02 こんにちは、お嬢様
読みづらいと思い文章間をあけました
2話目もよろしくお願いします。
そもそもなぜただの男娼婦であった自分がめぐりめぐってお嬢様、ライリー王国第7代宰相の長女、クレマチス・デンドロビウムの唯一の従者として、建国前から存在するアイリバイシャ学院第35期生として入学を許可されているのかの話をしようと思う。
お嬢様と出会ったのは今から10年前。彼女の父親が持つ直轄領地デリーアールの娼婦館出会った。
当時5歳であられたお嬢様は領地でも有名人で、彼女から会いたいみねを伝えられたとき、既に用件はわかっていた。
曰く、領主様の一人娘(当時は彼の兄も弟もまだ存在していなかった)は我が儘でかつ美しいものが大好きで、自分が欲しいと思ったらどんなに金がかかっても必ず手に入れる。
ちなみに彼女の領民からのあだ名は御布施だった。
そんな彼女が自分のとこに来たのだ。理由を察しないはずがない。
彼女は小さな時から大分変わり者であったが多分、自分がそう思うのは彼女がどうしても譲れない彼女独自のルールが彼女の中に存在しているからであろう。
そんな彼女のルールの一つに自分が欲しいと思ったものは自分の目で確認する、というものがある。
美しさを求めるのなら当たり前かと思うかもしれないが、彼女が異常であり、彼女である由縁として、必ずといって良いほど彼女は商品の売っている店に行って商品を確かめるのである。
普通、貴族というものは自分が重い腰を上げることを酷く嫌う性質があるのだが、彼女は神経質ではないかと思う程自分の家に商人や商品を招くことをいやがった。
そんな経緯も合間って、例によって例の如く彼女はわずか5歳で娼婦館に訪れたのである。
「貴方を私に売って下さらないかしら?」
会って瞬間そういわれたが、残念ながらお断りである。
うちの娼婦館は少々特殊に商売している。もちろん身体もいるやつはいるが、うちでは個人の芸を売っていた。
芸といっても所詮娼婦館だ。最終的には男性器を扱くのだが、穴に入れるかは娼婦の希望次第で、無理矢理入れようものなら法外な金と男のシンボルを切って捨てることとなる。そのかわり娼婦らは扱く前戯として他の娼婦館にはない個人の特技を売っていた。
その特技が洗礼されており、かつ特殊なもの程高い値段をせびることができる。
自分はその中でもかなり特殊で絵を売っていた。もちろん、題材は娼婦館の女である。
そこそこに絵もうまく、噂に上り自分自身を買いたいというやつももちろんいたが、自分にその話が届く前に遊女のばーさんにひねりつぶされていたから、ひねりつぶされることなく話が通った珍しい例だったため一目見ようと考え、暇つぶしと題材用にと会ってみることにしたのである。なんせ、お嬢様は将来が楽しみな幼女と噂だったのである。
発せられた言葉予想道理で、まあ面白くはなかったがよい題材にはなったな、と我ながら酷いことを考えつつ、断り文句を発した。
「申し訳ございませんが別の方に依頼なさってください。」
しょっちゅう店の客にこういうことを聞かれこう返すのだが、たいてい条件の向上求めるているのだと思われ、面倒な押収が続くのだ。
そんなこと望んでおらず現状で満足しているにも関わらず。
たいていそういうときは次の仕事の構図や人物を考えて過ごす。相手もそのうち自分が聞いていないことを理解するからいつの間にやらいなくなっているのだ。
そう思って(この思考まで5秒とかかってないが)意識を思考に埋めようと思い
「そうですか、ならば銀月のまぐわいの夜、昼頃この時間に来ますので。私には抜くべき男性器などありませんので絵書きだけ見させていただきます。
とりあえず今日はこの前、そう確か金参の頃、夜の参生頃に訪れた客に書いた名もわからぬ華を書いていただきます。」
だか、自分にとっては酷く珍しいその言葉と依頼に少し興味を持ってしまった。
少し遊んで見よう。そんな気持ちになるほどには自分は彼女に好感を持ってしまっていたのである。
読んでくださってありがとうございます。
頑張って続けようと思っております。