表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

〜。・見舞い・お仕置き・。〜

「あの〜・・出来れば、それだけは・・・」

風歌の意見は、

「無理。だって、やることないし、なんなら廊下掃除でもいいけど?」

却下。又は、別の案。

「あーうー・・廊下掃除は・・ちょっと・・」

「二択式で、どうぞ。10・9・8・・・」

「待って!それは酷い!せめて、20秒!」

「なーな・ろーく・ごー・・」

「ちょっと遅くなっただけ!?えー・・・!?」

「よ――ん・さ――ん・に――・い――ち・・・」

「うぅっ・・!じゃあ・・どちらにしようかなっ!・・・・“気”!?・・」

「よし!決まり!」

そして、風黄は、そういえば、と呟く。

「風歌って、他人に“気”をあげたことある?」

「えっ?ないよ?」

「マジっすか?じゃあ、全部はもらえないな〜」

風黄は、腕を組む。

「って、全部貰う気?回復するの?」

「しない。普通の神は」

「普通の神は?」

「司神は一日で回復する」

「一日かかるんだ・・」

「て、そうだよ!一日で回復するなら、全部すっちゃえ!」

「やめろー!あたしを一日動かなくする気かー!」

「かも」

「・・・・・・・・・・」

風歌は全てを諦めたような顔になった。

「大丈夫。最初は辛いけど」

「・・・・風黄、やったことあんの?」

「うん。もらった」

「あげたんじゃないの?」

「まさか。あげるなんてしたら、そいつがオレの“気”に絶えれず、爆破だよ」

「体が?」

「うん、体が」

「うわっ・・」

「まぁいいや、早くくれ!腹減ったんだよ!」

「・・・うん・・」

と、思いついた。

「風黄って・・ここのご飯でも生きられるの?」

本来、神は神の世界の食べ物でしか生きられない。

もし、人間界に落ちても、一応、世界各地に数え切れないほどの神の世界の食べ物が売っている。それを探し、そこで買い、そして生きていくということになる。

幸いにも、この学園都市の中に、その店はあった。

風歌はそこで買って生きているが、風黄が買う様子など、一度も見たことがない。

風黄は、風歌を見て、知らない?と言う顔をする。

風歌は、縦に首を振る。

「あのな、オレ、一応ハーフなんだよな」

「ハーフ?何の?日本人とアメリカ人?」

「それで、神が生まれたら大変だよ・・オレは神と人間の子供」

「へー・・・・・・何故に神と人間が結婚!?ダメなんじゃないの!?」

「それがさー、神の男が、皇子だったらしくてさ〜・・結婚できたらしいよ」

「なんて、図々しい・・ってことは、風黄って王子様?」

「うん、そうだよ」

普通に言わないでください。

庶民のあたしが可哀想に見える・・。

「ま、“気”早くくれよ!」

「うん・・」

やっぱし、庶民は皇室の使いなのね・・。

ふと、そう思う風歌だった。



「よっ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

国立万石病院まんごくびょういん5階。

503号室。個室。

ベッドに一人の少年。そのワキにもう一人の少年。

ライトとエンだった。

「なんのようだ?」

「なんだよ、せっかく見舞いに来てやったのに」

「余計なお世話だ」

「・・・・・・そのワリには、たくさんのお花さんが後ろで踊っていること〜」

確かに、ライトの後ろには、大量的に花があった。

『ライト君へ』や『ライト様へ』・『弟ライトへ』などと、たくさんの手紙とともに。

「うるさい、好きで貰っているんじゃない」

「じゃ、これも貰ってくれ!」

渡したのは、小さい花束。

「・・・・・・」

「じゃ、渡したからな!オレ、風歌たちのトコ、行ってくるぜ!」

エンはそう言って、病室のドアを開けた。

と、同時に閉めた。

「・・・何してる?」

「ギャラリーがたくさん」

エンはそう言って、今度はライトに見えるように開けた。

その瞬間。

キャ――――――――――――――!!

