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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第8章 魔王内政編
122/128

第122話 魔王は絶好調

「うむ、順調だな」


「嬉しそうですね魔王様」


「ああ嬉しいぞ、サキちゃんは綺麗だからな。ワッハッハ!」


 俺は最近機嫌が良いのだ、そして機嫌の良い俺は冗談を言いまくるので周りが直ぐに気がつくのだ。魔族の国に居ると周りのサキュバス達が身の回りの世話をしてくれて、オルフェイスが実務を代わりにやってくれるので俺は好きな事に全力で取り組めるのだ。オマケに魔力の補給が幾らでも出来るので、俺の周りは物で溢れている状態だ。

 今も俺の出したラジカセから流れる音楽を聞きながら古龍達の次回公演用の小説を書いてる所だ。相変わらず好き勝手に生きていても全然怒られない自由な生活だった。俺が怖いのは嫁だけだが、魔力変換で映画やアニメのDVDを出してお菓子を与えて居たら皆静かで機嫌が良いのだ。


「魔王様、ミーシャ様から通信です」

「もしもし、こちら魔王。どうした?」

「船の動力部分が完成したのじゃ、見に来てくれ」

「やったなミーシャ、明日見に行く。船に取り付けておいてくれ」


 ドワーフの国で作っていた船の動力部分が出来た様だ。これの画期的な所はスクリューを人力で回転させる機構とあと一つ。ユニットとして既存の船に付けられる事なのだ。つまり今ある船をスクリュー装備の快速船に改造出来るのだ。勿論今の船はスクリューに対応していないので専用設計の船に比べれば速力が落ちるが従来の船より速力が増すのは間違いない。この話が公になれば船長や船主が全員欲しがるだろう、速度が上がれば取引が沢山出来るし船員たちに食わせる食料や水等を減らした分荷物が積めるからな。


「へへへ、儲かるぞ~!!!」

「魔王様おめでとうございます」

「おう、アル!相変わらず良い体してるな!嫁にならんか!わっはっは~!」

「なります!」

「え!・・・なるの?」

「はい、獣神族の王から是非嫁に成るようにって言われてますから」


 又嫁が増えた様だ、アルは何番目の嫁になるのだろう?まあ良いか。これだけ多ければ何人いても一緒だからな。それに牛族のアルは素晴らしい乳をしているのだ。今までは乳や尻を触るたびに殴られていたが今度は殴られないかも知れない・・いや殴られる訳ない、夫だからな。


「魔王様。勇者様から通信です」

「おう珍しいな」

「魔王さんお久しぶりっす」

「現在コノデンワ・・」

「詰まらない冗談は良いっす!」

「ちぇ!冗談が分からない男は女にモテないぞ」

「嫁が居るから良いっす」


 冗談が通じない男になった勇者からアルガルド帝国の事や近況報告をうけた。あちらは大きな変化は何も無いそうだ、そして面白い事もないのでこっちの国に帰りたいって話だった。


「嫁と2人でこっちに来るのは良いけど、公爵領はどうするんだ?」

「嫁の父親と兄貴達に丸投げっす、元々領地の運営はあの人達の方が上手いっすから」

「それもそうだな。じゃあ待ってるぞ、食いたい物や欲しい物が有ったら用意しとくぞ」

「袋ラーメンが食いたいっす!何故か無性に食いたくなるっすよ」

「気持ちは分かる、不思議と食べたくなるよな」

「そんじゃ宜しく!通信終わりっす」


 勇者と話して居たら何故か急に袋入インスタントラーメンが食べたくなって来た。どうやら一度思い出すと我慢出来なくなる魔性の食べ物だった様だ。丁度昼飯の時間なので作ろうかな、直ぐ出来るし。


「全員集合!ラーメン造るど~!!」

「「「「は~い!!!」」」」


 筆頭調理人の俺が何かを作り時は全員が見に来るのだ、こっそり作ると作り方を知りたいサキュバス達が怒り出すから料理するときは全員に教えなければいけないのだ。これが魔王家のシキタリとなっている。


「今からラーメン作ります、色々な種類が有るから皆さん好きなのを選んでください」

「魔王様・・どれが美味しいのか分かりません」

「残念ながら私にも分かりません、各人の好みと季節によって味覚が変わるからです」

「「「「へ~」」」」


 魔力変換でトンコツ、塩、味噌、醤油の袋ラーメンを大量に出して選んでもらう。サキュバス達は真剣な顔で選んでいたがマーガレットは平気な顔で3袋掴んで持ってきた、こいつは3個食うつもりだ。


「おい魔王、私はこれが食いたい」

「3個は無理だぞ、2個にしとけ」


 シルフィーネは2個持ってきて言った、どっちが辛いのでしょう?俺はどちらも辛くないって言ったらしょんぼりしていたので、胡椒を掛けたら辛くなるって教えてやった。

 ラーメン丼ぶりを全員に持たせてスープの元を入れておく、これ用に別にお湯を沸かしているので麺が茹で上がったら入れるのだ。麺を茹でたお湯を使うと不味いのだ、そしてお湯の量を調節すると味の濃さが選択出来る。


「お湯を少なくすると味が濃くなるぞ、反対にお湯を沢山入れると薄口のスープになるからな」

「どっちが美味しいんですか?」

「最初は濃口にして好みに成るようにお湯の量を調節するように。味が薄くなったら元には戻せないから注意してくれ」


 美女達がドンブリにお湯を注いでいる姿はシュールな光景だった。魔族の国は娯楽が少ないから新しい食べ物や知識は娯楽なのだ。トッピングにネギ、紅しょうが、メンマ、チャーシューを出して皆に選ばせる、それぞれの味に合うトッピングが有るのだが個人の好きにすれば良いだろう。

 それぞれの味のスープの色が違うので皆驚いていた、きゃあきゃあ言いながら楽しそうに盛りつけをしていたようだ。シルフィーネ用に辛子高菜と胡椒の大瓶を出してやった、シルフィーネのラーメンは元のスープの色ではない変な色の何かに成っていた。


「いただきます!」

「「「「いただきま~す!!!!」」」」


 皆でワイワイ食べるとインスタントラーメンでも美味しいものだな、色々なスープやトッピングを皆で少しずつ分けあって食べて仲良くしている姿を見て俺は幸せな気分になった。

 しかし気を引き締めなくては成らない、これ以上気分が良くなって調子に乗ると又嫁が増えそうだ。俺は調子に乗ると歯止めが効かなくなる阿呆なのだ。


「美味しいです!魔王様!」

「そうかそうか!好きなだけ食え。まだ沢山有るからな。ウエ~ハッハッハ!」


 今日も魔王の部屋に女性の喜びの声と魔王の高笑いが響き渡る。そしてこの声を聞いた者たちによる魔王の噂は直ぐに街に広がった。絶倫魔王は昼間っから女達を満足させていると・・魔王は男の憧れナンバー1になったのだ。


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