白い図書館 The White Library
彼女はこう続けた。
「私は、結婚出来るようになってから、もう2年も女子高生をやっているのよ。色恋に関しては女子のほうが成熟しているに決まっているし、事実、私はかわいいからモテるのよ」
「でも、同級生には全く興味を持たれないし、見たこともない君が告白してきて、下級生だと確信したわ」
僕はここで初めて、自分の行為に恥ずかしさを感じた。橙の夕日が、黒い月の光りに変わりつつあり、白い蛍光灯のみが、僕達を照らしていた。
「でも、心配することはないわ。私と友達になることで、知識不足は補えるわ」
「先輩の知識が偏っていそうなことは分かりました。でも先輩も友達が欲しかった、ってことでしょうか」
僕は必死に取り繕った。
「勘違いしないでほしいのは、これはあなたを思いやってのことよ。でも、友達はいてもいい、程度ね」
ピシャリとシャッターを降ろされたようだった。僕は赤面した。しかし彼女の論理展開は、やはり何か可笑しい。
しかしその前提に何か大きなものが見え隠れするようで、僕をより引き込ませた。
僕はここで、自分から3回目の、今回は相談という形で父親の事を話すことに決めた。
「じゃああの、相談があるのですけど」
「相談役が欲しいなら、スクールカウンセラーに告白しにいったらどうなの」
僕は父親が死んだことや、そのあとの家族の話について話した。
「なるほどね。やっぱり人間の関係なんてそんなものよ。一人欠けようが止まらない。良いように見ればポジティブだけど、悪く見れば薄情。信じられるものは金とか物体とか、愛なんてくだらないのよ」
僕は彼女の一部分を垣間見た気がした。
あたりは完全に暗くなり、図書館は真っ白だった。
「さて、そろそろ帰りましょうか。
暗くなって帰ったら、家族が心配するわ」
僕は本当になんとなく、家族という言葉が気になった。
執筆した小説は、最新の動向によって修正します。




