〜。・仕事&ライト・。〜
「えっと、キミ・・名前は?」
「・・・春風風歌です」
「風歌?風が二ついてるのね〜、って風黄と同じね。仲良くしてね」
「は・・はい」
風歌は紫苑につれられて、奥の試着室に連れてこられた。
薄暗い倉庫を通り過ぎると、そこは綺麗な服が揃う倉庫だった。
「わあぁっ・・!すごい!」
「そう?ありがとうねっ!ていうか、風歌ちゃん可愛い!もう、特別にあたしがコーディネートしてあげる〜!」
といい、呆気にとられている風歌を残して、紫苑は奥へと消えていった。
そして、しばらくして・・。
「じゃ、じゃ、じゃ〜あんっ♪」
といいながら持ってきたのは、風黄が着ていたのと色違いの服一セットだった。
流石にズボンではなくミニスカだったが。
「色はこの中から選択して頂戴♪そうそう、ついでにこれも〜♪」
「・・・・・・・・・・・・・コレ・・・ですかぃ?」
風歌は差し出されたものをまじまじと見つめる。
「そう♪コレですよぉ♪」
「マジっすか・・・・?」
「ったく〜〜・・・遅い!」
「すまん!」
「ごめん!」
「ごめんなさい・・」
「ドンマイ!」
「平気やろ?」
と、誤る個性的五人組み。
「そういえば・・エンは・・?」
探すと、案外近くにエンはいた。
ベンチに座って、眼を閉じている。
「?」
風黄が不思議がって近づくと、エンは風黄に気づいた。
「オイ、風歌は?」
エンは風歌の姿が見当たらないのを不思議に思っているらしい。
だから、考えてたのか・・・?
「・・アイツなら、姉ちゃんに連れられて、奥の試着室に」
「ふ〜ん・・で、オマエは何してるんだ?ていうか、暇じゃねーか?」
「そうだな、暇だな・・・・・・・・・・・!」
ピンッ、と風黄の頭に何かが思いついた。
そして、にやり、と笑う。
「な・・・何だよ・・」
「いやさ〜・・ちょっと付き合ってくんない?」
「いっ・・?」
「うん。似合うわ!」
「ど・・どうも・・」
風歌が着ているのは、さっき出された謎の服だった。
風黄の服と似ている服は、先ほど試着が終わったばかりだった。
そして、さっきの服に合う靴や小物までくれた。
代金はと言うと、「大丈夫♪無料よ〜ん♪それに万が一、払ってもらうのは風黄だから〜♪」だそうだ。
そして、今。
風歌が着ているのは、青色で髑髏マークがついている――ロリータ服だった。
後ろには、恒例の長すぎるリボン。フリルがそこらじゅうについていて、ブーツもフリルつき。カチューシャにももちろんフリルがついている。髪は、左右両サイドをフリルのリボンで結われている。スカートが異様に短い気がするが、そこは気にするなとのことだった。
イメージは、“風”だそうだ。
確かに、少量の風で、リボンやフリルなどがふわふわ動く。それはそれで、可愛らしい。
しかし、恥ずかしいものは恥ずかしい。なのに――
「姉ちゃん!」
と、風黄の声がするではないか。
しかも、エンまでいる。
ヤバイ!
とっさに隠れようとしているが、ガシッ、と紫苑に掴まれた。
「あれ?どうしたの?もしかして恥ずかしい?」
「もちろんです」
即答した。紫苑は、あははっ、と笑った。
「大丈夫よ。どーせ、あの子たちも恥ずかしい思いをすることになるんだから☆」
「・・・はぃぃ?」
「ふふふ☆ちょっと待っててね〜☆」
紫苑は男二人の元へ行った。そして、強制連行。
「・・・・・・・・・・」
そして、しばらくして。
「姉ちゃん!やめろ!つーか、早く脱がせろ〜!!」
「風黄〜!!どうにかしろよ〜!」
「・・・・えっ?」
入ってきたのは・・・風黄とエン。
しかも、風歌と同じような服。というより、タキシードを改造して、今風にした感じだ。
二人は、風歌を見つけた。
『えっ?』
「何・・・紫苑さん・・って、あの二人もって・・このこと!?」
「そーよ☆これで風歌ちゃんも恥ずかしくな〜い!」
「何?風歌もやられたのか?」
エンが聞く。
「・・・まぁ・・ね」
「どう?このコーディネートはぁ?」
「ん?オレ?オレか!?」
風黄は自分を指され、慌てる。
う〜ん、と唸ってから言った。
「いいんじゃん?」
「やっぱし!?」
紫苑は喜んで喜んで喜んだ後、三人を外へ連れ出した。
そして、大量のビラを三人に渡した。
「コレ、配っておいてね〜」
『えぇっ!?』
みごとにハモった。
が、紫苑はすたこらと去って行った。
「どうすんのぉ〜・・?あたし、この格好、恥ずかしい!」
「同感」
「右に同じ」
「じゃ、早く配ろうよ!そして、早くこれ脱ぎたい!」
「オッケー」
そして、ビラを平等に分けて、一番、通りの多い場所へと向かった。
「どうぞ〜」
「はい」
「貰ってください!」
