情熱的過ぎる中学生(爆発しろ)
多分R15の話ではないと思うけど一応。
もし合ったら知らせてくれると嬉しいです。
ーーピンポーン
家のチャイムがなった。
ガチャリとドアを開く
「おじゃましまーす」
扉の前には幼馴染みの詩音が立っていた。自分より少し背の高い、鋭い瞳を持つ男の子が。
昔はこっちのほうが大きかったのに……!
「何よいきなり」
私は不機嫌そうに言う、……だってビックリしたから。それを隠したくて。
「あ、着替えてたの?ごめんごめん。祐未の妹ちゃん達もこんにちはー」
そうだ、私はまだパジャマ姿だったんだ。お昼なのに。恥ずかしい。
「本当、何しに来たの」
私が怪訝そうに言うと焦ったのか頬を掻いた。
「今日スカイツリー行ってきまして」
「一人で!?」
信じられない、いつも部屋に引きこもってる奴なのに!それにしても早いな帰ってくるの。
「おう、てなわけでこれ、入院する陽ちゃんにお土産を」
ビニール袋から紙袋を取り出す。とても可愛らしい桃色の紙袋を。……何だか胸がもやっとする。
「やだ、ごめんね」
謝ると照れ臭そうに笑った。
「良いってことよ。米粉のラスク。オレンジ三枚プレーン二枚。勝手に選んだけど大丈夫?」
「ありがと詩音くん!」
末っ子の妹が抱きつくとよろけはしたものもそのまま倒れず立ち止まり詩音は頭を撫でた。……何よ。
「いいえーてなわけで祐未にも」
「いいから」
詩音は小さな袋を取り出す。
「ほら、機嫌直して?金平糖やるから」
「あ、かわいい」
黄色とオレンジの金平糖だ。掌サイズの小瓶に入っている。
「だろ?あと空ちゃんもはい」
また袋から取りだし黄色と緑の金平糖を差し出す。
「…いいのに」
自分だけじゃないのがまたモヤモヤとする。何かしら。
「一人だけ無いのもだめだろ?はい」
「ありがと」
「どういたしましてー
あ、祐未、今度二人で遊びに行けたら行こうぜ?良い感じの喫茶店。見つけたんだ」
え、デート?一瞬そう勘違いしちゃったけど違うよね。だって……こいつ鈍感だし。
「うん、いく」
「……祐未」
ドアを閉めようとすると、詩音が足を挟み眉ねを寄せて話しかけた。
「どうしたの?俺なんか気に入らないことしたか?」
「別になんにもっ」
「嘘つけ、お前のこと何でもお見通しなんだよバーカ」
ニヒルに笑う詩音にときめいてしまう。仕方ないじゃない……好きなんだから。
「嘘つきはそっちよ!」
この気持ち、分かってないんだから。
「あークソッ、お前こっちこい。妹ちゃんたちいるから」
そういって外に連れ出すとドアを閉めて壁際に追い詰められる。さっきの会話を聞かれていたことに羞恥心を覚えるの同時に今されていることに顔を真っ赤にしてしまう。
壁ドンって!そりゃ彼氏にしてほしい行動No.1だけど!
「この鈍感娘。いいか、よく聞け?幼馴染みだってなぁ一応男なんだぞ。ホイホイ気を抜いた姿見せてるんじゃない。あと下心なしに貢ぐ奴なんて滅多にいないの、隙が多すぎる。……だから好きでもない男にこんなことされるんだ。覚えとけよ」
「ちっ、違うもん、好きだだもん。詩音が好きだから、大好きだからアピールしてたんだもん!」
「はあっ?」
あんまりにも気の抜けた返事、酷くない?
「あーちょっとまて、俺も好きだ。愛してる。よし落ち着いた」
「へ、あいしてる?」
「そうだよ愛してるよ好きだよ文句あるなら聞くぞおい」
嬉しい、嬉しい嬉しい嬉しい!勢い余って詩音に抱きついてしまう。
「私も好きだよ!愛してるよ!」
両想いだ!
ドキドキする胸を抑えながら私は詩音に笑った。
【男子中学生と女子中学生】