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第七話 早くも王様とご対面フラグがたちました。

遅れました。これからしばらく更新できそうにないです。できたとしても更新速度が劇的に落ちます。


 

 

 お城に連れて行かれた私はやっぱり門のところで待たされている。


 ジェイドさんがまだ26歳くらいの若そうな門番さんと話しているからだ。

 ちらりと私の方に目線が流れてジェイドさんが私のことを説明しはじめる。

 するともうひとりの門番さん(こっちは49くらいに見えるおじさんだった)に声をかけると、そのもうひとりの門番さんが急いで城に入っていく。

 

 私の話を聞いている方の門番さんは話がだんだん進むにつれて、眉間に皺がよって表情が険しくなる。


 …………な、なんか悪いことしたっけ?


 また私を見ると心配そうにしているのがわかったのか、門番さんは私の頭をがしがしとなでた。

 ちょっ、力が強い! 頭がもげるっ!


 がしがしと頭なでられながら話をはじめられてどうしようか迷っているとジェイドさんが苦笑しながら門番さんを止めてくれた。

 た、たすかったよジェイドさん……!!


 もうひとりの門番さんが帰ってくると、ジェイドさんに何かを伝えた。

 にやりと一瞬ジェイドさんが笑うのが見えた。

 


 「それじゃあ通らせてもらうな。おいでフィオーネ」

 

 「あい?」

 


 手招きされてジェイドさんに近づくとジェイドさんに抱き上げられた。

 …あぁ、また子供扱いだぁ……って今は子供だったわ。

 私、一体何回忘れたら気が済むんだろう。


 しばらく無言であるいていたが、その間もジェイドさんは私を抱き上げてずんずん廊下を進んでいく。

 一体どこに行くんだろ?

 


 「じぇいどしゃん」

 

 「ん、どうした?」

 

 「どこにいくんでしゅか?」

 

 「ああ、レオ……王様のところだ」



 ……。


 …………。


 ………………なんですと!?


 

 「……おう、しゃま?」

 

 「そうだこの国をおさめているんだ」

 


 いや、王様が何か分からなかったわけではなくてですね?

 何故会いに行かねばならぬのかを問うているのですよ。

 えぇ。信じられなかっただけです。

 

 だからそのしてやったりって顔ヤメロ。

 くそぅあの時の意味深(にやっとした)笑いはこれかぁーーっ!!


 

 「にゃんで?」

 

 「そういうきまりなんだよ。だから諦めろ」

 


 にや〜っとジェイドさんが笑う。

 ムキーっ腹立つぅーっ!


 

 「いや! いやぢゃ! いきたくにゃい〜っ! いきちゃくにゃいの〜っ!!」

 


 ジタバタともがいて自己主張する。

 残念、命を助けてもらった恩人だとしてもこればっかりは譲れない!!

 


 「どうしてだ? 王様すっごくかっこいいぞ? イケメンなんだぞる 女の人なんてみーんな会いたがるんだぞ?」

 


 にやーっとますます意地悪そうな顔でジェイドさんが笑う。


 ってか、余計いやだわ!

 

 なにそれ!? 異世界転生してすぐにイケメンな王様に会うことになるとかそれなんてフラグ?

 そんな危なそうなフラグ折らずしてなんとする!! こちとら平凡に生きたいんだよ!

 

 そんなハードな恋愛フラグも暗殺フラグも誘拐フラグもいらねぇんだよ普通に生活させやがれこのヤロウ!!

 なんでそんなめんどくさそうな事しなきゃならないんだ。


 …ってことで、


 

 「おこちょわりしましゅ! はにゃしてくぢゃしゃい! っちぇかにゃんでしょんにゃきまりがありゅんでしゅか! まじゅしょんにゃきまりがありゅりゆーがわかりましぇん!!」

 

 「そんなの王様が子供に会いたがったからにきまってるだろ」


 

 さっきの決まり云々は嘘か!!

 ってか、あのもう1人の門番さんがはしって何かを伝えに行ってた行き先は王様の所だったか!、

 


 「諦めろ。不可抗力だ」

 

 「どこがでしゅかれ いったいどにょへんがふかこーりよくにゃんでしゅか! ってかたくらんだちょーほんにんがにゃにをほざく!? …おっちょまずいほんにぇが」

 

 「くっくっくっあはっあははははっあはっあはっあははははっあはははげほっけほけほっ…………はぁ、腹痛ぇそうかそれが本音か」

 

 「あ」

 


 あああぁしまったあああぁーーーっ!!

 しまったつい本音が!

 


 「大丈夫だそんなに気にすんな。ただ緊張しないようにしようと思っただけなんだがな………そうかそうか、あははっお前面白いヤツなんだな!」

 


 誰のせいだ、誰の。

 いったい誰のせいだと思ってるんだ。


 いつの間にかジェイドさんは止まって扉の前だった。

 いつの間に着いていたんだ。


 ぎいっと観音開きの扉を開けてジェイドさんと中に入る。

 そこにいたのは、金髪碧眼涼しげな瞳をもった見目麗しい青年。

 多分、この人が王様だろう。

 


 「今の会話、しかと聞かせてもらった。随分愉快な幼子を連れてきたなジェイド」

 

 「あぁ。フィオーネだ。魔の森に捨てられていた」

 

 「……ほう、………幼子を魔の森へ………?」

 

 「ああ。数百のレッドウルフの群れに襲われていた」

 

 「何、数百の………? レッドウルフは20匹~30匹で群れているのが普通だから明らかに異常値だな」

 

 「ファイアーウルフもいたぞ」

 

 「それでも異常な数だ。少し調べさせてみるか……」


 

 ポカーンと惚けている私をほっといて何やら話が進んでいく。

 仕方ない。素数でも数えるか。


 2…3…5…7…11…13…17…19…23…29…31…37…41……。


 

 

✳✳✳✳

 

 


 …1429…うんと……1433? …うんと…1439?


 ……………素数飽きた。

 あと数えるの大変。

 まだ話しているジェイドさんと王様はあの魔の森でレッドウルフが大量発生した件について話してる。

 


 「遠くで強い魔物が………」

 

 「いや、なにか良くないことが起こる前触れかもしれない……」


 

 一生懸命話すのはいいけど、忘れないで欲しいものだ。

 こちとら体が幼いものだから眠くていけないね。

 ふあぁ〜眠い。

 おっといけないあくびが……。


 

 「…………というか、あの幼子………フィオーネだったか? どうして数百のレッドウルフに囲まれて無事だったんだ? というか、どうしてお前達会えたんだ?」

 

 「……………あぁ、それは空に魔術で光が打ち上げられて行ってみたら魔物に囲まれていた」

 

 「まず、あんなに幼い子供が魔術が使えるのか?」

 

 「使えるんじゃないか? じゃなきゃあの状況で生き残れるはずがない」


 

 おおう。なんか話題が私になったぞ。

 ってか、調子に乗って使ったけど、私の年で魔術が使えるのはおかしいらしい。

 やっちまった。

 ジェイドさんがこちらを向いた。


 ………えっと、なんて言い訳しよう?





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