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ぶ~外れです! 賞品は魔王です!  作者: ピッピ
第7章 魔王冒険編
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第114話 古龍と宴会

 次の日宿屋に大量の荷物が届いた、王や貴族からの贈り物が馬車10頭分。多分俺達のご機嫌を取るつもりなのだろうな。まあほしい物も手に入ったし潮時なのでマーガレットの領地に移動する事にする。

 王様に王都を離れる話をしたら大変喜んでいた。「何時でも来てください」って言ってたから来年も古龍を連れて遊びに行こうと思う。


「そんじゃ帰るか」


「うむ、お土産が沢山あるから子供達も喜ぶぞ」


「しかし、昨日は驚いた、私は勇者と魔王が具合の悪い振りをしているのかと思っていたのだ。まさか古龍と戦う奴が乗り物酔いしてたとは思わなかったぞ」


「俺は体が弱いんだよ!労われよ!」


「「「「「ハハハハハ~!!!!」」」」


 イザベラと勇者は辺境に帰るみたいだ、落ち着くまでイザベラの護衛をする気らしい。新婚さんだし、帝国の救世主だから勇者も辺境で歓迎されるはずだ。落ち着く所に落ち着いてホッとした。あいつは今や俺の弟みたいなもんだからな。貴族たちからの贈り物は馬車5頭づつに分けた、イザベラは要らないって言っていたが金は有って困るものでも無いので要らない時は孤児院にでも寄付しろって言って無理やり渡したのだ。


 その後勇者と分かれてマーガレットの領地に帰った時に、まだ古龍のジジババ達がいたのには驚いた。王都前決戦の結果が知りたかったのだそうだ。そういえば俺もトランザムやミーシャが撮影した内容を見ていなかったので夜に上映会を開くことになった。勿論俺と古龍と腕輪ちゃんが居れば宴会に成るのは間違いないのだな。古龍の掘り当てた温泉に浸かって古龍や子供達と宴会なのだ。


「魔王待っておったぞ!宴会じゃ!」

「宴会用の肉はたっぷり狩ってきたのじゃ!」

「酒を出すのじゃ!日本酒と芋焼酎!」


「領主様、魔王様お帰りなさいませ。宴会用の野菜は畑より採ってまいりました」


 俺達を古龍や領民が出迎えてくれた、マーガレットが男爵に出世したのを聞いた領民は皆喜んでくれた。そこで宴会はマーガレットの男爵就任のお祝いって事になった。男爵になって金の心配も無くなったので工兵達を正式な衛兵として雇って、アリアやココも正式な家令として雇うことになった。そして子供達は領民でもありマーガレットの将来の騎士団の見習いって事に落ち着いた。色々有ったが全部古龍のお陰でも有るので工兵や子供達は古龍の事が大好きになったようだ。


「「「「爺ちゃん婆ちゃんありがとう!」」」」


「わはは!任せておけい!困ったことが有れば何時でも言うが良い!」


 とうとう古龍はタダの子供に甘いジジババになってしまった。伝説の存在で恐怖の対象だったハズなのにな。何でこんな事になったんだろう?


「おいジジイ、肉ばっかりじゃね~か!魚も取ってこいよ。俺は蟹や海老が食いたいぞ」


「我侭な奴じゃの~、儂等に意見する奴はお前さん位なものじゃぞ」


 海龍の婆さんが居たので魚介類を獲ってきてもらい、地龍の爺さんが居たので宴会用の椅子やテーブルを土魔法で造って貰った。流石に土魔法の元締めだけの事はあって大理石の立派な椅子とテーブルが300人分一瞬で出来た、宴会では火龍の爺さんが火の調節をしたので美味しい料理になった。古龍って宴会するときに物凄く有能な連中だったのだ。多分この事を知っているのは俺たちだけだな。


「ワハハハ~!!!カンパーイ!!!」


「マーガレット男爵おめでとう!」

「魔王様ばんざ~い!」


 そして園もたけなわな時に王都前決戦の録画を上映したのだ。これが子供達に受けに受けた、古龍達は全員鼻を膨らませて興奮していたな。中には尻尾を出してブンブン振り回してるジジババもいた。


「爺ちゃんカッコイイ~!!!」

「婆ちゃんもカッコイイ~!!」


「そうか?このくらい大した事ないぞ。来年はもっと凄いのを見せてやろう」

「なんの、今度は儂のすごい奴を見せてやろう、雷龍だけにいい格好させるわけにはいかん」

「儂はもっと上手く殺られたフリの練習をすることにしよう。来年はヤラレ役ナンバー1を目指すのじゃ」


 やっぱり来年もやる気満々だな。王都の皆には諦めてもらおう俺には止められないからな。それにしても王都の住民は恐怖で凍りついてたのに、子供達からみたら、見方の古龍が活躍すると歓声を上げて古龍が負けると悔しがるのだ。まあ子供達からすると孤児なので、自分達を見捨てた王都の連中よりも畑を作ってくれたり宴会してくれる古龍の方が大事って事なのだ。まあそんなもんだな、どっちが悪でどっちが正義なんて関係ないからな。


「魔王よ、上手くやったな。大したものだ」


「何だよ長老、あらたまって」


「お主は凄い奴じゃ、今回の件も犠牲者を出さずに多くの人間を救った。意識してやってるかどうかは知らんがお前は化物じゃぞ!気がついておったか?」


「俺は化物じゃね~、普通の人間だぞ。控えめな冒険者だ」


「いったいどこの世界に古龍をこき使う冒険者がいるのじゃ阿呆!」


「・・・ぐぬ~、平凡な冒険者になりたかったんだがな~」


「わはは、細かいことを気にするな。どうでも良いじゃないかそんな事。私が傍に居てやるから飲め!」

「そうですわ、魔王様は普通に化物で良いじゃありませんか」

「そうだな、普通の化物じゃ!儂が慰めてやろう」

「魔王様は普通にしてる時が一番怖いですわ」


 嫁の援護が一番こたえたな、こんな時に勇者が居れば愚痴をこぼせるのに居ないのだ、あいつは結構偉大な奴だったのかも知れないな。

 さて明日は古龍に乗って国に帰る予定だ、久しぶりの国はどうなってるのだろうな。色々予定が詰まってるから忙しそうだ。



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