〜。・発見・重大な話・。〜
「へぇ〜・・・学校ってこうなってるんだぁ〜・・」
「すげー、設備だな・・エスカレータがあるよ・・」
「でも、一年生と二年生の階にはなかったよ?」
「三年生になって「お疲れ様!どうぞ三年生様エスカレーター使ってください!」ってか?」
「ちょっと理解不能かも・・」
「そーかー?」
「うん」
「オイ・・人が増えたぞ」
ライトの言葉によって、風歌とエンは会話を止めた。
「ホントだ・・でも、姿隠してるから大丈夫なんじゃない?」
風歌の発言にエンは頷いた。
「もし、このなかに“気”を持ってる奴がいたら?」
「危険です」
「だろ?」
ライトの“気”と言う言葉はミシャーラに住んでいた人――神を示す。
もしこの中に司神がいたら大変なことになる。
「でも、まさか司神がこんなところにいるワケないじゃん!」
「それを願う」
「ん?アレ、リョクじゃねー?」
エンはみた先には、緑の髪に緑の眼。好青年を思わせる顔立ち。
「リョク?あぁ、緑の神ね〜♪・・・・・・・・・・―――いぃっ?」
「・・・・・・・逃げるんだ」
『承知』
三人は向きを変え、走り出した。が、
「な〜にしてるのかな?」
優しそうな声。
がしっ、と風歌の腕が掴まれる。
「ひぃっ!」
「ひぃっ!って何だよ・・・・ていうか、オレ悪党じゃないんだからさ・・もしかして、戦いのことを心配してる?大丈夫、こんなところでやらないって!」
リョクはにこやかな笑顔で言う。
「ホ・・・・ホント?」
「うん、大体こんなところでやって、人を殺したりしたら命の神にはなれないよ」
「・・・・・・・・そうだった」
「忘れてたぜ」
「確かに・・・・」
「って、フウカだけじゃなかったのか!?エンに・・・・・・ライト!?」
「よっ!リョク」
「久しぶりだな」
リョクは隠れていた二人を見つけ、風歌を見る。
「まさか、勝ったのか?」
「ん?エンとは戦ってないよん♪ライトは力使いすぎて倒れちゃった☆」
「・・・・・・・で、今ここにいるワケか・・」
「そっ。リョクは戦う気、ある?」
「うん、あるよ。今戦りたいけど、無理だからな」
「そうね、やられる前に逃げるわ!それじゃ!」
風歌たちはすぐさまその場を去った。
「あっ・・」
リョクは呆気に取られていたが、いつの間にか自分の友人がいなくなっていたことに気づいた。そして、同時にチャイムがなったのにも気づいた。
「うわっ!急がなくちゃ・・!次体育だ・・っ!」
リョクはそう言って、駆け足で教室に戻って行った。
「・・・・・・・ヤバイ・・」
屋上に一気に駆け上った三人。
「なんだ?風歌・・・」
「何がやばいんだ?」
風歌が顔を青ざめていることに気づいた二人。
「だってさ、リョクが此処にいるってことは、寮に住んでるんでしょ?」
「そりゃそうだろうな。ここは全寮制だからな」
「そうらしいな」
「あたしさ、ここに住んでるからさ、見つかったら・・」
「ヤバイな」
「そうだな」
「・・・・・・・嫌だぁ〜・・まだ死にたくない〜!」
「いや、死ぬとは限らないだろ」
「アイツのことだ、人形にはしないだろ」
「そうかもしれないけどぉ〜・・」
「あっ、いた!発見しました!矢幡先生!」
ドアを開けて入ってきたのは、風黄。
「そうか、ありがとう!風黄君!君は伝えてくれ!」
「判りました!」
風黄は三人ももとへ急いでくる。
「ど・・どうしたの?」
「何か・・あったのか?」
「そうだ!大変なんだ・・・」
「大変?だったらあたしたちもだよね〜」
「は?」
風黄は息を切らしながら聞き返す。
「うん、リョク見つけたの」
「バッドタイミング!」
風黄は頭を抑える。
「で、そっちは何??」
「ん?あぁ、ミヤだ!ミヤが来たんだ!こっちに!」
「ミヤ?あの・・闇の神の?」
「そうだ!あの闇の神の!」
「風歌様!エン様!ライト様!風黄様!」
「あっ、矢幡先生」
風黄は、手を振る。
「えっ!?矢幡?って、神殿隊いっぱい!」
「四人とも、平気でしたか?」
「あぁ、大丈夫です」
「そうですか、それはなによりです」
「あの〜・・話がまったくをもって見えないんですけど」
「でしょうね」
「いや、でしょうね、って・・・」
矢幡は後ろの神殿隊を並べ、自分は膝間づいた。
「わたしたちは、神殿隊、銀ランクのものです」
「矢幡、神殿隊だったの!?しかも銀ランク!?」
「はい、風歌様がここに降りてからなりました」
「オイ、風歌・・神殿隊銀ランクって・・・」
「うん、すごいよ・・・」
「三人とも、ちゃんと話を聞いとけよ、神殿隊が来るほど大変なんだ・・」
「判った」
「しょーがねー」
「そうだな」
三人が黙ると、急にこの場は静かになった。
逆に怖い。
「いいか?よーく聞け!じゃ、まず、ミヤが候補に入れなかったことは知ってるか?」
風黄が静かになったトコロで言う。
「うん」
「モチロン」
「知ってる」
「そのせいかなぜかは知らないけどな、司神を狙う事件が起こるんだ。他にも神狩りとかな・・」
「神狩り・・?」
風歌は、つぶやく。
「で?」
「あぁ、それでな、ミヤは七人のうち、もうすでに三人やっているんだ。で、残るは四人。緑と雷と炎と風!地と空気と水は今はまだ力を使えないが、もう回復してるそうだ。・・・ってなに“チッ”とか言ってるんだよ風歌・・」
耳の良いヤツめ!
「で、まぁ、次に狙うのは残る四人のうち誰か。幸いにもこの学園のなかにいるらしい。んでもって、さっきミヤを見た」
「見たんですかぃ!?」
「あぁ」
「矢幡まで!?」
「・・・大変なことになったな」
「そうだな・・・ミヤと戦うことになれば・・・・」
―――待つのは“死”!!!?
「嫌だ!」
「確かに!」
「まだ死にたくない!」
「いや待て。だから、神殿隊呼んだんだろーが!」
風黄が呆れ顔で言う。
「え?神殿隊、出来るの?」
「だーかーらー、下級神殿隊じゃなくて銀ランクをこんなに呼んだんだろうが!」
「そうなの?じゃ、安心ね(きっと!)」
「風歌・・今オマエ、心の中で“きっと”って言ったか?」
エンが小さく耳打ちする。
「まあね・・」
「うん、確かに安心できないよな」
屋上のタンクの上。
真っ黒い少年とカラスがいた。
『だってよ〜、オレたちの“気”にも気づかないんだぜ〜?』
カラスは面白そうに笑う。
少年は、大きな真っ黒いフードを深くかぶっているが、その下では笑っているのが判る。
「風黄たちも気づいてるのにな。まぁ、ワザと気づかないフリしてるけどな」
少年は、そういい、カラスに言った。
「じゃ、次の獲物は――――風歌だ。結構、周りのヤツラが騒ぎそうだ・・!」
少年は、先ほどと同じように揺らいでから消えた。
その場には、風黄たちの声が響いた。
見てくれてありがとうございます。
ちょっとやっぱし、話が飛んだような気がするんですが、すみません。気にしないでください。
そして、またまた最後に
見てくれてありがとうございます。
また見てくださいね。