第125話 魔族イケイケ計画
今日も俺は絶好調だ!何故なら嫁やサキュバスが甘やかしてくれるからだ。俺は甘やかされるとやる気を出すのだ、見ていて恥ずかしい程ノリノリになるのだ。
「むむ・・・これは!魔眼発動!」*注 魔王に魔眼は有りません。
「間違いない。サキュバス達の上着のファスナーの位置が・・・・」
俺はサキュバス達の上着のファスナーの位置が昨日より20センチ下がっている事に気がついた。なにせ毎日俺はサキュバス達をガン見しているのだ。肌色がふえると直ぐに気がつくのだ。そしてこれはサキュバス達が俺を励ますためにやっているのだ、間違いない!な~に間違っていたら謝れば良いだけだ。
「おはようサキュバス達!いい朝だな。ワ~ハッハッハ~」
「「「「「「おはようございます。魔王様」」」」」
俺に対して一斉に頭を下げるとファスナー効果で肌色成分がたくさん見えるのだ。こういう場合は巨乳の子ほど中が見えないのだな、貧乳程中が見やすいという・・・・・いや何言ってるんだ俺は、自分が紳士なのを忘れる所だったぜ。
しかしあれだな、多分昨日カッコイイ所を見せたからサキュバス達が俺に惚れ直したのだな。きっとそうだ!もっといい所を見せてやるぞ!俺の力はまだこんなものじゃ無いのだ!やれるはずだ俺なら!頑張れば明日はもっとファスナーの位置が下がって肌色成分が増えるはずだ。
「今日も頑張るぞ~!!!!」
「本当に魔王って操縦しやすいんだな」
「ふふ、気がつきましたかマーガレット」
「ああ、目の前で見せられると流石に私でも気がつくぞ」
「それだけ私たちを愛してくれているからですわよ」
「それもそうだな、嫌いな人間は完全に無視する男だったな、魔王は極端だからな」
サキュバス達と朝食を摂り4天王会議へと向かう。今日は航空産業の基礎を作る大切な日なのだ、航空産業の担当は俺の嫁なので特に頑張ってやるのだ。しかし実際問題としては熱気球の運搬力なんてたかが知れているので儲けは無いだろうと思っている。高い金を払って空を飛びたい奴は少ししか居ないだろうから。
「第8回4天王会議を行います」
「魔王様どうされました?回数が合ってますよ」
「今日は真面目な会議なのです、魔族が儲かる計画ですから真面目にやってます。いい魔王アピールをしている訳では有りません」
「おお素晴らしい、流石は魔王様。全員拍手!」
俺が拗ねると話がヤヤコシクなる事を知っているオルフェイスが他の4天王に拍手をさせて会議を早く進めようとしている。ここら辺がオルフェイスが4天王筆頭をやってる所以なのだ、非常に頭が良く空気を読むのだ。他の4天王は全て脳筋で力こそ全て、喧嘩上等なのだ。
「では現状報告をするぞ。魔族イケイケ作戦は絶賛発動中だ!」
「魔族イケイケ作戦?・・・始めて聞きました」
「当たり前だ今考えついた作戦名だからな!」
「・・・はあ・・・」
「まずバルト将軍用に陸上の輸送を任せる、現在ドワーフの国で自転車や運搬車を大量に制作中だ。これは人間達に大量に売れるはずだ。金が掛からず馬並の速度が出せる優れものだからな」
「私は何をすれば良いのですか?」
「道路を造って管理してくれ、道が凸凹だったら輸送力が落ちるのだ。それと大型の輸送車を任せる、大型の魔族を使った地上輸送だ。」
「分かりました、魔王様」
勿論バルトに分かるわけ無いので後で説明しなくてはならない。バルトにも分かるように計画書を作って持って行ってやるのだ。そして頭の良い魔族の副官を付けて仕事をさせる訳だ。
「次は、海上輸送だ。これはオルカ将軍に任せる。既にドワーフ達は新型輸送船の制作に入っている。隣の大陸に行くのに従来の船は1ヶ月掛かったが新型の船に選る航海時間は1週間以内になる予定だ!」
「凄い速度ですね。4倍の速度ですか」
「いや違う、速度は2倍程度と予測している。航海方法を変更して1日当たりの航続距離を伸ばしているのだ」
今の航海方法は沿岸部分を辿って大陸に向かう方法だ、羅針盤や星を観測して位置を計算する航法がこの世界には無いので取られている方法だ。危険なので夜は錨を降ろして停泊するのだ。だが新型船は方位磁石を使って海を突っ切るから夜でも走る、これで航海時間が半分以下に短縮出来る。速度が2倍、航海時間が2倍なので合わせて短縮出来る航海時間は1/4になるのだ。
実際には時間短縮による食料の減少や新型船の軽量化等でもっと短時間になるだろうと思っていたが。外れるとカッコ悪いので1週間って言ったのだ。俺の本当の予想では5日で着くと思う、単純に1直線に目的地に向かうから距離が近くなるからな。
「輸送中は魔物に襲われない様にしてくれ。ついでに航海するときは海が得意な種族に案内させてやってくれ」
「分かりました魔王様、リバイアサンやサーペントに護衛させましょう。案内は半魚人や人魚にさせましょう」
「よろしく頼む。オルカ将軍」
海上輸送は全然心配していなかった。海の魔物は大体オルカ将軍の子分達だったからだ。船を襲う大型のハグレ魔物等は将軍に始末してもらえば安心だ。護衛にクラーケンやリバイアサンが付いていれば俺の船を襲う魔物は居ない。心配なのは天候だけだな。
「さて最後は熱気球による航空産業だ、シルフィーネ。炎と風が得意な奴は集めたか」
「はい魔王様。炎はサラマンダー、風はエレメンタルを招集いたしております」
「オルフェイス、熱気球の作成はどうだ?」
「アラクネに依る作成が順調です。現在3機出来ております」
「へ~アラクネって凄いんだな。何か褒美をやってくれ」
「はい。アラクネ達も喜ぶでしょう」
アラクネは蜘蛛の体に美女の上半身が乗った魔物だ、彼女達は自分で出した糸で器用に布を編むのだ、そして魔物の出す糸は非常に強いので耐久性が異常に高い布が出来上がるのだ。もし彼女達が作った服を売れば非常に高価な服になるだろう。
「よし!熱気球の試験に行くぞ。全員ついて来い!」
「「「「はっ!」」」」
4天王やサキュバス達を連れてゾロゾロと実験場に歩いて行く。場所はコロシアムだ、コロシアムの側には宿屋や温泉施設等も有るからここを発着場にする予定なのだ。そしてサキュバス達を連れて行っているのは俺のカッコイイ所を見せるためだ。ここで熱気球が上手く行けばサキュバス達のファスナーの位置が又下がる可能性が有るのだ。絶対に失敗は許されない!俺はちら見せが大好きなのだから!