三人の声は、人々に届いたのだろうか。
いや、届くまでもなく・・・
「それ、頂戴!」
「DOKUROのチラシ!?頂戴!」
「キミ、可愛いな〜・・ビラ、頂戴〜!」
DOKURO流石。
渋谷あたりでは、もう有名になっている。
開始から一時間もしないうちに、ビラは全てなくなった。
「よっし!帰ろう!」
三人はさっさと帰ったが、
「じゃ、次これね」
この服を脱いでもいいよ、という言葉ではなく、仕事が待っていた。
「!!!!?」
次の仕事と言うのは、倉庫から足りなくなった服を取りにいくという仕事だった。
「コレ終わったら、脱いでもいいよ☆」
『乗ります』
意見は同じ。しかし、コレを脱いでもいいのは、仕事が終わるまで。
仕事⇒店⇒終わりまで。
気づいたのは、もう始めて数分たったころだった。
「姉ちゃん・・・・・・」
「しょうがないね・・・・・」
「あ〜ぁ・・―――!」
エンが何かに気づいたように、顔をあげる。
「!」
続いて、風歌もあげる。
「―――――ん?なんだぁ?おっ、一人の少年がこちらへ向かって来ておりますな〜」
風黄が突然、何かを見たようかのように言う。
「そうですね〜・・・・・・って・・!!!!!!!!!??」
「オマッ・・人間か!?」
「なんだよ・・」
二人は、風黄を驚きの眼で見る。
一方、なんで驚いた眼で見られるのかが判らない風黄は首をかしげる。
「だ・・だって・・あれは・・一応、普通の人間じゃ・・判らないんだよ・・!?」
「じゃ、普通の人間じゃないんじゃない?」
風黄は普通に言った。
「だって、人間だって言ったじゃん」
「普通のとは言ってないけど?」
「えっ・・?じゃ・・オマエ、普通じゃないこと・・わかってんのか!?」
「モチロン。だって、ここに生まれてからずっと知ってるからな」
「ココ・・・?」
「そ、ココに生まれてから」
「・・・・・・・・・――紫苑さんは知ってるの・・?」
「まさか、あんな普通の人間&ワケのわからないやつにわかるかっての」
風黄ははぁ〜、とため息をついた。
「知らない?」
風歌は眉を寄せた。
「・・・・・・・・・なんか、嫌な感じがする・・」
「え?」
「だろ?だって、オレさ――」
言葉が終わらない、その瞬間。
バンッ、と倉庫の裏口のドアが開いた。
そこにいたのは、少年。
さらさらの金髪&汚れた肌の少年。きっと汚れてもいなかったら美少年として、紫苑にやられていただろう。
「何してる?エン」
少年は、冷たい声で言う。
「ラ・・・・ライトッ!?」
「嘘・・・ライト!?」
「・・・・・・・・・・・戦うなら本当に外でな」
風黄はそう言って、倉庫を出た。
そして、近くにあったダンボール箱に座る。
「!」
ふと目の前にあった、長い綺麗な栗色の付け毛が眼に入った。
「似てる・・・・・・・・・・・な」
風黄はそう呟いた。
「エン、オマエはなんのためにココに着たんだ?」
「・・・・・・・・いいじゃねーか、オレの勝手だろ・・?」
「だから、オマエはオレに勝てないんだ。今までも、これからも」
「・・・・・・・うるさい。ていうか、オマエなに気取ってんだよ」
「フン、自分が出来ないからと、嫉妬か?」
「ライト・・オマエ・・」
「ほら、抑えて抑えてっ。風黄のところいこうよ」
風歌が慌てて抑える。こんなところでやったら、周りの人まで巻き沿いだ。しかし、
「逃げるのか?」
余計なことぉ〜〜〜!!
風歌はキッ、とライトを睨む。
その視線に気づいたのか、ライトが風歌を見る。
「フウカか・・・いや、今は風歌か・・」
ライトは、そう言った。
「ねぇ・・」
「わかってる」
ライトはもう、戦いはじめている。
先ほどから微かだが、手に電気を走らせている。
そして――刹那――・・。
瞬時にライトが飛び出した。ものすごいスピードった。
「くっ」
「ちっ」
二人はよけるのが精一杯だった。
そして、微かに、二人の服に切れ目が出来た。
「速い・・・・っ」
「なんだ・・・・?アイツ・・何か・・・憑いている・・!?」
「何か・・・?・・判らない・・っ」
「そうだろ?オマエたちには絶対わからない。これは―――・・」
ライトの言葉は最後まで聞こえなかった。
それは、この爆発のせい。
「始まった」
風黄は、ぴくり、と体を止める。
そして、音のするほうに向かう。
「―――そうだ・・・」
風黄は付け毛を手に取った。
「これ、便利なんだよな。いろんな意味で」
風黄は、すたこらと音のするほうへ行った。
「みんな、どんな反応するか、楽しみだ♪」
下手下手下手。
もう、どうにでもしてください。
でも、点数いただけるとうれしいです。
一点でも。
それでは。
みてくれてありがとうございます。