01 ご機嫌よう、皆様
処女作ですので、お暇な時にでもどうぞよろしくお願いします。
うちのお嬢様は美しいものが大好きで金使いが荒く、我が儘でかつ人使いがうまい。
そんな自分のお嬢様がさらに宰相の娘で第二王太子の婚約者第一候補というんだからとうとうこの王国も終わりであろう。
ちなみに余談だが婚約を決めたのは79まで王座にしがみつき隠居したいまでも、ところどころで影がちらつく 元王である。
自慢ではないがうちのお嬢様とかの王はいまだに仲が良い。どのくらいかというと、かの王が亡くなった時はお嬢様自ら埋葬するといった程だ。
ちなみに王族は基本王族専用カタコンベに立派な棺におさめられる。いわんや、歴代の中で最も賢王とされた王であるのなら歴代の中でも葬儀はそれは立派に行われ、ご立派な棺におさめらることだろう。決して、宰相の娘であろうとも遺体を勝手に持ち出して、適当な地面に埋められるものではない。
「ねえ、お爺様。お爺様はいつ死ぬのでしょうか?いつまで現世にお残りになさるの?お爺様がときどきふっと現れては皆様に助言を告げなさるから、おかわいそうに皆様、どんどん態度も頭も後退なさっているのですよ。それだけでもいっそう寒々しいのに、これでお爺様がお亡くなりになって、棺桶から勝手に出てこられでもしたら救世主ですわよ?そんなことがないよう、私がお爺様を丁寧に埋葬して差し上げたいのです。具体的には鳥葬した後、火葬して最後に埋葬するのが理想ですわ」
これがその時のお嬢様のお言葉である。お嬢様は他人とのコミュニケーションがひたすら淡泊であるからして、ここまで感情移入されたお言葉はなかなか聞くことができない。したがってこの台詞でどれほどかの王がお嬢様に思われているのか理解できようものだ。
ちなみにこの時のお嬢様は7歳。現王太子との婚姻が決定した時である。
そして、お嬢様は今年で16歳になり、このまま順調にいけばめでたくも第一婚姻候補から第一王太子婚約者となりえるわけである。
だがまあ、そんなうまく行くわけもないのが人生というものだとか。
ちなみにこれは、我等が王太子様からお嬢様が今年度の学院の入学式に直接賜ったお言葉であり、しかしながら我等がくそ爺、おっと、元王からすると人生とはある程度どは思い道理に行くものらしい。
全面的に意見に反対したくなる爺ではあるが、これには自分も賛成だ。
なぜなら人間はその人物相応の願いしか願わないからである。