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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第8章 魔王内政編
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第129話 嫁の領地

「うっす!魔王さんお久しぶりです」


「久しぶり、これお土産!インスタントラーメン」


 久しぶりに会った勇者に5袋入インスタントラーメンを渡すと感動して涙を流していた。どんだけ食いたかったんだよお前って話だな。

 港では俺達を歓迎する大勢の人たちに混じって皇帝まで来ていた。よく見ると高位の貴族たちも大勢来ている様だ、よく覚えてないから知らんけど。


「良くぞ参られた賢者殿!歓迎いたしますぞ!」


 皇帝が満面の笑みで俺の所に歩いて来ている。なんだ此奴暇なのか?それとも救国の英雄と仲が良いところを皆に見せたいのかな?まあ多分両方なんだろうな。勇者夫婦は苦笑いしていた。


 一応相手はこの大陸の皇帝なので臣下の礼を取って跪く位はしようかと思ったけど辞めた、前回散々脅して国に帰った事を思い出したのだ。だからフレンドリーな感じで挨拶する事にした。


「やあ皇帝様お久しぶりです、わざわざのお出迎えありがとうございます」


「なんのなんの。国の英雄の帰還なのだ出迎え位何の事はないぞ。それに新しい船というのも見たかったからな」


 その後俺は皇帝や貴族たちに囲まれて新型船について色々聞かれた。そして俺が新型船の性能について話すと皇帝や貴族達は全員欲しがった。


「流石は賢者殿!船も素晴らしい物を造れるのですね。感動しました」

「是非我が国にも売って頂きたい!」


 流石は賢者のネームバリュー、誰も俺の事を疑わない。幾ら賢者と言っても新型船を持ってきて怪しげな人間50人を連れているのに皇帝も貴族達も警戒しないのだ、大丈夫なんだろうかこの帝国は?

 まあいい機会なのでマーガレットを通して船を売ることにした、マーガレットの領地は広くて田舎なので木が山ほど有るのだ、むしろ森ばかりで木を切らないと畑も出来ないから丁度良い。


「では皇帝様、俺達はマーガレットとトランザムの領地の開拓に参ります」


「手助けが欲しい時は言ってくれ、幾らでも人手は出す」

「我々も手助けいたしますぞ!」


 何故か皇帝や上位の貴族達から歓迎された。俺は隣の大陸で魔王をやってる侵略者なのだが良いのだろうか? この大陸の人間は人が良すぎる様な気がして心配になってきた。俺が大陸を統一して収めたほうがもしかして良い国になるかも・・・・・・いやいや面倒だ魔族の面倒を見るだけでも大変なのにこの大陸の世話とかしてたら俺は過労死してしまう、小遣いだって殆ど無いのにこの国の開発なんて無理に決まってるからな。


「ありがとうございます。その内に頼むかもしれません、その時は宜しくお願いします」


「何時でも言ってくれ!幾らでも手を貸すからな!何せそなたは救国の英雄だからな!」


 何だか俺も良心が痛むような気がしてきた、古龍を使ったマッチポンプで英雄に成った上に帝国の領地をかなり分捕ってやったのに皇帝が良い人過ぎる。このままだと居づらいのでそそくさと部下を引き連れてマーガレットの領地に行くことにする。


「魔王さん!これ美味いッス!」


「行儀が悪い奴だな、移動中にラーメンとか食うなよ」


 馬車10台でマーガレットの領地に移動しているのだが、腹が減ったのか馬車の中で器用にインスタントラーメンを造って勇者が食っていた。魔法でお湯を沸かして造った様だ。


「ほらよ!これ入れると旨いぞ」


 俺はポテチを勇者に少しやった。とんこつラーメンにポテチを入れてふやかして食べると美味いのだ。


「おほ~!ジャンクフードにポテチのコンボっすか、体に悪そうで素敵ッス!」


 勇者があまりにも美味そうにインスタントラーメンを食べるので、その日の夕食はインスタントラーメンになってしまった。まあ、醤油味や塩、醤油、味噌味など色々な種類を出したので皆満足していたから良い事にしよう。何故か俺達に付いて来た皇帝など3杯もおかわりしていた。

 途中でトランザムの領地に魔道士達を降ろした。彼らは土魔法と水魔法のエキスパートなのでトランザムの領地は1年もしたら物凄い農場を持つ領地になるはずだ、それに土魔法の使い手がじゃんじゃん建物を作って街を造るだろう。そして街が出来たらマーガレットの領地まで石畳の道を造る予定だ、つまり俺の大陸と変わらない町並みが出来るはずだ、そしてトランザムとマーガレットの領地はこの帝国の他の領地を100年ほど引き離す高度な街の出来上がりって訳だ。豊かで税金が安い領地には他の領地から移民が大量に入って来るだろう、そして治安が悪くなるのだ。だが俺はそんな事は認めない、真面目に暮らしている人間は手厚く保護するが犯罪者は必要ない、犯罪者は魔族と魔道士の治安部隊が直ぐに排除する予定だ。


「ま・・・いや・・・賢者、これからどうするのだ?」


「これから? お前の領地を帝国一の領地にしてやるよ。豊かで治安の良い領地にな!」


 俺は第1婦人のマーガレットににっこり笑って言ってやった。


「ふふ、一年前は貧乏で潰れかけていたのにな・・・不思議なものだな」


「まあ世の中そんなもんだ」


 嫁を貰わない独身主事者だったはずなのに6人の嫁がいたり、人間なのに魔王だったり、勇者の友達がいたり本当に世の中って分からないものだ。王様なのに金が無いのがチョット不満だが、金なんてものはチョット足りないくらいの方が面白いのでまあ良いだろう、思い通りって面白くないからな。


 こうして5年程でマーガレットとトランザムの領地は帝国で最強で最も豊かな領地として帝国の民に知られる事となる。そして新型船や飛行船、自転車等を売って大儲けして大陸の発展に大きく寄与した。


 戦争は得意だが面倒な事が嫌いで物作りが好きな魔王がやって来た事によって、2つの帝国は発展していった。そして魔王の非情さが犯罪者や汚職を一掃し、平和な時代になったのは皮肉なのか必然なのかは後生の人間にしか分からない事だった。



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