という、歓声が上がった。

「閉めろ」

「了解」

パシンッ、とドアが閉められる。

「さぁ、窓から出るか・・。窓の下にギャラリーがいないことを願うぜ」

エンはそう言って飛び降りた。

「・・ったく・・本当にここは5階か?」

ライトはそう呟いた。そして、ドアの鍵をかけた。

「コレでしばらく安全だろう」



「んん〜!」

口をふさがれたまま、風歌は何かを言う。又は何かを言おうとしている。

「何言ってるかさっぱり」

風黄は悪戯っぽい笑みで言う。

「んんん〜〜!!」

「さぁ?さっぱり〜?」

やはり、風黄は同じように返す。

「ん〜ん〜んんん〜〜!!」

「何?」

「んぐぅ〜・・って、オマエが離れればいいの!」

風歌は風黄をどかす。

「おっ、やっと聞こえた!」

「違う!離さなかったのはあんただ!」

風歌はバッ、と起き上がる。

風黄はそれをよけ、ベッドの上で座る。そして、口の周りをぺろり、となめる。

「ったくも〜・・今叫ぶだけでも疲れるんだから!」

「・・・それはどう考えても、自分の責任だろ・・」

「うるさい!大体なんで――――・・」

「大体?」

「大体なんで―――」

「なんで?・・・もしかして・・・貰うのにキ・・・・」

真っ赤になりながら、風歌は猛烈な勢いで、風黄をぶった。

「いってー!何すんだよー!!」

「知らん!あたしは何もしてませんし、何も聞いてません!」

そう言って、風歌は耳を塞いだ。

風黄は、ぶたれたところを抑えながらあぐらをかく。

耳を塞いだままの風歌を見て一言。

「ついでに、そろそろ、体動かなくなるよ?気がたりなくて」

「―――――――――・・・マジ・・?」

風歌は小さく呟いた。

風黄は、にやり、と笑った。

「ほうら、聞いてた」

「・・もしかして、嘘!?」

風歌はそう言って、風黄の元へ行き、目の前から見る。

「今回は、もっと強くする・・っ」

風歌は怒りの炎が見えそうな勢いで、先ほどから用意していたこぶしを振り下ろす。が――。




キシッ――――・・。




「え・・・」

風歌は自分の体が動かないことに驚いた。風黄を見ると、

「ほら、言っとくけど、今の嘘じゃないよ。オレがすった後、みんなしばらくしてから倒れるんだ」

と、言った。

叩こうと思い、出したこぶしがだらん、と下に垂れた。

続いて、体自身が、倒れていく。

ぽすっ、と風黄の腕の中に納まる。

「い・・息が・・苦しい・・かも・・」

風歌は途切れ途切れの言葉を発する。

「うん、苦しいかもな。一日中」

満面の笑顔で風黄は言う。

「この・・あく・・ま・・・ぁっ!」

「悪魔?一応、神様なんだけど。まぁ、そういうことにでもしとくよ」

風黄はそう言って、風歌をお姫様抱っこの状態で、風歌の部屋へ連れて行く。

そして、ベッドに寝かせると、すぐさま部屋を出る。


「助かった・・・」


そう呟いた途端、ドアがイキオイよく開かれた。

エンであった。

「よぉっ!元気か〜?」

「ま・・まあ・・い・・いや・・あっ、元気・・?」

「どっちだよ・・まぁ、いいや。風歌は?」

「寝てる」

「そーか、まだ寝てるのか〜」

「まーな」

風黄はそういい、安堵のため息を気づかれないようにつく。

あのままゆっくりしていたら、きっとエンに誤解されかねない。

しかも、息が荒い風歌の場合。

「こいつ・・・単純だからな・・」

ぼそっ、と呟いたつもりだったが、エンには聞こえていた。

「だれが、単純だって?」

「ん?あ・・聞こえたか?」

「モチロン。で、もしかして、オレのことか?単純って」

「モチロン・・・じゃねーっ!」

「ほぉ〜?オレのことか〜・・風黄〜!!」

「うわっ!やめろ!ここでやるな!あっ、宿題が燃えた!」



いつまでも、平和でありますように。



これは、ここにいるみんなの願い。



「―――・・う・・る・・さい・・・っ!」

風歌は聞こえないような声で言った。

すんません。

ちょっと、飛ばしすぎたかもしれません。

そしていつもいつもすいません。後になりましたが、

見てくれてありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