SFのおしまいは
SFのおしまいは(惑星間探偵事務局KSK)
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この世界には、マニュアルがある。みんなが大変な思いをして少しもいいことがなくて、書いた人たちだけが得をするという嫌なものらしい。カゼノさんはいつもそういうのがあると言っていて、もうやめればいいのにと言いながら事務所を自転車操業していた。今はケイトさんの事務所にいるけど、ウチの事務所の近所の人たちはKSKを見てもうやめればいいのにとよく言っていた。
誰も得しなくて誰もいいことがなくて、そういうマニュアルがいつもある。誰が書いたんですか?って聞いたら、知らない、と言われた。もうずっと前にわからなくなっていて、誰も得なんてしていない。だからいらないのに、って言っていたから不思議に思った。得してる人は、いるんじゃないですか?じゃないとそんなことしないじゃないですか。でもカゼノさんは、特に疑問もないみたいで。
「そんなに親切じゃないんですよ」
ずっと昔にマニュアルを書いた人は、自分たちのことしか考えなかった。だからみんな大変な思いをして、苦しんでいる。……その人たちは、何百年も何千年も先の人たちのことを、考えただろうか。たぶんそんな時代の人は他人と同じ、自分の子供や孫でもあまり関係ない。自分のことしか考えないとは、そういうことだという。
だからマニュアルに変なことが書いてあったら、何千年も先でみんな死んでしまうかもしれない。ここでミサイルを撃つこと、って書いてあったら今までその通りにしていたからするかもしれない。もちろんみんな死んでしまう。そんなマニュアルいらないのに、せめて得をしているというならかわいいものなのにね、ってカゼノさんが私の肩を抱き寄せようとしたらシリカくんが割って入った。「こっちの世界線はもう書かないんだからいいじゃないか!」というのがカゼノさんの言い分だ。
ファイルの保存の仕方の問題で順番が違うかもしれない。(空を見上げて の回)




