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Vtuberの妹の中の人ですが  作者: 針坂時計


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4話

クラスメイトのギャル山さんと参考書を買いに来ている。

ぎゃるぎゃるした二人がおよそ似つかわしくない参考書コーナーにいるので、同じ棚の前にいる真面目そうなメガネくんがビビっている。すまんね、ぎゃうも勉強はするのよ。


ギャル山さんはもちろん本名ではなく影山智恵(ともえ)さんというのだが、皆親しみをこめてギャル山さんと呼ぶ。最近は担任までギャル山と呼ぶので、本人も諦めたらしい。

実は彼女とは同中なのだが、当時は黒縁メガネにひっつめ髪の、典型的なお硬い委員長属性だった。

変化のきっかけは中学卒業後から高校入学の間に塾で受けた短期講習。そこで如何にも「遊んでまーす」みたいなゴリゴリのギャルが、自分と遜色ない成績を叩き出してることにショックを受けたらしい。

「一度しかない青春をただ真面目でお硬い女で過ごすなんて嫌だ!私も楽しみたい!」と一念発起し、成績を落とさないことを絶対条件に親に軍資金を出してもらい、美容室に行ったりメイクやファッションを学んだりして、彼女はギャルとして高校デビューした。

まぁいうても高校生だから、スクールメイクにしてはちょい濃い目だったり制服を崩してたりスカート短くしてたり髪型が派手になったりネイル綺麗にしたりとかみたいなレベルで、よくある金髪日焼けロングネイルゴテゴテウェーイ、なテンプレギャルとかではないのだけども。

彼女をそこまで変えたギャルとは何者なのか?と聞いたら「あんただよ!」と返された。解せぬ。

いやまぁモラトリアム期間だからって派手に髪は染めてたしネイルも派手にしてたけども。そんなにぎゃうぎゃうしてたか?

まぁそういう縁もあって仲良くしてる友だちの一人である。




欲しい参考書が微妙に高い位置にあるので、ぬぅん、はっとチビを呪いつつ背伸びしていたら、メガネくんが「こ、これでしょうか?」と取ってくれた。

「ありがとう」と笑顔で返すと、メガネくんは真っ赤になって「いえ、では」と去っていった。何あれかわいい。チラッと見だけど顔もちょっとかわいかった。あと彼が持っていた参考書は結構レベル高いやつに見えたので、ひょっとしたら同じ学校かもしれない。


「あーちゃん、いいのあった?」


「こっちはおっけ」


「こっちもおっけ。じゃ、いこうか」


ギャル山さんと会計を済ませて書店を出る。あ、今更だがあーちゃんとは私のこと。あーちゃんとかあーさんとかあーたまとか呼ばれる。皆「あー」にこだわりでもあるのだろうか…? 名前が愛だから普通に愛でよくない?


駅前の大型書店に入ったのだが、さして都会というわけでもない地元ではぎゃうぎゃうしたコンビは普通に目立つ。説得力ないけどあんまり目立ちたくもないんだよね。田舎でもナンパぐらいは普通にいるし。

時間もまだ早いのでカフェで一休みすることにし、手近なお店に入った。

ボードによると桜のパンケーキがシーズン限定らしい。ほほう。


シェアしてもいいかと店員さんに聞いたら快くOKしてくれたので、桜のパンケーキとコーヒーを頼んだ。ギャル山さんは紅茶。私は体がちっちゃい分胃も小さいのか、外食の一人前は少し多いんだよね。

待ってる間に買った参考書を見せ合いつつ攻略法について話し合う。ギャル山さんは見た目こそぎゃうぎゃうしてるが根っこは真面目なのだ。成績落ちるとぎゃうやれないしね。

運んできてくれた店員さんが参考書を見せ合うぎゃう二人をみてビックリしていた。


パンケーキをシェアしてつっつきながら参考書を睨む。


「あーちゃんの推しの出版社、やっぱ外れないわ」


「でしょ。お姉もここのやつ使ってたらしいんだよね」


「あー、お姉さん。国立出て今エンジニアやってるんだっけ」


「そだね。最近はずっと家で作業してるっぽい」


「在宅勤務かー。それがマストだよねー、朝の電車混雑エグすぎて無理ゲーだし」


「そうなんか」


私は徒歩通学だからな。ギャル山さんは電車通学で毎朝大変らしい。一度痴漢にあったときは足を思いっきり踏んづけ、そのまま関節をキメて拘束し、駅員に突き出したそうな。無茶しすぎである。


パンケーキおいちい。甘みの幸せをコーヒーで流す瞬間って最高にクールだよね。


「糖分が染みるぅー」


「ギャル山さんそんなに脳カロリー使ってないでしょ」


「あーちゃんと違ってあたしは地頭そんなじゃないんだよー」


私もそんなじゃないけどなあ、とこぼしたら軽く睨まれてため息をつかれた。

いやほんとだよ。私は単にほんのちょっぴり要領がいいだけだよ。


「そういえば話は変わるんだけどさ」


「うん?」


「あーちゃんこの前、花ちゃんにVTuberのこと聞いてたでしょ?」


ギクリ。


「さふだね」


「なんそれ。今まで関心なさげだったのに急に興味持ったのなんでかなって」


「や、ゲームの動画見てたらアーカイブが流れてきて、それでちょっと気になっただけだよ」


「ふーん…」


ギャル山さんはスマホをむにむにと操作し始めた。

やーな予感しますねえ。


「これなんだけどさ」


「はい」


【緋影レン】妹ちゃんによる呪剣士完封まとめ【ナイトメアナイト】


「これ、あーちゃんだよね?」

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