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うちのお嬢様はなにかおかしい  作者: 藤子
プロローグ
3/4

よろしくお願いします、お嬢様

久しぶりに読んだら書きたくなってしまった・・・!orz

「金参の頃、夜の参生頃に訪れた客ですか、確かに彼には、彼が希望した娼婦の絵と花を書いたものを送りましたが、その方と貴方はどのような関係で?」


 自分は払える料金の有無によって絵の具の質や紙の大きさが変わるのだが彼は確か幼なじみの例の娼婦と結婚したいそうで、お姥から許可は貰っているが何せん銭がなく、かといって他の娼婦で抜くつもりもなくうちの絵を買いにきたのだ。お姥からも安く済むよう注意を受けいたので結構格安の割には力をいれた絵を売った気がする。


 だが、彼と彼女の関係性がいまいちよくわからない。


「あれは私の期限つきの玩具なのよ。

お金がどうしても必要だから金を貸してくださいと直訴してきたから。

その縁でたまたま貴方の絵を見てわらってしまったのよ。だってあの絵肝心の娼婦を書いてるんじゃなくて娼婦に添えた花をより美しく見せる為に娼婦を書いている印象があったもの。

ああ彼の話だったわね。どっかの小憎らしい王様が貧困に喘ぐ民のため働き口を探してやるのは当たり前だっとおしゃっていらしゃったから。その絵を見て興が乗ったから雇ったの。

それにしても、全く素晴らしいわね現王様は。終わることなどない仕事に無償の愛を注いで、さすが賢王と名高い元王の息子だこと。慈愛の精神が有り余って、矮小なこの薄汚い私の心を無意識に傷つけるものだから、会うたんびに思わず毒を吐いてしまうこの私に顔を引き攣らせつつ、正論を教えてくださるんですのよ?

民の為、王が何かを成し遂げずとも民は生きていけるということを、その残念な処理能力で自ら証明なさる姿を見ていると、舞台で永遠とも思われる時間踊り続ける道化、いえからくり人形を見ているようでなんとも哀愁を誘いますわ。」


 そういう彼女は確かにとても美しい硝子細工のような笑みを披露してくださった。

 まるで何かあれば崩れそうなのに嫌に強固で、向こう側が透けて見えそうであるのに決して見ることのできない、そんな表情だった。

 その時僕は確かに彼女のらくがきのようで陶器のようなこのアンバランスな笑顔を描いてみたいと思ったのである。


「めったなことはいわないほうがいい。何処に何がいるのかわからないのですから」


 遠回しに自分達が扱うのが男性器だけでないと言ったら、彼女は少しキョトンとして、そこで初めて少女のように笑った。


「やっぱり貴方、うちで働かない?ええ、働きましょう、」


 なんか断定された。

 まあ、でもなんというかあんなに嬉しそうな笑顔、それも滅多に見ることのできない物をまるで特別に見せられてしまったら、男なんてあっさり着いていってしまうものなのだ。


 それがどんなに茨の道と理性は理解していようとも。それが無謀でも、いやだからこそ楽しみになってしまう。

 娯楽が惰性のこの世の中では、何よりも楽しみがなきゃ生きていけないのである。


「無謀と無茶の舞台中で


私に貴女と踊る許可をいただけませんか?美しいお嬢様《男娼婦》」


「ええ、もちろん。お受けしますよ。自分を退屈させないでくださいね?王子様《お嬢様》」


 ではでは、末永くよろしくお願いしいたしますね?

 お嬢様?

お読みくださってありがとうございます。

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