画面越しの光と影
HK416が火を吹いて、敵を血塗れにする。私は恍惚な笑みを浮かべる彼を見て、それから深く息を吐く。
君は知らないから笑えるんだ。
敵の目を掻い潜り、ナイフに持ち変えて、擦れ違い様に喉を切る。吹き出す赤い雨に見とれて、彼はまたもや微笑む。
そしてアサルトライフルを持ち構えた時、彼の体を無数の弾丸が突き抜ける。鉛の悪魔が赤い尾を引き、宙を駆ける。
撃たれて倒れる彼。暴言と悪態を吐き散らす。けれどもその顔には苦痛が無い。
やがて時間が来ると、彼はまた元の位置に戻され、そしてまた殺戮の嵐に笑みを浮かべ始めるのだ。
君は知らないだろう?
本当の死を、本当に死ぬ事を。
そう思いながら、私は彼に向かって引き金を引いた。笑いながら、嘲りながら。