


 魔王って誰も給料くれないから自分で稼ぐしかないのだ。オルフェイスは部下だから給料くれとも言えないし、サキュバス達にお金を貰うのは何か違う感じがしていた。そこで俺は自力で日銭を稼ぐことにしたのだ。西の国から賠償金が入ったが、小心者の俺は独り占めとか出来ないので全部4天王達にやったのだ。


 「これってお好み焼きですよね?」


 「そうだ、これを屋台で売って金を稼ぐのだ。まず魔族の国に一つ、ドワーフの国に一つ出す。獣人を雇ってやる予定だ。」


 「私がやりましょうか?お好み焼きなら作り方が分かりますし。」


 「え、良いの?サキュバスが売り子してくれれば売り上げ倍増だな。沢山売れたらいっぱい給料払うよ。」


 「給料は要りませんから、私に特別に取り寄せをお願いしたいんですけど。」


 「軽い物なら良いけど、重い物は無理だぞ。」


 「私・・パンツが欲しいです。」


 「それくらいなら良いぞ。」


 パンツなら軽いから大丈夫だと思う、試しに魔力を吸い取って取り寄せてみたら一人分の魔力でパンツが3枚取り寄せられた。


 「3枚行けたぞ、これで良いのか?」


 「ありがとうございます、早速履いてみますね。」


 俺の目の前でサキュバスがパンツを次々と履き替えて見せていた、何時もは何も履いてないのだが、履いてる方が何故かエロかった。


 「どうですか?魔王様?」


 「ちょっと小さい様な気がするな。次はもう少し大きいサイズにしよう。」


 最近毎日サキュバス達の裸を見ているせいか感動が薄く成ってしまった。昔なら美女のパンツを見たら多分嬉しかった様な気がするが今は見ても余り嬉しくない。そりゃそうだ、ただの布だからな。だが彼女達にはただの布では無かった様だ。それから毎日サキュバス達にパンツ出して・パンツ出してと言われてうんざりしてしまった。昔は好きだったパンツが嫌いになった瞬間だった。でもまあパンツのお陰でサキュバス達が屋台をしてくれるようになったのは良かった。


 「魔王様、魔導士が来てますがいかがいたしますか?」


 「会おう、俺の部屋に通してくれ。」


 「魔王様、何だか顔色が悪いようですが大丈夫ですか?」


 「ふ、色々あってな・・」


 部屋で待っていたら魔導士と魔女の2人連れが入って来た、両方ともフードを被っていて不気味な雰囲気だ見るからに悪人って感じだな。せめて見た目だけでも普通にして愛想良くすれば良いと思うのだが、この人達はそうは思わない様だな。


 「お会い頂きありがとう御座います。」


 「どうした?何か問題でも起きたか?」


 「いえいえ、街が完成いたしましたので報告に来ただけで御座います。」


 「あれから1週間しかたってないが、もう出来たのか凄いな。」


 「土魔導士が大勢いますから、石の加工や建築等は我々の得意といたす所で御座います。」


 「へえ~、今度遊びに行って良いか?」


 「何時でもどうぞ魔王様、魔王様の街みたいな物で御座います。」


 魔導士の長や魔女の長と色々話してみた。色々な魔法が使えるので非常に生活に役に立つらしい。病気や怪我も軽いものなら魔女が治せるそうだ、そして彼らが作る魔道具は人間や獣人に高く売れるのだそうだ。


 「へ~、魔道具か凄いな。」


 「ここに持って来ております、お礼の品で御座います。通信玉でございます。」


 「通信玉?」


 「魔力を流すと、この2つの玉で話が出来ます。我ら魔導士にしか作れない魔道具です。」


 「おお便利良いな、有難う。所で魔力が回復する薬みたいなものは作って無いかな?」


 「ありますぞ、ただし不味い上に大して回復しないので殆ど売れませんが。」


 「今度街に行った時に買うから、少し用意しておいてくれ。」


 魔法で作った街には興味が有った。僅か1週間で森を切り開き街を作るのは凄い技術と力だ。俺が居た世界でも無理かも知れない。魔法の力がそんなに凄いなら仲良くしておいた方が良いに決まってる。それに魔力回復の薬を使えば腕輪ちゃんが色々出来そうだ。


 「あっ、そうだ丁度いい。これを食べてみてくれないか?」


 「何ですかなこれは?いい香りがしますな。」


 「魔王特製、どんぐりお好み焼きだ。今度屋台で売ろうと思ってるんだ。感想を聞かせて欲しい。」


 「魔王様が作ったのですか・・良いのでしょうかそんな貴重な物を食しても。」


 サキュバスや牛人のアルには好評だった、俺もまあまあの味だと思う。この世界のキャベツの様なモノとか豚肉みたいなモノを小麦粉とドングリの粉で溶いて焼いているだけだから、ハッキリ言えば大したことは無い味だ。ただし、最後にお好み焼きのソースをかけているので味は強烈に濃いのだ。塩味やお湯で茹でただけの物しか食ってないこっちの人達にはインパクトが有るはずだ。


 「うまい!」


 「辛い!でも美味しい。」


 どうやら魔導士や魔女にも好評の様だ。魔導士の街でも売って欲しいそうだ。スパイスが好きなのだそうだ、試しに胡椒を見せたら欲しがっていたので魔力回復薬と交換する事にした。どうやら魔導士や魔女とも上手くやれそうだ。俺の居場所がまた出来るかも知れないな。


 



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